日本における競艇発祥の地「大村競艇場」について、予想する際に役立つ主な特徴をまとめました。
まず、大村競艇場といえば”インが強い水面”としてファンの間では有名なことですが、なぜここまで1コースの勝率が高いか理解してますか?また、大村競艇場の特徴は他にもあるのではないか?
大村との相性抜群の私が、水面特性や各種レースデータを分析し、初心者でも分かりやすいように解説していきます。今より勝率を上げたい方にはきっと有益な情報のはず。
大村競艇場(ボートレース大村)とは
大村競艇場は、長崎県大村市にある日本最西端に位置するボートレース場。日本ではじめて競艇という競技が開催された地であり、昔から競艇ファンに愛されてきた聖地となっています。
正式名称は「大村ボートレース場」ですが、ボートレース大村・大村競艇場など呼ばれ方は様々です。
競艇場がある場所
出典:Googleマップ
ご覧の通り、大村競艇場は大村湾の一角を利用して作られています。つまり、大村競艇場は海水面ということになります。
内海で海水による影響は少ない
海水面と聞くと、潮の干満差やうねりなどから水面が荒れることを想定される方も多いかと思います。ここで、先の地図をもっと広範囲に見てみることにしましょう。
出典:Googleマップ
大村競艇場のある大村湾は、湾の入り口付近に存在する佐世保湾が頭上にあります。その佐世保湾付近に存在する大村湾への入り口がとても狭い水路になっており、閉鎖的な環境になっているのです。
そのため、大村競艇場の水面はとても穏やかであり、時折打ち寄せる穏やかな波が海岸に打ち寄せる様から、別名「琴の湖」と称されるほど。
海水面ではあるものの、比較的穏やかな静水面であることを念頭に置いておきましょう。
ボートレース大村の施設概要
名称 | 大村ボートレース場 |
住所 | 長崎県大村市玖島一丁目15-1 |
公式HP | ボートレース大村 |
電話番号 | 0957-54-4111 |
営業時間 | 10時~発売レース終了まで |
所属 | 長崎支部 |
主な選手 |
|
ボートレース大村へは何度か遠征してますが、大きくないけど歴史を感じる会場といった印象。敷地内には「発祥地記念館」や、競艇好きで知られる蛭子さんがペイントした艇なども飾られています。
ただ、他の競艇場と比べると施設自体は小さく「この座席数で足りるの?」と不安でしたが、そもそもの来場者数が少なく問題はありませんでした。
それと、有料席についてはあまり期待しない方がいいです。平和島や浜名湖にあるような有料席はなく、一般席からちょっとグレードアップした指定席のみ。座席に関しては以下の公式サイトをご覧ください。
大村競艇場の水面特性
先述した通り、大村競艇場は海水面であり「静水面」です。一般的な海水面と静水面の特徴に、合わせて大村競艇場独自の特徴を組み込みながら、わかりやすく特徴をまとめました。
潮の干満はある
大村競艇場は静水面ではありますが、元が細い水路で外海と繋がっているため潮の干満はあります。ここで注意しておきたいのは水位が変わることです。
競艇は1日に前半と後半で2回出走する選手も多くいます。これにより前半戦と後半戦で見える景色が異なるため、スタート勘が狂うこともあるのです。
しかし、この干満差も、大村競艇場の場合は他の競艇場と比較すると、水位の違いは1mほど。他の競艇場の場合は3mほどにもなる場所もあるため、さほど大きくはありません。
ただし、この干満差はその水面に慣れている地元選手ほど有利に働きやすいため、大村競艇のレースでは選手の所属支部名をチェックしておくと良いでしょう。地元選手が出場している場合は期待値高めでいいかも。
2マーク付近の独特のうねり
大村湾は琴の湖と呼ばれるほど穏やかな水面ではありますが、それでも時にうねりを生じることがあるのもまた事実です。ここで大村競艇の詳細なレイアウトを確認してみましょう。
出典:ボートレス公式サイト
向かって左下の部分、2マーク付近は実は競艇場の場外と繋がっており、水門が開いています。時にこの水門から入ってくる海水が「独特なうねり」を発生することがあり、2マークをターンする際に艇が流れてしまうことがあるのです。
