競艇において「フライング」は絶対に許されない反則。
まず、信じて投票したファンを裏切る行為であり、全額返還されたとしても何ひとつメリットなし。また、レース展開がグチャグチャになることもあるので、他の選手にも多大なる迷惑を掛けることも。
それと、レースを開催している施行者が被る損害額が半端ないんです。
SGの優勝戦ともなると10億円以上のお金が投票されるので、人気が集まる1号艇がフライングしてしまうと売上はほぼ返還されます。
重たい罰則やペナルティが待っている選手が故意でやることないでしょう。ただ、損をする競艇ファンと施行者が大激怒するのは仕方のないことw
そんな中、台パンしたくなるような「非常識なフライング」も度々発生しています。
ボートレース史に残る非常識なフライング映像
競艇選手は全員、超過酷と言われている「ボートレーサー育成所(やまと学校)」を卒業し、プロデビューしても恥ずかしくない技術は習得しているはずなのに…。
なぜ、そのような選手たちがフライングをしてしまうのか?
まずは、怒りを通り越して笑ってしまう「フライングのレース映像」をまとめて紹介します。
【西島義則・熊谷直樹】20億円超えの返還!SG優勝戦で2艇フライング
2002年6月30日、宮島競艇で開催されたSGグランドチャンピオン決定戦の優勝戦。
2日目から6連勝していた西島義則選手が1号艇に、そして2号艇には同じく絶好調だった熊谷直樹選手。
雨は降っていましたものの天候は荒れておらず、競争水面は穏やかな状況でした。しかし、競艇史に刻まれる不名誉な記録が生まれてしまいます。
西島選手がF.0.09、熊谷選手がF0.06、2人とも非常識なフライングをしてしまったのです。当然、両選手ともに舟券が集中していたので、投票された売上はほぼ返還。
ちなみに、このレースで発売された総額は26億2,427万円。その内、西島選手・熊谷選手が絡む舟券は92.8%だった為、24億3513万3800円が返還対象に。
この返還額はボートレース史において過去最高額となっています。
【幸野史明】非常識を超えた「計測不能」フライング
住之江競艇で開催された2009年7月13日のレース。
5号艇と6号艇が前づけし、進入体形は561243とグチャグチャに。当然、ゴリゴリに前づけした5,6号艇は100mを切る深インとなり、スタートをバッチリ合わせないと勝つのは難しい状態でしょう。
そのせいもあってか、2コースから進入した6号艇の幸野選手が、画面から消えるほど飛び出してしまい…。結果的に「計測不能」という不名誉なフライングとなりました。
さらに、幸野選手に釣られたのか、3コース進入となった1号艇の伊藤選手まで非常識なフライング。これは競艇史に残ること間違いなしです。

【渋田治代】史上最悪タイ記録(F.35)のフライング
津競艇で開催された2011年6月29日のオール女子戦。
6号艇の大塚選手が2コースまで前づけし、162345という進入体形。渋田選手は抵抗した分、100m弱の起こしでかなり深インとなりましたが、そんなの関係ねぇ!と言わんばかりのスタート。
その結果、スタートタイミングの記録がある中で「史上最悪タイ記録(.35)」という非常識なフライング。
一般的なフライングは判定結果を見ないと気付かないこともありますが、さすがにF.35ともなると競艇初心者でもすぐ分かるレベルw
しかも、2号艇の金田選手もフライング、さらには3号艇の稲生選手は非常識なフライングをしています。



【中野夢斗】初のイン戦でF.32の非常識フライング
蒲郡競艇で開催された2018年8月15日のレース。
プロデビューしてから初のイン戦だった中野夢斗選手。慣れない1コースを走るのはただえさえ緊張しているのに、先輩たちは容赦なく前づけ。
よって、中野選手は80m起こしの深インとなり、ベテランでもイン逃げが難しい展開に。
さすがにここまでの深いスタートは練習したことがないはず。普通ならドカ遅れするところですが、中野選手はあり得ないタイミングで艇を起こしてしまい…
競艇史に残る「.32の非常識なフライング」となりました。
フライングした選手が最も悪いですが、先輩レーサーは前づけなどせずいつも通りやらせてあげても良かった気が。ちょっと可哀そうに思えるレースでした。



5億円超えの返還!SG準優勝戦で3艇フライング
2019年8月31日、大村競艇で開催された「SGボートレースメモリアル」の準優勝戦。
1号艇の峰竜太選手、3号艇の篠崎仁志選手、4号艇の吉田拡郎選手が揃ってフライング。このレースに投じられた売上は約5億2,000万円もありましたが、人気選手がフライングしたことによって恐ろしい返還額に。
その額はなんと5億1823万9800円!全投票額の99.5%が返還の対象となりました。(返還額の20万円は私のお金も含まれているw)
3艇フライングて。おいおい。
11R大事故やんけ。
フライングが出たのときのどよめきが。
いくらパーになったんやろ。#大村 #競艇 #SG #ボートレース— ケント (@kentsp090) August 31, 2019
このレースに関する口コミを確認しても、いくらぐらい返還されたんだろ?といった話題で持ちきり。それだけ注目度の高いレースだったということです。
G1浜名湖で全艇フライング!A1級選手4人が非常識なフライング
皆さんの記憶にも新しい、2021年3月2日浜名湖G1での波乱レース。
そもそもこの日は、向かい風が8mも吹き荒れる悪天候で、中止にしてもおかしくな最悪なコンディション。
そんな中、出走したのは競艇界のスーパースター「峰竜太」選手など、A1級のトップ選手の面々。例え天候が荒れていても難なく乗り切れると思っていた矢先、まさかの全艇フライング。
驚くのは非常識なフライングが4人もいたこと。
- 森高一真(.06)
- 峰竜太(.08)
- 河合佑樹(.12)
- 山崎哲司(.06)
このレベルの選手だと生涯に1回あるかないかのフライングを、4人が同時にしてしまうなんて。なぜ?と思って原因を調べていると…
全艇フライングをしてしまいました。05以上のフライングだったため途中帰郷になりました。強風の向かい風で発走まちのうえ、急に止んだことで訳わからないスタートになりました」と説明した上で「関係者の皆様、浜名湖を楽しみにしていたファンの皆様、申し訳ありませんでした
出典:スポニチ
レース終了後に峰選手がこのように発言していたそうです。風を正確に予想するなんてほぼ不可能なので、このレースは選手の責任外にすればいいのに。



