競艇の祭典「SGグランプリ(賞金王決定戦)」。
グランプリの出場資格は、チャレンジカップ終了時点で賞金ランキング18名以内に入ること。そして、ファイナルの優勝賞金1億円を懸けて死闘が繰り広げられます。
ここまではご存じの方も多いでしょう。ただ、グランプリには独自のルールや仕組みがあり、100%楽しむには知識を蓄えておくべき。
そこで今回は、以下のことを分かりやすく解説します。
- 競艇のグランプリとは?
- SGグランプリのルールや抽選方法
- 競艇グランプリが特別である証拠
- 競艇グランプリの過去データ
- グランプリで起きた主な事件
最後まで読めば、初心者の方でもグランプリを理解できるはず。どうせ勝負するなら、万全の状態で楽しみましょう!
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競艇のグランプリとは?
競艇グランプリとは、1986年に創設された「賞金王決定戦」が前身となるSG競争。第1回大会の優勝賞金(3000万円)は彦坂郁雄が手にしています。
当時から名誉あるレースに変わりはありませんが、賞金総額および開催規模は大きくなり、現在の賞金額は1億1,000万円。
まさしく”No.1ボートレーサー”を決める戦いにふさわしいSGと言えるでしょう。
2023年グランプリより優勝賞金が1,000万円増額され「1億円1,000万円」になりました。
正式名称は「賞金王決定戦競争」
ネット上では「グランプリ・GP」といった略称で呼ばれますが、正式名称は「賞金王決定戦競争」です。
2010年に「ボートレース」という呼称に統一されて以降、漢字表記より英語が優先されている昨今。古臭い印象を刷新したいのかもしれませんw
余談ですが、グランプリに漏れた選手が出場する「賞金王シリーズ戦(グランプリシリーズ)」は…
- 1986年、開催当初は一般戦
- 1988年にG2へ昇格
- 1991年にG1へ昇格
- 1997年にSGへ昇格
開始当初は一般戦。それが約10年の時を経て、艇界最高峰の大会となりました。
獲得賞金上位18選手が出場
グランプリ(賞金王決定戦)に出場できるのは、SGチャレンジカップ終了時点で賞金ランキング上位18名。正確には「1月1日~SGチャレンジカップ終了後」の総獲得賞金が選出の基準となります。
SG出場停止処分の選手は、条件を満たしていても出場不可。ただし、SG・G1・G2優勝戦以外のフライングによる斡旋停止中は、グランプリに限り特例で出場可能です。
なお、賞金ランキング19~60位の選手は「SGグランプリシリーズ」の出場権が与えられます。
グランプリの優勝賞金は1億1,000万円
SGの中で最高賞金額となるグランプリ。
優勝賞金が1億円になったのは、住之江で開催された第12回大会(1997年)。2023年にはさらに1000万円増額され1億1000万円に。
意外と知られていないのが2~6着の賞金。さらに、優勝戦までのトライアルでも破格の賞金が用意されています。
着順 | 優勝戦 | トライアル 2nd | トライアル 1st |
---|---|---|---|
1着 | 1億円1000万円 | 570万円 | 480万円 |
2着 | 4700万円 | 450万円 | 370万円 |
3着 | 3300万円 | 360万円 | 300万円 |
4着 | 2400万円 | 310万円 | 220万円 |
5着 | 2200万円 | 280万円 | 190万円 |
6着 | 2000万円 | 260万円 | 160万円 |
優勝戦は2着でも4700万円、6着でも完走すれば2000万円。
わずか18名の選手しか進めないグランプリ優勝戦。そして、その中でも6選手に与えられる報酬は、仮に勝てなくても半端ない賞金を手にできるです。
グランプリが開催された競艇場
競艇のSGは開催を希望する競艇場による持ち回りとなります。
