2024年7月15日、絶好枠に座った毒島誠がイン逃げで通算79度目の優勝。G2では3勝目、2021年(第3回大会)に続き2度目の制覇達成。
第6回ボートレース甲子園の出場選手が発表されました。
47都道府県から選出されたレーサーによって争われるG2ボートレース甲子園。高校球児のように地元代表として戦う図式から「水上の甲子園」とも呼ばれています。
他のG2競争と選出方法が異なり、トップレーサーに混ざって一般戦でしか顔を見ない選手も出場。また、甲子園と呼ぶに相応しい演出も盛り込まれており、非常に盛り上がる大会です。
そこで今回は、毎年7月頃に開催される「ボートレース甲子園」について、過去の結果や選出方法まで全て解説していきます。
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ボートレース甲子園とは?
ボートレース甲子園は2018年から始まった歴史の浅いG2競争。
高校野球の甲子園を思わせる趣向が取り入れられ、全国の猛者が集う注目度の高いタイトル戦。これまでのボート界にはなかった特色ある番組でレースが開催されます。
開催時期は7月。主旨は高校野球と同じ
正式名称は「全国ボートレース甲子園競走」。
阪神甲子園球場で毎年開催される「全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)」とほぼ同じ主旨となっています。
ボートレース甲子園の開催時期は、高校野球の地方予選が実施される7月。第2回大会(2020年)以降はSGオーシャンカップの約2週間前に行われています。
全国47都道府県から1名ずつ選出
ボートレース甲子園の出場選手は、全国47都道府県を代表して1名ずつ選出され、選ばれたレーサーには「○○県代表」という肩書きが付きます。
しかし、競艇選手が所属する支部は“18”しかありません。
この状況でどうやって選ぶのか?選出方法については後ほど詳しく解説します。
「甲子園」は商標登録済み。権利侵害では?
「甲子園」というワードは、2012年に阪神電鉄が商標登録を行ってます。つまり、無断で使うことは”商標権侵害”に接触してもおかしくありません。
その件について参考文献を確認したところ、ボートレース甲子園を使うことに違法性はないらしい。現状では「野球大会以外での使用は権利侵害にあたらない」とされているようです。
ちなみに、ボートレース以外でも「まんが甲子園」「俳句甲子園」など様々な大会で使用されています。
ボートレース甲子園の選出方法
ボートレース甲子園は、男女問わず“B1級以上の選手全員”が選出対象です。そのうえで、夏の甲子園に似た趣向が取られており、他のSGやG1などと違った特殊性があります。
とはいえ、大会独自の選出方法が関係し、地域によってはSG競走以上に選ばれる難度が高くなるケースも。
原則「47都道府県から各1名選出」
高校野球と同じく都道府県単位で代表を決めますが、ボートレース甲子園のみで採用している独自ルールも存在します。
- 出生地の都道府県が基準
- 1つの都道府県から1名のみ
生まれた出身地が基準となるため、途中で引越したとしても対象の地域は変わりません。
さらに、高校野球ではチーム数の多いエリアは2枠となっていますが、ボートレース甲子園は各都道府県1名のみ。よって、必然的に出身選手の多い都道府県は狭き門となります。
勝率などを参考に選出
ボートレース甲子園と高校野球で大きく違う点がもう1つ。それは「地区予選がない」ことです。
代表選手の選考は、以下の段階を経て競走会が決定します。
- 都道府県ごとに過去1年間(5月~翌年4月)の勝率上位5名をピックアップ
- 5名の中からSGの成績、獲得賞金等を総合的に勘案して代表を選出
- B2級、F休み、選出除外中などの選手は対象外
予選を勝った選手が出場ではなく、競走会の協議によって選ぶ選手方法は「春のセンバツ」に似たシステム。
それでも選ばれために勝率は重要な指標となるので、最終的に実力上位の選手が代表となるでしょう。
ボートレースメモリアルとの違いは?