フライングだけど笑ってしまうレース映像
真面目にやっている選手たちには大変失礼ですが、アナウンサーのせいクスッっとなってしまうフライングもあります。中には「いやらしいことでもしてんのか?」と感じるような声を出す女子アナまでw
また、なんでそうなるの?といったレースも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください!
全艇フライングまとめ
競艇Youtuber「チルト50」さんの全艇フライングをまとめた動画です。全てが非常識なフライングではありませんが、滅多に起こらない”珍事”と言っても良い全艇フライング。
見どころは、もちろん実況しているアナウンサーが驚いている様子(笑)競艇場によって特徴の異なる実況が聞けるので、終始、楽しみながら視聴していただけると思います。
それと、フライングしたことに怒っている審判長の怒号にも注目です。
非常識なFに興奮して女子アナがエロ全開w
3号艇の森下愛梨選手がF.16と非常識なフライングをしてしまった結果、普段では聞くことのできない実況が始まります。
もし、競艇を全く知らない人が音声だけ聞いたら「AV女優さんが何かしてる?」と感じるはず。決して大げさに言っている訳じゃありません。目をつぶって10回ほど繰り返し視聴すると「早い…早すぎるぅ…」がいかがわしい表現に聞こえてきたのでw
そして、この動画のコメント欄も予想通り。









男ってほんとアホな妄想ばかりしまうよね(笑)私も含まれますが・・
フライング後に起こった非常識な展開
戸田競艇で開催されたSGレース。6号艇の前本選手が前づけして3コースに進入したものの、そこまで抵抗することなく助走は100m以上ある状態。
しかし、1号艇の中谷選手が早く起こしてしまったことで、2,6号艇もそれにつられてしまい、内側3艇が揃ってフライング。SGで3艇フライングだけでも珍しいことですが、このレースはさらに不可解な出来事が起こります。
フライングした艇がいなくなった際、最も有利な位置にいたのは3号艇の関選手。ただ、2周1マークで4号艇の長嶋選手にツケマイで抜かれてしまい、抜き返そうと2周2マークを全速ターンで捲りにいきますが…
ハンドルを握り切れず流れてしまい惜しくも3着に。そう思っていたら、スピードの乗った艇を抑えきれずスタンド側の壁に激突。
3艇フライングに加えて、3連単・3連複も不成立となりました。



5艇F。残った1艇のジェスチャーがw
全艇フライングにはならず、4号艇の星野選手のみ正常にスタートした珍しいレースです。
1周2マークを旋回した後でフライングしたことに全艇が気づき、1,2,3,5,6艇は失速。唯一正常なスタートをした星野選手がその様子に気づいた時のジェスチャーが面白すぎます。
「え、なにが起きたの?みんなどうしちゃったの?」
そんな声が聞こえてきそうなほど、両手を大きく広げてアピールしています。そして、笑ってしまうシーンで終わりかと思いきや、星野選手の”男気”を垣間見えるシーンも。
01:20あたり「ファンに向かって謝罪」しています。
謝らないといけないのはフライングした選手なのに、何も悪くない星野選手が代表して謝罪する姿、さすが競艇界を支えてきたベテラン選手。惚れてしまうほどカッコいい!
フライング艇に審判長の怒りが爆発
昔はフライングなどすると施行者サイドの審判長がアナウンスしていました。
このレースはその審判長が「フライングされて怒っている?」と感じさせるレース。いや、ほぼ間違いなくイライラしながら言ってますねw
6号艇が絡む舟券が全返還されて怒る気持ちは分かります。でもさ、それを誰が聞いても分かるように言わなくてもいいのに。
まぁ、笑わせてもらったからいいけど(笑)



まとめ
競艇の醍醐味といっても良いフライングスタート方式。このスタートが時には大波乱を起こし、予想することができない結果を生みます。20億円以上の返還となったり、S級レーサーでも立て続けにフライングしたり。
だからこそ、競艇って奥が深くて面白いんですけどね!
ただし、フライングをした選手は重たい罰則が課せられ、そこからのレースには多少なりとも影響することはお忘れなく。F1ならまだしも、F2以上となるとスタートがいけなくなる可能性大。
以下の記事では罰則について詳しく解説しているので、その実態を知っておくと舟券予想にきっと役立つはずです。お時間があればぜひご確認ください。
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