しかし、グランプリは39回の歴史(2024年まで)で「住之江・平和島・戸田・福岡・大村」の5場でしか行われていません。
開催の多くはボートレースのメッカ「住之江競艇」ですが、それ以外も全国トップクラスの売上や集客力を持つ競艇場ばかり。おそらく、その辺も考慮した選考なのでしょう。
第37回(2022年)のグランプリは大村競艇場で初開催。
2020~21年度の売上で全国第1位を記録した影響もあってか、最も収益が見込める”ドル箱大会”に初めて選ばれました。
SGグランプリのルール
グランプリが他のSGと大きく違うのは”短期決戦”であること。
1走ごとの重みが全く異なり、一走入魂の激しいレースばかり。また、機力や技術だけでなく”運も必要”となる点は見どころの一つと言えるでしょう。
グランプリが採用するルールとは?ココでしか見られない特殊な戦いが繰り広げられます。
トライアルは2つのステージ
競艇グランプリは6日間の日程で行われます。
初日、2日目の「トライアル1st」は、賞金ランキング7~18位の12名が出場。そして、2走の成績上位6名が3日目以降の「トライアル2nd」に進みます。
賞金ランキング1~6位の6選手は「トライアル2nd」から登場。
勝ち抜いた6名を合わせた12名で3レースを走り、成績上位6名が最終日の「グランプリ決定戦」に進出。7位以下の6名は順位決定戦に回ります。
トライアル2nd組が断然有利
賞金ランキングの上位選手が有利に走れるグランプリ。
1~6位の6名はトライアル1stが免除されるだけでなく、トライアル2ndの1走目は内枠(1~3号艇)に座ることができます。
中でも1位と2位の選手はインコース進入となるため、1走目から高得点を稼げるチャンス。短期決戦ではあるものの、有利な立ち位置なのは間違いないでしょう。
トライアル2走目以降の枠番はガラポン抽選
グランプリ特有の面白さといえば「実力だけで優勝するのが難しい」という点。では、実力の他に何が必要となるのか…
それは「クジ運」です。
トライアル各ステージの1走目は、賞金ランキングの順番で枠番が割り当てられます。しかし、トライアル1stの2走目、トライアル2ndの2~3走目は「ガラポンを使った抽選」で枠番が決まるのです。
抽選機を回す順番は、前走で1着を取った選手から。
もちろん、先に回したからといって内枠が当たるとは限りません。過去には機力上位ながらクジ運に泣かされた有力選手も多数います。
当然、内側ほど有利となる競技なので、勝ち抜くための”重要な要素”であることは言うまでもありません。
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競艇グランプリと他SGとの相違点
ボートレーサーにとって1年の締め括りとなるSGグランプリ。
最上位の成績を残した選手しか出られない開催だけあって、艇界の頂点を決めるにふさわしい舞台が整えられています。
GP出場者は上位モーターを使用
グランプリならではの特徴といえば、最高峰の戦いに見合うモーターが選手に用意されること。
グランプリ出場者は「2連対率上位のモーター」が優先的に割り当てられます。なるべく機力によるハンデが生まれないためのルールです。
賞金上位6選手には2連対率1~6位のモーター、7位以下の選手には7~18位のモーターで抽選が行われる仕組み。
上位モーターばかりとなるグランプリは、機力面において文句なしにハイレベルな争いとなります。
優出選手は「翌年のSGシード獲得」
グランプリに出場する18名がまず目指すのは「優勝戦進出」。ファイナル出場の可否によって、翌年に天と地ほどの差が生じます。
というのも、グランプリ優勝戦に進出した6選手には「翌年のSGシード権」が与えられます。
最優先で出場できる権利となり、6つのSG出場(クラシック、オールスター、グラチャン、オーシャンカップ、メモリアル、ダービー)が約束されされることに。
無条件でのSG出場は、賞金を上積みできる大チャンス!