ボートレース甲子園と似た選出方法の「SGボートレースメモリアル」。
各競艇場の推薦によって出場選手が決まることから、かつてはメモリアルを甲子園に例えるファンも多かったようです。ただ、ボートレース甲子園と似て非なる点があり…
- 出場資格が原則A1級のみ
- 選手が競艇場の代表として出場
さらに、1つの競艇場から2名選ばれる形式となるため、競艇場が3つある東京支部と福岡支部からは最低6名が出場できます。
SG競争の選出方法については以下の記事が参考になります。
出身地に関係ない「施行者希望枠」
ボートレース甲子園の出場選手数は52名。優先出場枠はないので、47都道府県で47名の代表が選出された後、5つの枠が空くことに。
この5名についてはSGメモリアルと同じく、開催場に選手を選ぶ権利「施行者希望枠」が与えられます。
これまで施行者希望枠で選ばれた選手は以下の通り。
大会/開催場 | 施行者希望枠 |
---|---|
第1回/浜名湖 2019年 | 中田竜太(福島)・池田浩二(愛知)・湯川浩司(大阪)・寺田祥(山口)・篠崎元志(福岡) |
第2回/三国 2020年 | 中野次郎(東京)・池田浩二(愛知)・木下翔太(大阪)・吉田拡郎(岡山)・篠崎元志(福岡) |
第3回/丸亀 2021年 | 久田敏之(群馬)・原田幸哉(愛知)・湯川浩司(大阪)・山口剛(広島)・深川真二(佐賀) |
第4回/下関 2022年 | 秋山直之(群馬)・深谷知博(静岡)・西村拓也(大阪)・前本泰和(広島)・羽野直也(福岡) |
第5回/尼崎 2023年 | 関浩哉(群馬)・磯部誠(愛知)・丸野一樹(滋賀)・田口節子(岡山)・深川真二(佐賀) |
第6回/津 2024年 | 椎名豊(群馬)・池田浩二(愛知)・松井繁(大阪)・吉田拡郎(岡山)・前田将太(福岡) |
施行者としては売上に貢献してくれる選手が適切でしょう。過去の例を見ても全国区のスター、勝率上位、注目度の高い地元選手が選ばれています。
群馬・愛知・大阪・福岡はかなり優遇されているような…
ボートレース甲子園の歴代優勝者
ボートレース甲子園の歴代優勝者は以下の通り。
年度 | 優勝者 | 枠番/決まり手 |
---|---|---|
2019年 | 今垣光太郎(石川) | 4号艇/まくり |
2020年 | 峰竜太(佐賀) | 3号艇/まくり差し |
2021年 | 毒島誠(群馬) | 1号艇/逃げ |
2022年 | 深谷知博(推薦) | 1号艇/逃げ |
2023年 | 片岡雅裕(香川) | 4号艇/まくり差し |
2024年 | 毒島誠(群馬) | 1号艇/逃げ |
初代チャンピオンは石川県代表の「今垣光太郎」。翌年以降も「峰竜太・毒島誠」と名のある選手が優勝し、毒島に至っては2度制しています。
そんな中、第4回大会は「深谷知博」が施行者希望枠初の優勝。
出身地の静岡県代表は坪井康晴でしたが、施行者希望枠で選出。3日目から5連勝する圧倒的な強さを魅せ、初の栄冠に輝いています。
ボートレース甲子園の主な特徴
甲子園と名の付いた大会を盛り上げるために、真剣勝負の中にもファンを楽しませてくれるお祭り的な要素が用意されています。
本物の甲子園を彷彿とさせる開会式
ボートレース甲子園の見どころは開会式から!
白いユニフォームを身にまとい「○○県代表」のプラカードとともに入場。地元のPRや方言での挨拶など、同大会でしか見られない激レアなオープニングセレモニーが実施されます。
選手の登場順は、北から(北海道→沖縄)と南から(沖縄→北海道)を1年ごとに入れ替え。この点は高校野球と同じスタイルを採用しているようです。
選手宣誓を行うのは開催地の代表選手。
下関開催の2022年は「白井英治」が高校球児さながらに宣誓を行いましたw
大会ルールは準優制の6日間開催
ボートレース甲子園は予選4日間の準優制。
ポイント上位18名が5日目の準優勝戦に進むSG・G1と同じ方式。過去4回の大会では従来通りの「準優勝戦」「優勝戦」というレース名で実施されています。
一つだけ言わせてもらうと、高校野球に沿った大会なら「BBCトーナメント」のように勝ち上がりでも良かったような…
初日ドリーム戦の選出基準は?
