2024年11月24日に開催された第27回チャレンジカップ。
絶好枠に座った「河合佑樹」がイン逃げを決めて優勝。デビュー16年6ヵ月にして自身初のSG制覇を達成。なお、優勝賞金3600万円を獲得し、グランプリ選出圏内(18位以内)に浮上。
年末グランプリの出場レーサーを決める最後の戦い「SGチャレンジカップ」。
大一番に弾みをつけたい選手がいる一方、グランプリ出場のボーダー下にいる選手にとっては文字通りチャレンジの6日間となります。
正直、8つあるSGの中ではマイナーな部類といって良いでしょう。しかし、ボーダー付近にいる選手からすれば”最後の懸け”であり、絶対に落とせない重要な一戦なのです。
そこで今回は、チャレンジカップの出場資格や条件をはじめ、歴代優勝者や予想のコツまで幅広く解説します。
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競艇のチャレンジカップとは?
かつては10月のダービーから賞金王決定戦まで大きな開催がなく、11月は選手およびファンにとって中休みとなる時期。
そんな中で新設されたSGチャレンジカップは、売上の底上げを目指す意味合いもあったといいます。まずはレースの概要から触れていきましょう。
競艇関連のメディアでは、チャレンジカップの頭文字をとって「CC」と呼ばれることも。
「競艇王チャレンジカップ競走」1998年に創設
SGチャレンジカップの創設は1998(平成10)年。現在行われているSG競争で最も歴史が浅いタイトル戦です。
当初の正式名称は「競艇王チャレンジカップ競走」。現在の呼称になる2009年まで使用されました。
実施時期は第1回大会から11月下旬あたり。そして、同SGが終わった翌日、グランプリ(賞金王決定戦)の出場選手が発表されます。
チャレンジカップの出場資格&条件
チャレンジカップの選出基準は「1/1~10/31の獲得賞金上位34選手」。
優先出場および前年優勝者のシード権などはありません。また、F休み期間と重複した選手、SG競走選出除外選手がいる場合は、予備枠の選手が繰り上がりとなります。
グランプリを除くSG競走の出場選手数は52名。ただ、同時開催されるG2レディースチャレンジカップから女子獲得賞金上位21名が選出されるので、チャレンジカップ34名・レディースチャレンジカップ21名の計55名で実施されます。
レディースチャレンジカップの出場選手数は、2024年度から1人増の21名に改正。
チャレンジカップの優勝賞金
チャンピオンの優勝賞金は3600万円。
2022年大会までは3300万円でしたが、売上好調を理由に2023年度は100万円増の3400万円。さらに、2024年度は200万円増の3600万円に増額されています。
また、グランプリを除くSGの賞金がアップした他、PG1・G1・G2・一般戦も軒並み増額が実施されました。
チャレンジカップには「3つのボーダー勝負駆け」がある
チャレンジカップの出場選手が見据えているのは、もちろん翌月に開催されるグランプリ。
賞金額が数万円単位の争いになるケースもあり、予選から最終日まで気を抜けない戦い。特に注目したいのは、以下に挙げる”3つのボーダー”をめぐる勝負駆け。
- グランプリ2ndのシード権
- グランプリ1stの出場権
- F休み選手のグランプリ特例出場権
グランプリ2ndのシード権(1~6位)
1つ目は賞金ランキング上位選手が目標にしたい「6位以内」のボーダー。
ベスト6はグランプリ1stステージが免除。さらに、高勝率モーターも手に入るため、6位と7位では雲泥の差が生まれます。
また、トライアル1stシードが確定しても、順位が上になるほどトライアル2ndの枠順が有利に。優出レーサーの顔ぶれ次第では、最終日の複数レースで勝負駆けが繰り広げられます。
グランプリ1stの出場権(18位以内)
毎年熾烈になるのが「グランプリ進出圏内18位」の争い。
近年の賞金ボーダーは6000万円前後。開催が進むにつれて当落線上の選手が徐々に絞られていきます。
最終日はボーダー下にいる選手がどこまで賞金を上積みできるか?そして、ボーダー上にいる選手が順位を守れるかのせめぎ合いに。
