2024年9月1日、6度目の出場となったSGメモリアル。予選2位通過から優出2号艇に座ったが、競り合いに負けて4着。2022年ぶりの優勝はお預けとなった。
今年はビッグタイトルを獲得できていないものの、ここまで全てのSGに出場。着実に賞金を積み上げ、賞金ランキング21位と好位置をキープ(9月1日時点)。
2022年メモリアル、2023年チャレンジカップでSGを2度制した「片岡雅裕」。
安定した成績だけでなく、事故率が低いレーサー。無事故で結果を残し続けるレースぶりは業界内外から高い評価を受けています。
また、丘での活動もかなり活発的で知られ、艇界のスーパースター「峰竜太」ともサーフィン仲間として交流があるようです。
そこで今回は、高校球児&自衛隊からボートレーサーになった片岡雅裕について、選手およびプライベートを深掘りしていきたいと思います!
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片岡雅裕とは?
片岡雅裕は1986年生まれ、高知県幡多郡黒潮町出身のボートレーサー。
101期生としてやまと学校へ入所。2007年に卒業後、同年11月に丸亀競艇でデビュー。2010年3月の初優勝から通算30勝を挙げ、全グレードを制覇したトップ選手の1人。
片岡雅裕の公式プロフィール
公式画像 | |
名前 | 片岡雅裕(かたおかまさひろ) |
登録番号 | 4459(101期) |
生年月日 | 1986年2月11日 |
身長/体重 | 155cm/54kg |
出身/所属 | 高知県/香川支部 |
デビュー日 | 2007年11月17日 |
片岡雅裕の出場予定や期別成績は、オフィシャルサイトの選手ページで確認してください。
中学、高校時代は野球に没頭
片岡雅裕は中学(佐賀中)、高校と野球部に所属。高校は県内有数の進学校であり、1977年のセンバツで準優勝の実績がある中村高校に在籍。
在学中はレギュラーを務め、先頭打者で出塁率の高いリードオフマンだったといいます。
ただ、全国大会出場を目指して3年間の最高成績は県ベスト8。甲子園の目標は達成できなかったものの、持ち前の運動神経とセンスでチームに貢献したようです。
自衛隊入隊中に競艇の道へ
高校卒業後は自衛隊に入隊。配属先の久居駐屯地(三重)では戦闘ヘリの整備や操縦、被災地支援に関係した勤務に従事します。
いずれ自衛隊を出て新しい道へ進むつもりだったそうですが、当初の夢だった”パイロット”は膨大な費用が掛かることを知り断念。
その後、書店で立ち読みした資格の本で「ボートレーサーの資格」があることを知ったのが、競艇選手を目指す最初のきっかけだとインタビューで話しています。
やまと学校時代の成績
- 勝率:6.04
- 準優出:8回
- 優出:3回
- 優勝:0回
本人いわく”とりあえず”の感覚で受けた養成所試験を合格し、101期の訓練生となった片岡雅裕。
運動神経に自身のある人間が多くいる中、リーグ戦では8回も準優に進出する活躍。また、卒業記念競走でも優出(5着)の好成績を残しています。
厳しくて有名なやまと学校(現ボートレーサー養成所)の生活。
しかし、自衛隊を経験している片岡にとっては、それほど過酷じゃなかったのかもしれませんねw
同期(101期)の主な選手
片岡雅裕の同期(101期)を引っ張るのは、養成所チャンプの「篠崎仁志」。
2013年のG1新鋭王座決定戦で優勝した後、2020年のオールスターで同期一番乗りでSG初制覇を達成しました。
篠崎に負けない活躍を魅せているのが「守屋美穂」。混合戦を含めG2を3度優勝しており、遠藤エミに次ぐSG優勝が期待される女子レーサーです。
その他、G1覇者の大池佑来や、元グラドル秋山莉奈と結婚した後藤翔之など、期待されるレーサーが多数在籍しています。
師匠は秋山広一、弟子は西岡顕心
片岡雅裕の師匠は78期の「秋山広一」。
2度のG1優勝を果たしているA級レーサー。近年はA1とA2を行ったり来たりですが、一般戦やマスターズリーグを中心に活躍中です。
弟子は129期の養成所チャンプ「西岡顕心」。
デビューから1年1ヵ月で初勝利を果たすと、2023年7月の尼崎で初優出(2着)を達成。成長し続けている若手のホープであり、近い将来、師弟でSG同時参戦が期待されます。
片岡雅裕の年収(獲得賞金)
年 | 獲得賞金 | 順位 |