翌年のグランプリ選出にも関わってくるので、1億円1000万円を懸けたファイナルステージに残るのは大きい意味を持ちます。
順位決定戦でも賞金は高額
以下はグランプリ・グランプリシリーズの賞金表。
順位 | グランプリ 優勝戦 | グランプリ 順位決定戦 | シリーズ 優勝戦 |
---|---|---|---|
1位 | 11,000 | 2,100 | 2,000 |
2位 | 4,700 | 1,100 | 720 |
3位 | 3,300 | 800 | 470 |
4位 | 2,400 | 550 | 370 |
5位 | 2,200 | 450 | 330 |
6位 | 2,000 | 400 | 300 |
12名で争われる2ndステージを勝ち抜いた6名が優勝戦へ進出しますが、それ以外の選手たちは「順位決定戦」となります。
順位決定戦とは、いわゆるグランプリの敗者戦。
ただ、ここで1着になれば賞金は2100万円。同時開催のSGグランプリシリーズ優勝賞金(2000万円)を上回る賞金が用意されています。
ちなみに、2着でもG1の優勝賞金を上回る1100万円なので、敗者戦とはいえモチベーションはかなり高いはず。
賞金について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
SGグランプリの歴代覇者や売上
グランプリの歴代優勝者や売上を紹介します。
グランプリ歴代優勝者
2012年以降のグランプリ歴代優勝者は以下の通り。
年度(開催場) | 優勝者 | 進入/決まり手 |
---|---|---|
2024(住之江) | 毒島誠 | 1コース/逃げ |
2023(住之江) | 石野貴之 | 1コース/逃げ |
2022(大村) | 白井英治 | 1コース/逃げ |
2021(住之江) | 瓜生正義 | 4コース/まくり |
2020(平和島) | 峰竜太 | 1コース/逃げ |
2019(住之江) | 石野貴之 | 1コース/逃げ |
2018(住之江) | 峰竜太 | 1コース/逃げ |
2017(住之江) | 桐生順平 | 1コース/逃げ |
2016(住之江) | 瓜生正義 | 1コース/逃げ |
2015(住之江) | 山崎智也 | 1コース/逃げ |
2014(平和島) | 茅原悠紀 | 6コース/差し |
2013(住之江) | 池田浩二 | 1コース/逃げ |
2012(住之江) | 山崎智也 | 4コース/ま差し |
2023年のグランプリ時点で連覇を達成したレーサーは、野中和夫(第7、8回)、植木通彦(第10、11回)、田中信一郎(第18、19回)の3名。
なお、第1回大会以降の決まり手は、逃げ18回・差し5回・まくり(ツケマイ含む)9回・まくり差し2回・抜き4回なっています。
歴代のグランプリ優勝者をはじめ、生涯獲得賞金ランキングは以下をご覧ください。
グランプリの売上推移
開催年 | 総売上 (シリーズ戦含む) | 前年比 |
---|---|---|
2024年 | 291億9050万円 | 107.6% |
2023年 | 271億2558万円 | 104.4% |
2022年 | 259億6935万円 | 107.8% |
2021年 | 240億7500万円 | 116.1% |
2020年 | 207億3400万円 | 101.2% |
2019年 | 204億7500万円 | 120.6% |
2018年 | 169億6400万円 | 110.6% |
2017年 | 153億3000万円 | 103.3% |
2016年 | 148億2900万円 | 99.0% |
2015年 | 149億6800万円 | 106.6% |
2014年 | 140億4100万円 | 93.7% |
2013年 | 149億7400万円 | 96.5% |
2012年 | 155億1700万円 | – |
グランプリ(シリーズ戦を含む)開催期間中の売上です。
2017年頃まで150億円前後を推移していましたが、それ以降は飛躍的に上昇傾向。新型コロナ、ネット投票の普及が売上増の要因と思われます。