そのため、仮にこのうねりの存在に気づかず握ってターンした場合、流れてしまって競合いに破れたりすることも。
よって、大村競艇の2マークでは差し選択となることも多いのが特徴です。
この独特なうねりは選手を悩ますことも多いため、やはり走り慣れた地元選手の方が有利に働きます。潮の干満差同様、レース予想時には選手の支部名をチェックするようにしましょう。
風の影響は防風ネット整備で軽減
大村競艇の水面特性の一つに風の存在が挙げられます。風の存在はレースに大きく影響しますが、元来、大村競艇は強風が吹く水面でした。
一般的にスタート時に選手にとって追い風はスロー有利。反対に向かい風の場合はダッシュが有利とされています。ただ、大村競艇場は北風や季節風の影響で風向が代わりやすく、安定しないことが特徴でした。
しかし現在、大村競艇場は基本的にはナイター開催に転向。それと同時に防風ネットが整備されたのです。
上記で紹介した大村競艇場の水面図を再度ご覧ください。
出典:ボートレス公式サイト
左にも上にも、防風ネットが設けられています。ある程度の風が防がれることで水面は安定感を増し、より一層インが強くなるという結果となりました。
ただし、風の影響は完全に消えたわけではありません。あくまでレース前には直前の気象情報を確認するように心がけましょう。
大村競艇場のコースの特徴
大村競艇場は”イン天国”と呼ばれていることを冒頭でお伝えしました。インが強くなっていることの一つに、コースレイアウトが関係していると推察されます。
それらの理由について解説していきます。
1マークとホームストレッチの間隔
大村競艇場がイン天国と呼ばれる理由の一つとして、1マークとホームストレッチまでの間隔が広いことが挙げられます。その距離は48m。
ここで、第1ターンマークが日本一狭いと言われており、捲り水面とも称される「戸田競艇場」と比較してみましょう。
出典:ボートレース公式サイト
戸田競艇場の同距離は37m。大村競艇場は戸田競艇場よりも11m長くなっているのです。
この距離が狭い戸田競艇は、艇同士の間隔が狭くなりダッシュ艇がブイから近くなります。その分、短距離でターンすることができるので、スタートが優勢だった場合は前にいる艇を叩いて回ることができ、連に絡みやすくなります。
一方、大村競艇場はその逆の現象が発生し、ダッシュ艇がブイから遠くなるので絡みにくいとされているのです。
この1マークとホームストレッチの全国平均距離はおよそ43.8m。これに対し大村競艇場は全国5番目の長さとなっていることが、イン逃げやすくなっていることを覚えておきましょう。
スタートラインが全国5番目の長さ
大村競艇場のスタートラインの長さは58mとなっています。スタートラインの全国平均は55.7mであり、こちらも全国5番目の長さ。スタートラインの長さもまた、艇同士の距離間隔を保つ原因となり、アウトから攻めて来るまでの時間を稼ぐきっかけとなります。
1マーク、スタートラインともに長いことが、イン逃げ成功率を上げているのです。

大村競艇場のピット位置
大村競艇場を代表する特徴に「ピットの位置」が挙げられます。全国の標準的なピットと比較するため、唐津競艇場の水面図をまずはご覧ください。
ピットは向かって左。そして178mの距離があります。
対して大村競艇場は、先のレイアウト図をご覧頂くと、2マーク付近のスタンド側にピットが位置しているのがわかります。しかも、その距離は唐津競艇とは全く異なる91nとなっており、約80mも短いのです。
この距離はコース争いに影響します。本番出走では、ピット離れから2マークを回って展示行動を行うのですが、この際多少ピット離れが悪くても、この距離が短かければなんとか舳先をかけて前付けしてくる艇を防ぎやすくなります。
しかし、この距離が長ければ長いほど、モーターの出足の違いが出てきます。伸びて前の艇をピット離れから叩くことが出来れば、無理することなく前付けしやすくなるのです。
これらの理由から、大村競艇場は前づけがしにくい競艇場といえます。