---|---|---|
2024年 | – | – |
2023年 | 116,830,000円 | 7位 |
2022年 | 115,966,485円 | 5位 |
2021年 | 46,562,266円 | 50位 |
2020年 | 38,650,000円 | 91位 |
2019年 | 43,710,000円 | 61位 |
2018年 | 49,400,000円 | 37位 |
2017年 | 45,600,000円 | 37位 |
2016年 | 27,670,000円 | 126位 |
片岡雅裕の年収(獲得賞金)は上記の通り。
2017年頃から賞金額は一気に上昇していき、SG初制覇の2022年は1億円レーサーの仲間入り。続く2023年もSG2勝目を挙げ、自己最多となる1憶1600万円の年収を獲得しています。
片岡雅裕の家族やプライベート
家族や趣味など、片岡雅裕のプライベートについて。おとなしそうな雰囲気もありますが、意外と業界内の交友関係は広いようです。
家族構成は一般女性の嫁と子供
片岡雅裕は結婚していますが、おそらく一般女性と推測されます。結婚に関しては報じられておらず、公の記事や発言も見られません。
お子さんについては、2017年にびわこG1で優勝した際の取材で口にしています。
片岡は賞金の一部50万円を市に寄付。その時の取材で「自分にも子どもがいるし、教育方面などでも役立ててほしい」とコメント。
また、インスタに投稿された写真から「子供は2人以上」いることが確認できます。
お子さんの教育をかなり熱心にやってそうな印象。あくまで個人的な感想ですけど
公式SNSはインスタグラムのみ
自ら発信しているSNSはインスタグラムのみ。
投稿内容はレースの報告やオフショット。レーサー仲間との写真も多数アップされており、インスタ内でプレゼント企画なども実施しています。
実は、このインスタを勧めたのは奥さんらしい。投稿の中に「#嫁カメラ」とあるように、奥さんが自らカメラマンを務めることも。
艇界随一のサーフィン好き
片岡雅裕といえば、高校時代から続けている無類のサーフィン好き。
新人の頃は競技に専念するため封印した時期もあったそうですが、住まいを香川に移してから本格的に再開。
時間があれば、同じ趣味を持つ「峰竜太」らとサーフィンのために宮崎へ出向くことも。インスタには2人で波乗りを楽しむ姿が沢山投稿してあります。
デビューからSG制覇までの道のり
片岡雅裕は2007年11月に丸亀でデビュー。3ヵ月後の宮島で初勝利を挙げ、そこから急速な成長を遂げていきます。
正直、峰竜太や西山貴浩のような派手さはなし。ただ、着実に実力をつけていった片岡は、2022年8月に悲願のSG初優勝。そして、高校時代に夢だった”甲子園”を競艇で叶えることに。
「師匠超え」の初優勝は地元丸亀
初優勝を達成したのは2010年3月の丸亀一般戦。
まだスロー進入を解禁しておらず、優勝戦も3号艇ながら5コース進入。そんな中、コンマ07のトップスタートを決め、内枠にいた師匠(秋山広一)らをまくり差しで一掃。
難水面のびわこでG1初優勝
2013年後期に初のA1昇格を決め、地元丸亀以外の記念にも顔を出すように。そして、大きなチャンスが到来したのは2017年7月に開催された「開設65周年記念G1びわこ大賞」。
片岡は不利なコースから3連勝を決める好発進。その後も崩れることなく、オール3連対「11132」で予選トップ通過。
準優も難なくイン逃げで勝利し、優勝戦も勢いそのままに1コースから会心のスタートで逃げ切り1着でゴール。
デビューから約10年、通算2310走目にしてG1初制覇を達成しました。
2艇Fの恵まれSGメモリアル優勝
2022年8月、浜名湖メモリアルで片岡雅裕に歓喜の瞬間が突然やってきます。
中堅以下のモーターで初日は6着。ただ、2日目から立て直して予選を突破し、準優は4カドから2着に入りなんとか優出の切符を獲得。
とはいえ、大外6コースで絶望的と思われた優勝戦において、まさかの出来事が起こります。
新田雄史・白井英治が揃ってフライングというまさかの結果に。
場内が騒然とする中、片岡はコンマ05のスタートから冷静に差しを入れます。バックの直線で2番手を追う展開となりますが、前を走っていたのはFを切った新田。
F艇は競争から離れ、2着目にいた片岡が”恵まれ”で優勝。デビューから14年9ヵ月、SG3回目の優出で初のビックタイトルを獲得しました。