ちなみに、2022年度はランキング25位だった深谷知博が優勝して5位まで上昇。6位ボーダー争いも含め、グランプリ選出順位がガラリと変わりました。
F休み選手のグランプリ特例出場権(21位以内)
F休み期間がSG開催の前検日以降に重複する場合、通常は出場権がありません。しかし、1年最後のグランプリに限り、賞金ランキングの高い選手に対する救済措置があります。
チャレンジカップ終了時において、選考順位が18位以内ならグランプリ(19位以下の場合はシリーズ戦)に出場可能。
F休みが決定しているランキング下位選手だったとしても、21位以内に届けば斡旋辞退がグランプリ後にスライドされるのです。
ただし、2023年4月のルール改正により、SG準優・優勝戦のスタート事故を起こした場合は適用対象外。
ドリーム戦出場選手と枠順の決め方
チャレンジカップ初日12レースのドリーム戦は、選出順位の上位6名が出場。
F休みの選手が出なければ、10月末時点の賞金ランキング1~6位によって争われます。前述した通り、主催者推薦枠などは一切ありません。
枠番は賞金ランキング1位の選手から順に内枠。ドリーム戦は点増しとなるので、予選得点争いを有利に運ぶことができます。
グランプリを来月に控えた前哨戦の意味合いも強くなるレース。
チャレンジカップの各種データ
チャレンジカップの歴代優勝者や売上推移など、基本的な過去データを紹介します。
チャレンジカップ歴代優勝者
年/開催場 | 優勝者(当時) | 予選 |
---|---|---|
2013年/津 | 森高一真(35歳) | 1位 |
2014年/下関 | 太田和美(41歳) | 1位 |
2015年/芦屋 | 笠原亮(35歳) | 1位 |
2016年/大村 | 石野貴之(34歳) | 2位 |
2017年/下関 | 毒島誠(33歳) | 1位 |
2018年/芦屋 | 馬場貴也(34歳) | 1位 |
2019年/桐生 | 石野貴之(37歳) | 1位 |
2020年/蒲郡 | 毒島誠(36歳) | 2位 |
2021年/多摩川 | 辻栄蔵(46歳) | 1位 |
2022年/鳴門 | 深谷知博(34歳) | 18位 |
2023年/三国 | 片岡雅裕(37歳) | 2位 |
2024年/下関 | 河合佑樹(37歳) | 1位 |
2013年以降のSGチャレンジカップ優勝者は上記の通り。
2022年の覇者「深谷知博」は、予選通過ギリギリの18位から優勝する大波乱。ただ、それまでは予選1~2位の選手が順当に結果を残す傾向が続いていました。
チャレンジカップのイン勝率
年/開催場 | 各場イン勝率 ※直近1年間 | CCイン勝率 |
---|---|---|
2013年/津 | 57.9% | 54.1%(39/72) |
2014年/下関 | 60.4% | 48.9%(23/47) |
2015年/芦屋 | 61.8% | 59.5%(28/47) |
2016年/大村 | 63.1% | 59.5%(28/47) |
2017年/下関 | 60.4% | 65.9%(31/47) |
2018年/芦屋 | 61.8% | 68.0%(32/47) |
2019年/桐生 | 51.3% | 55.3%(26/47) |
2020年/蒲郡 | 53.7% | 63.8%(30/47) |
2021年/多摩川 | 52.5% | 68.0%(32/47) |
2022年/鳴門 | 48.5% | 55.3%(26/47) |
2023年/三国 | 55.4% | 53.2%(25/47) |
2024年/下関 | 58.3% | 68.0%(32/47) |
年別のイン逃げ率は上記の通り。
2017年以降は開催場の通算イン勝率をいずれも上回っています。 チャレンジカップのイン戦は通常より信頼でき、荒れにくいといって良いでしょう。
とはいえ、開催場によって勝率に大きな差があるのも事実。その点を考慮したうえで信頼度を決めるのがベスト。
チャレンジカップの売上推移
年/開催場 | 開催場 | 総売上 |
---|---|---|
2013年 | 津 | 79億円 |
2014年 | 下関 | 87億円 |
2015年 | 芦屋 | 87億円 |
2016年 | 大村 | 86億円 |
