競艇でフライングした場合、その選手が含まれる舟券は全額返還されるので、投票したファンとしては「何やってんだよ!」程度で済む話。ただ、選手にとっては「厳しすぎる罰則」が待ち受けています。
「あの選手はF2だからスタートいけないでしょ」などと聞くのはそのせい。F1ならそこまで影響はないでしょうが、F2となると後がなくなる。3回目のフライングをするとレースに呼ばれなくなり、F4は事実上引退するしかない状況に…。
競艇においてフライングこそ選手が最も恐れる反則なのです。
罰則内容についてはこれから詳しく説明しますが、これだけは覚えておいてください。「フライング選手生命に関わる」ということ。

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競艇のフライングや出遅れについて
競艇のことを全く知らない初心者さんのために、フライングや出遅れについて少しだけ説明しておきます。すぐに罰則を確認したい場合は以下よりジャンプしてください。
競艇はフライングスタート方式
競艇は公営ギャンブルの中で唯一「フライングスタート方式」が採用されています。
フライングスタート方式とは、各競艇場に設置された大時計(上記画像)が0~1秒を指した間に通過するもの。0秒より早くスタートした場合は「フライング」、1秒以上遅れた場合は「出遅れ」となり、選手には重たいペナルティが課されます。
では、罰則があるのになぜフライングしてしまうのか?その理由は、限りなく0秒に近いスタートをした方が、その後のレース展開を優位に運ぶことができるからです。
競艇というのは、1周1マークで勝敗が決するといっても過言ではありません。その為、他の艇より少しでも早いスタートをし、できるだけ有利な展開に持ち込むことを心掛けているのです。
フライング・出遅れの舟券は全額返還
フライングまたは出遅れが発生した場合は、その艇を含んだ舟券は全額返還されます。フライングで欠場扱いとなると投票額が大きく減少するので、再計算されたオッズは極端に下がることもあります。
過去に起きた実際のレースでは、ボートレースの最高峰でもあるSGの優勝戦において、人気が集まっていた1,2号艇がどちらもフライングする大事故が起きました。
このレースの売上はなんと26億円超え。しかも、1号艇の西島選手、2号艇の熊谷選手に92.8%が投票されていたため、24億円以上のお金が返還となりました。ちなみに、この返還額の記録は、現在も尚「過去最高返還額」として受け継がれています。
施行者にとって売上は投票されたお金のみ。選手への賞金をはじめ、広告などにも多額の予算を投じるので、フライングなどで返還となるのは許されない行為なのです。
もちろん、私たち競艇ユーザーにとってもメリットは1つもありません。
フライングした選手への罰則・罰金
フライングをした際の罰則を紹介していきますが、今後の舟券予想にきっと役立つはず。フライン持ちの選手はスタートいけるのか?その辺まで予想しやすくなると思います。
予選でフライングすると優出不可
予選でフライングした場合、その節の優勝戦への出場はできなくなります。また、準優勝戦の前日に行われたレースでフライングすると、仮に準優で良い成績を残したとしても選抜戦には乗れません。
さらに厳しい罰則が定めてあるのが「SGやG1の準優・優勝戦」でフライングした場合。
G1 |
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SG |
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SG・G1の罰則が強化されているのは、一般戦などと比較して桁違いの売上となるから。優勝戦ともなると投票額が10億円を超えてくるので、スタート事故による損害の大きさが反映されているのでしょう。
斡旋停止(フライング休み)
フライングや出遅れをしてしまうと「斡旋停止」となり、レースに呼ばれなくなる罰則があります。回数を重ねるごとに停止期間は加算されていき、最長(4回目)で360日もの期間が停止されます。
回数による斡旋停止期間
- 1回目:30日間
- 2回目:60日加算
- 3回目:90日加算
- 4回目:180日加算
停止期間が長いとレースに出場できず、A1級だった選手がB2級まで落ちてしまうことは多々あります。そうなると賞金の少ないレースから再スタートしなくてはいけないので、華やかだった生活が一転する選手も多いでしょう。
競艇選手の稼ぎは賞金がメイン。出場できなければ無収入となり、停止期間が明けるまでは「日雇いのアルバイト」などで生計を立てるしかありません。
「競艇選手ってめちゃくちゃ稼いでいる」とネットでは良く見かけますが、日々、無職と隣り合わせの戦いをしている厳しい世界なのです。