勝利者インタビューで語ったコメントは以下の通り。
信じられないですね。必死でした。まだまだ足りてない部分がいっぱいあるんですけど、また頑張っていきたいと思います。
恵まれという結果に「片岡の優勝はマグレ」といった声もあります。
しかし、優勝戦まで勝ち進んだ片岡の実力は紛れもなく本物。それに、結果が全ての世界において、運を味方につけた勝利した片岡を称えるべきです。
それにしても、人間性がにじみ出た素晴らしいコメント。見ているこっちまで涙腺が崩壊しちゃいましたw
ボートレーサーとして夢を叶えた甲子園優勝
2023年7月の尼崎G2「ボートレース甲子園」優勝は、片岡雅裕にとってSG同等の嬉しい栄冠でした。
高知県代表として出場。手堅い走りで予選、準優とクリアして優勝戦は4号艇。4カドからコンマ06で飛び出すと、関浩哉を冷静なまくり差しで1着。
元高校球児の片岡は「違う形だけど、甲子園を優勝できてうれしい」と笑顔でコメントしています。
また、初日に通算1000勝を達成。さらに、SGからG3までグレードレース完全制覇も達成し、甲子園球場にほど近い尼崎で3つの快挙。
ボートレース甲子園の優勝で、SG制覇をマグレとかいう輩はいなくなったはず!
2023年チャレンジカップで2度目のSG制覇
2023年11月26日、グランプリ選出を懸けた「SGチャレンジカップ」で自身2度目のSG制覇を達成しました。
初日を2コース差しで勝利すると、2日目も5コースからまくり差しを決めて2連勝。3走目だけ6着に沈みますが、それ以降は抜群の安定感で予選を2位で突破します。
準優も難なくイン逃げを決め、優勝戦は2号艇になるはずでしたが…。トップ通過の「今垣光太郎」がまさかの2着となり、絶好枠でファイナルを迎えることに。
SG優勝戦らしい顔ぶれとなった中、ほぼ横並びのスリットから峰竜太らの強襲を跳ねのけ完勝V!
また、この優勝で3,400万円の賞金を上積みし、賞金ランキングは31位から10位にジャンプアップ。昨年に続くグランプリ選出を確定させました。
最近の強さはマジで半端ない!この勢いを持続すればグランプリ制覇&賞金王も期待できそう!
片岡雅裕の凄さがわかる実績
SG・G1の優勝以外でも、片岡雅裕がいかに凄いレーサーなのか?これから解説する実績を見れば納得すると思います。
安定感を象徴する優出率の高さ
年 | 出場節 | 優出/優勝 | 備考 |
---|---|---|---|
2018年 | 34節 | 12回/3回 | SG優出1 |
2019年 | 34節 | 13回/3回 | |
2020年 | 30節 | 13回/6回 | |
2021年 | 34節 | 13回/4回 | |
2022年 | 30節 | 15回/2回 | SG優勝1 |
2023年 | 29節 | 11回/2回 | SG優勝1 |
片岡雅裕はトップ選手の中で地味な印象ですが、安定感は全レーサーの中でトップを争う高いレベル。
毎年2ケタの優出を記録しており、特に2022年以降の重賞戦績はすこぶる好調。グレード問わず安定した実績を残し続けています。
2016年7月からスタート無事故継続中
安定した成績を維持できているのは、フライングなどの「スタート事故」をしないから。
スタートをしっかりスリット内に収め、常にクリーンなレースを心がける姿勢が周囲からも高く評価されています。
デビュー以来切ったFはたった3回。2016年7月のFを最後に無事故を継続しており、2022年のSGメモリアルはその安定感がもたらした結果と言えるでしょう。
それと、選責外でも止まってしまう超難度の「完全無事故記録」。この記録も1582走(2016年10月~2022年1月)という歴代2位の数字を残しています。
まとめ
優れた実績を残しながら、これまでオールスターに選出されたのは2023年の1回だけ。
投票したから言わせてもらいますが、片岡のようなトップ選手が出場できない大会なんて、本当のSGと言えるのか?
愚痴はこの辺にして、派手さはなくても舟券における信頼度は激高のトップレーサー。直近の調子も良さそうなので、良いモーターさえ引ければ必ず結果を残すはず。
SG3勝目、そしてグランプリ制覇を応援しています!
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