2017年 | 下関 | 107億円 |
2018年 | 芦屋 | 100億円 |
2019年 | 桐生 | 117億円 |
2020年 | 蒲郡 | 172億円 |
2021年 | 多摩川 | 142億円 |
2022年 | 鳴門 | 128億円 |
2023年 | 三国 | 135億円 |
2024年 | 下関 | 155億円 |
チャレンジカップの年別売上推移は上記の通り。
近年、ボートレースの売上は右肩上がり。ネット投票の普及や在宅率増加がプラスの要因と考えられますが、その他の公営ギャンブルと比較しても伸び率は群を抜いています。
そうした状況で開催された2020年の蒲郡は、2013年比で217%となる172億円の歴代最高売上を記録。
通常、モーニング開催の鳴門競艇ですが、SGに限りデイ開催でレースが行われています。
競艇チャレンジカップの予想方法
グランプリの前哨戦「SGチャレンジカップ」。
いくつか役立つヒント(データ)があるので、舟券予想をする際の参考情報として覚えておきましょう。
グランプリ勝負駆けの5日目以降
チャレンジカップ優勝戦と同じく、大きな関心が集まるグランプリ出場圏内18名の行方。予選が1日終わるごとに候補者は絞られ、最終日の1走までもつれるケースも多々あります。
ランキング下位から優出した選手。そして、予選や準優で敗退したボーダー圏内の選手は、グランプリの切符を懸けた大一番となるでしょう。
大詰めとなる5日目・最終日の勝負駆けは要注目。
該当する選手は死ぬ気で挑むはずなので、いつも以上に評価を上げて良い。ひょっとしたら”火事場の馬鹿力”が発揮されるかも。
優勝戦は1コースを素直に信頼
年 | コース/決まり手 | 出目/配当 |
---|---|---|
2013年 | 1コース/逃げ | 136/2940円 |
2014年 | 1コース/逃げ | 146/4460円 |
2015年 | 1コース/逃げ | 136/4950円 |
2016年 | 1コース/逃げ | 145/1960円 |
2017年 | 1コース/逃げ | 124/970円 |
2018年 | 1コース/逃げ | 125/1260円 |
2019年 | 1コース/逃げ | 142/1560円 |
2020年 | 1コース/逃げ | 152/1700円 |
2021年 | 1コース/逃げ | 124/940円 |
2022年 | 6コース/抜き | 612/44640円 |
2023年 | 1コース/逃げ | 136/2850円 |
2024年 | 1コース/逃げ | 134/1520円 |
上記は過去11年のチャレンジカップ優勝戦の結果。2022年大会を除いて全てイン逃げで決着しています。
さらに、第1回大会の優勝戦から遡っても、変わらず77%(21/27)という高い信頼度。
イン逃げ不発時の決まり手は差しが4本、抜きが2本。まくり、まくり差しで決まった例はまだありません。
SGオールスターのような実力差はないので、基本堅い決着で予想するのがセオリー。
準優、優勝戦のスリット合戦は少なめ
チャレンジカップが行われるのは11月下旬。
気温も湿度も下がるため、モーター性能が上がってスロー勢には有利な気象条件です。
出遅れが減る一方、リスクが増すのはフライング。グランプリ前に加え、新しい期が始まる次期でもあることから、無理なスタートを控える選手は多くなるはず。
しかも、2023年春からのルール改正で準優のFは1年間、優勝戦なら2年間SGに出場できません。
そのような条件が揃うとイン戦の信頼度はさらに上昇。堅い決着となる可能性は高く、イン軸で買っておけばそれなりに的中できると思います。
まとめ
開催日程の変更に伴い、わずか中2週でグランプリを迎えるチャレンジカップ。また、年末を控えた時期ということもあり、競艇ファンの盛り上がりは低めかもしれません。
しかし、選手にとっては非常に重要な大会。1憶1000万円を手にするには避けて通れないSG競争なのです。
ここで説明した内容を理解しておけば、舟券に活きる情報もあるはず。利益を出しやすいSGなので、せっかくならガッポリ稼いじゃいましょう!
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