フライングによる罰金はあるのか?
「フライングをすると罰則があるのは知ってるけど、罰金って聞いたことないなぁ」
おそらく半数以上はこのような認識でしょう。それもそのはず、罰金についてほぼ語られておらず、罰則のみと感じてしまうのは仕方のないこと。ただ、結論からお伝えすると…
フライング罰金はあります。罰金額は以下の通り。
- フライング1回目:6万円
- フライング2回目:10万円
- フライング3回目:10万円
え、これだけ?と感じたかもしれません。正直、はじめて知った時は私も同様の感情を抱きました。しかし、罰金だけを見れば大した金額ではありませんが、お金を払う以上に面倒な罰が待っているのです。
それは「碧南訓練所(愛知県)で2泊3日の訓練」。1度目のFから90日以内にFをきると、強制的に訓練所行きとなります。
また、そこへ向かう際の交通費は罰金に含まれているものの、従来線を使った金額のみ。それ以外の交通機関は実費となるので、罰金以上のお金が消えていくケースもあるでしょう。
このことについて元ボートレーサー「岡悠平」さんが詳しく話しています。
実際に体験した選手曰く、お金より「時間や労力」を費やす方が辛いようです。
余談ですが、岡悠平元選手は2021年12月に桐生で走ったのを最後に、現役を引退することとなりました。4期通算勝率の基準を超えられなかったことが原因と思われます。
即日帰郷(1節に2度または非常識なフライング)
上記に紹介した斡旋停止と連動する罰則ですが、同じ節のレースでフライングを2回、もしくは非常識なフライングをすると「即日帰郷」となります。
短期間で2回もフライングをした選手は、施行者にとって紛れもなく不利益な存在。大少関係なく反省してないと見なされ、家に帰って頭を冷やせ!という罰則でしょう。
そしてもう一つの「非常識なフライング」というのは、スタートタイミングが0.05秒以上早いフライングのこと。一般人からすると「0.05秒なんて誤差の範囲でしょ」と捉える数字ですが、競艇では”あり得ない反則”と扱われるシビアな競技なんです。
ちなみに、非常識なフライングの画像があったので載せておきますね。
下から二番目が「即日帰郷」となった選手です。これくらいのフライングでも「非常識」となってしまうボートレース。これを毎日やってる選手の皆さん、ほんと尊敬しますw
フライング4回は引退勧告
フライングを4回してしまうと360日の斡旋停止となりますが、それに加えて「引退勧告」がなされます。
言葉の通り”勧告”なので強制ではなく、引退するかは選手自身が決めること。しかし、そんな選手を呼んでくれる施行者は少ないので、事実上引退に追い込まれるはず。
ただ、私が競艇をはじめて約20年、これまでフライングを4回した選手は見たことありません。そもそも、2回フライングした時点で出場する機会はほぼなくなりますし、3回でも引退を考えるのは普通。
そんな中、F3で戦線離脱から復活したA1級のトップレーサーもいます。
F3で引退?と思いきや復活した日高逸子選手
女子のトップレーサーとして活躍していた日高選手が、まさかの非常識なフライングを含むF3で150日のフライング休み(1本は消化済)。
- 2020年5月 若松競艇(+.07)
- 2020年7月 蒲郡競艇(+.01)
- 2020年9月 福岡競艇(+.01)
若松の非常識なフライングはリアルタイムで観戦していましたが、スタートを得意としている選手だけにビックリしたのを覚えています。しかも、そこから2回もフライングを重ねてしまい、11月に出場予定だったG2は除外に。
B2降格が決定し、還暦を迎える年齢もあって「さすがに引退かな?」と思っていところ、2021年2月17日、鳴門競艇で復活を果たします。



事故点・事故率とは?
競艇を少しやったことがあるなら一度は耳にしたであろう「事故点・事故率」というワード。選手にとってもファンにとっても大切なデータとなるので、理解していない方はこの機会に覚えておきましょう。
反則別の事故点
反則内容 | 加算される事故点 |
優勝戦でのFL | -30点 |
優勝戦以外でのFL | -20点 |
妨害失格 | -15点 |
選手責任の失格・欠場 | -10点 |
選手責任外の失格・欠場 | -0点 |
不良走行・待機行動違反 | -2点 |
※Fはフライング、Lは出遅れ
フライングおよび出遅れをすると20点、優勝戦だと30点もの事故点が加算されます。
他には、妨害失格が15点、転覆や落水などの選手責任の失格・欠場が10点、不良走行・待機行動違反が2点となりますが、選手に責任はないと判断された失格・欠場の場合は事故点が加算されません。
事故率の計算方法
加算された事故点は「事故率」として以下の計算方法で算出されます。
この事故率は級別(A1・A2・B1・B2)の審査にも影響し、仮に対象となる期間内の事故率が0.7以上だった場合、どれだけ成績が良くてもB2級へ降格となってしまいます。



級別審査の期間(事故点のリセット)
期別 | 時期 |
前期 | 5月1日~10月31日 |
後期 | 11月1日~4月30日 |
級別は上位になるほど賞金の高いレースに出場できるので、選手たちの収入に大きく影響してきます。その為、審査期間の最終月である「4月・10月」はいつも以上に熱い戦いとなります。
また、累積した事故点がリセットされるのは、前期(5月1日~10月31日)が始まる5月1日と、後期(11月1日~4月30日)が始まる11月1日。この日になるとフライング(F)や出遅れ(L)といった表記は消え、さらには累積された事故点はリセットされます。
一点だけ注意してほしいのは、リセットされる直前にフライングなどをしてしまったケース。5月・11月に表記上は「F0・L0」となりますが、実際はペナルティを消化せず新期に移行していることも。
これを「隠れF」と呼んでますが、意外と見落としがちなので注意が必要。リセットされた新しい期の場合は、移行する前のデータを合わせて確認しましょう。
まとめ
フライングなどの罰則を知ると、いかにボートレーサーという競技が大変かご理解いただけたはず。ちょっとした気のゆるみで即日帰郷させられたり、A1級の華やかな舞台から「地獄の生活の始まり」と呼ばれるB2級へ降格することもあります。
ただ、反則するとそれだけ厳しい末路が待っていることを知れば、F持ちの選手がどう動くのか?無知な人より精度の高い予想ができると思います。
最後に、競艇というギャンブルは知識があればあるほど勝率がアップします。当サイトには役立つ情報が沢山あるので、勝ち組になりたいならぜひご覧ください!
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コメント一覧 (1件)
今検討されてるように
フライングを大幅に緩和する制度が早く成立してほしい