ボートレースの売上が爆増している理由は、以下の記事で詳しく解説しています。
グランプリ覇者が賞金王になれないケースも
「このレースに勝てば賞金王」という位置づけで行われてきましたが、SG競走の増加などによって、グランプリ制覇して賞金王を逃すという事態も起きています。
2000年以降で、グランプリ優勝者と賞金王が別々に誕生した年は以下の4件。
グランプリ優勝者 獲得賞金額 | 賞金王 獲得賞金額 | |
---|---|---|
2014 | 茅原悠紀 1億6238万円 | 菊地孝平 1億6954万円 |
2008 | 井口佳典 1億9435万円 | 松井繁 2憶1259万円 |
2007 | 吉川元浩 1億8148万円 | 魚谷智之 2憶537万円 |
2004 | 田中信一郎 1億8408万円 | 今村豊 1億8811万円 |
いずれも1億円を獲得しながら、年間のランキングでは一歩及ばず2位となったケースです。
SGグランプリで起きた事件一覧
グランプリは大金が動くレースゆえに、想定外の事態が起きた時の影響もケタ違いの大きさ。過去には数十億円という返還も発生しています。
集計トラブルでレース中止の危機(2004年)
2004年(第19回)のグランプリ優勝戦が開始される直前、それもピットアウト寸前の時に思わぬトラブルが起きました。
締切時刻を迎え、舟券を購入したユーザーが待っている状況。そんな中、なぜか住之江場内は「ジャンピーラブ」は流れたまま。
5分、10分と時間が過ぎるに連れ、場内およびスタントは騒然となっていき…。
発走が遅れた原因は、場外発売していた三国競艇場の集計トラブル。データが届かず、確定オッズが算出できない状態だったそうです。
当時の住之江はナイター照明がなく最悪の事態もよぎりましたが、17時前に集計が完了してギリギリ発走。
田中信一郎(大阪)の優勝で幕を閉じました。
ただ、テレビ中継はレースの模様を届けることなく終わってしまう残念な結果。
私もこの時現地にいましたが、レース終了してすぐに日没で真っ暗になったのをよく覚えています。レースが無事に成立して本当に良かったw
グランプリ優勝戦史上初の失格(2007年)
グランプリ優勝戦ではじめて失格艇が出たのは、意外にも第22回大会(2007年)。
2コースからスタートした「井口佳典」が、1周1マークで振り込んでエンスト。これがグランプリ史上初の不完走となったのです。
グランプリも他のレースと同じく、失格や欠場となった場合の賞金はゼロ(出走手当のみ)。
井口にとっては残念かつ不名誉なグランプリ失格第1号。しかし、翌年2008年のグランプリを鉄壁のイン逃げで優勝し、リベンジを果たすことに成功しました。
4艇転覆の大波乱&史上最高額の大返還(2022年)
記憶に新しい2022年の第36回グランプリ。
史上4人目となる連覇を期待された峰竜太。優勝戦は1号艇で、ほぼ全ての競艇ファンは勝利を確信していたでしょうが…
1周1マークでターンマークに激突。失速したところに後続艇も巻き込まれ、計4艇が失格となる大反乱に。
グランプリで複数の失格艇が競艇史上初。
完走できたのは優勝した瓜生と白井の2艇のみ。その為、3連単など多くの賭式が不成立となり、競艇史上最高の返還額「約41億円(全売上の95%)」を記録しました。
まとめ
競艇の「SGグランプリ(賞金王決定戦)」を紹介しました。
出場するだけでも名誉といえるレース。他のSGとは比較できないほどの賞金を貰え、優勝戦に進出できれば翌年のSGまで確約されます。
約1,600名にるボートレーサーの夢舞台となりますが、特殊なルールの中で頂点に輝くには「実力と運」が必要なのは理解できたはず。
最後に、競艇ファンにとってグランプリとは、その年を締め括る大一番。バチっと当てて、豪勢な年末を過ごしましょうw
グランプリ終了後の「クイーンズクライマックス」については以下の記事をご覧ください。
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