大村競艇場のコース別入着率の特徴
水面やコースのレイアウトに様々な特徴を持ち合わせていた大村競艇場ですが、これらが影響してコース別の成績にも現れています。大村競艇場で開催された直帰のデータがこちら。
高いイン逃げ率
ご覧頂くと、大村競艇場の直近3か月のイン逃げ率は66%もあり、これは12レースあるうちの7レースは逃げているという計算になります。
では、インが弱くて有名な「戸田競艇場」のコース別成績を見てみましょう。
捲り水面と言われている戸田競艇場。同時期のイン逃げ率が47%で、ざっくり表すと20%の違いがあります。つまり、大村競艇場のほうが12レース中、2本ないしそれ以上多く逃げると言えます。
競艇は365日ほぼ毎日開催されているので、この差が年間収支に大きく影響してきます。
逃げなくても絡む
大村競艇場のイン逃げ率が高いのは理解してもらえたと思いますが、競艇を少しかじったことがある人なら常識とも言えること。さらに一歩先の予想をするために、もうひとつ覚えておきたい特徴があります。
上記で紹介した「大村競艇場・戸田競艇場」のコース別成績を確認してみると、インの3連対率は大村はトータルで87.3%であるのに対し、戸田競艇場は76.3%となっています。
実に11%の開きがあるのです。
大村競艇場で1号艇がたとえ逃げなくても、3着以内には絡んでくれるということを示しています。このデータを覚えておけば…
- 1号艇を舟券から外さない
- 2着もしくは3着に1号艇を固定させる
大村のイン3連対率は87%以上もあるので、舟券に含めておけば絡んでくれる可能性は高くなります。もし、1コースの選手をどうしても信用できないレースだったとしても、どこかに絡ませておけば貢献してくれるかもしれません。



イン逃げ率に貢献しているもう一つの理由
大村競艇場は水面特性やレイアウトが大きく影響し、イン逃げ率が高くなっていることを説明しました。また、インに関しては逃げのみならず、連対率まで高くなっていることもご理解いただけたと思います。
実は、大村がこれほどまでにインが強くなったのには、他にも理由が考えられます。
ナイターレースの開催が始まった
大村競艇は平成30年9月より「ナイターレース」の開催がはじまりました。
ナイターとなると、水面の温度や気温などが変わってきます。競艇で使われるモーターは気温や水温が低いほうがモーターの体積効率が向上し、パワーが出やすくなるのです。
そうなると、ゆっくりスタートするインコースもすぐに回転が上昇しスピードに乗りやすくなります。このこともまた、大村競艇のインが強い理由のといえるでしょう。
番組(出走表)を構成する編成マンの意向
全ての競艇場は、翌日のレースにどの選手をどのコースに配置するか等、レース前日に番組表(出走表)を作成します。その際、敢えてインに強い選手も持ってくる傾向にあるのでは?と推察しています。
例えば、開催された5日間のレースを適当に確認すると、60レース中40レースがA級選手をインに配置していました。
一方、同時期に開催された鳴門競艇のレースにおいては、60レース中A級選手がインコースだったレースは31本。その差はなんと9本も生じていたのです。
このように、競艇場ごとに番組の特徴が異なるのは事実です。



【大村競艇場】まとめ
大村競艇場は水面やコースなど、様々な特徴があることが分かったと思います。
大村競艇場はまれにみるイン天国となっております。この特徴を踏まえて予想するのはもちろん、インは逃げるだけではなく連対率が高いこともお忘れなく。
どちらにしても、1号艇を軸にできる大村は的中しやすい場所と言えますが、それは全ての競艇ファンに共通すること。万舟などの配当はたまにしか出ない為、1ケタ~10倍台の配当をいかに取りこぼさないか?が攻略のカギとなります。
最後に、競艇は毎レース的中させることのできる公営ギャンブルです。大村競艇場は当てやすい場でもあるので、初心者の方には特におすすめします。
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