初日12レースにドリーム戦が行われます。
選出基準は前年の賞金ランキング。5地区(関東・東海・近畿・中四国・九州)のランキング上位者5名と、推薦選手1名の計6名で争われます。
推薦選手は開催場の地元、あるいは同地区から選ばれるのが通例。枠番は1号艇から勝率上位順に振り分けられ、推薦選手は6号艇で出走します。
選手が少ない県の選出事情
47都道府県から出場選手が選ばれるボートレース甲子園。斬新ではありますが、この選出方法だと「不公平感」が必ず生まれます。
最も顕著に現れるのが「地域格差」。
競艇場は全国に24場しかなく、競艇に馴染みの薄い地域も多数。中にはボートレーサーの人数が極端に少ない地域もあり、別の意味で代表選びに苦労する状況が生まれてしまうのです。
競艇場なし&選手も少ない北海道・東北エリア
エリア | 選手数 | 甲子園代表 |
---|---|---|
北海道 | 8名 | 三浦敬太(A2) 三浦裕貴(B1) 門雄大(A2) 孫崎百世(B1) 村上宗太郎(B1) 浅井翼(B2) 田中瀬里奈(B2) 中嶋世奈(B2) |
青森県 | 1名 | 鹿島敏弘(A2) |
岩手県 | 2名 | 菊地孝平(A1) 中澤和志(A1) |
宮城県 | 4名 | 萬正嗣(B1) 佐竹友樹(B1) 佐藤右京(B2) 佐藤世那(B2) |
秋田県 | 1名 | 高橋直哉(B1) |
山形県 | 1名 | 多田有佑(B1) |
北日本には競艇場がありません。当然、ボートレーサーを目指す人数も他の地域に比べれば少ないのが現状です。
特に「青森・秋田・山形」の選手は1名のみ。ボートレース甲子園はB1級以上が出場できるので、B2級に落ちない限り無条件で代表に選ばれます。
日本海側(鳥取・島根)も選出難度低め
エリア | 選手数 | 甲子園代表 |
---|---|---|
鳥取県 | 3名 | 代表なし 村岡賢人(A1) 梅原祥平(B1) |
島根県 | 4名 | 西島義則(A1) |
日本海側の山陰2県(鳥取・島根)は競艇場がなく、ボートレーサー人口は少ない状況が続いています。
現在は実績のあるA1選手がいるものの、2023年の第5回大会は村岡賢人(鳥取)が選出除外中につき不出場。そこで選出されたのが、デビュー2年目で勝率2点台の「梅原祥平(B1)」となりました。
G2競争に出場できるだけで名誉なことですが、SGレーサーたちと戦うのは辛すぎる実力差。
空白の解消つつある和歌山
近畿地区は競艇が盛んなエリアですが、和歌山だけは例外。
これまで和歌山を支えてきた「立具敬司」は、出走回数不足や長期欠場で第3,4回大会の選出資格を失い、地元から代表を送れない屈辱が続いたこともあります。
現在、和歌山でB1級以上のレーサーは2名。もう1人の「池田なな」は2023年1月から欠場中により、第5回大会も立具が選出されました。
しかし、岩田凌(130期)と田上凛(132期)が加わり、現役選手が4名になる明るい兆しも。新人2人の活躍に期待しましょう!
選出対象選手がゼロの都道府県は?
2023年7月現在、出身ボートレーサーが1人もいない都道府県はありません。
ただし、ボートレース甲子園はB2級をはじめ、F休みや選出除外期間と重複した選手は出場不可。その為、選出条件を満たす選手が不在になる可能性は十分あり得るでしょう。
実際、第1回の鳥取、第3,4回の和歌山で起こっています。
大会(開催年) | 該当者なし | 補充選手 |
---|---|---|
第1回(2018) | 鳥取県 | 茅原悠紀(岡山) |
第3回(2021) | 和歌山県 | 馬場貴也(滋賀) |
第4回(2022) | 和歌山県 | 馬場貴也(滋賀) |
このケースにおいては、当該都道府県が属する地区内の勝率上位者が補充される規則となっています。
ボートレース甲子園優勝選手への優遇処置
ボートレース甲子園の優勝賞金は500万円。そして、G2タイトル獲得によって重賞レースの出場資格を得ることができます。
SGクラシック出場が確実に
ボートレース甲子園の優勝者は、翌年3月に開催される「SGクラシック」の出場が確実となります。
優先出場ではありませんが、G2は1回優勝するだけで一般戦複数回優勝の選手より選出順位が上位に。よって、F休みなどなければ出場濃厚となるわけです。
クラシックはA2級以下でも出場可能。もし、無名のB1選手が優勝すれば、シンデレラボーイになれる可能性大!
BBCトーナメントの優先出場権
優勝特典として、翌年1月のプレミアムG1「BBCトーナメント」の優先出場権の獲得できます。
4日間の勝ち上がり方式で行われるBBCトーナメント。ボートレース甲子園の優勝者は選出順位が優遇され、初日のトーナメントでは内側の枠で出走できるメリットもあります。
優勝者に授与される「深紅の大優勝旗」
ボートレース甲子園で優勝を果たすと、京都西陣織で織られた「深紅の大優勝旗」が授与されます。
高校野球の大優勝旗と同じ職人が同じ「つづれ織り」と呼ばれる技法で製作した優勝旗。
重量は旗竿も含めて約8.6キロ。旗には歴代優勝者の名前が書かれたペナントがつけられ、その栄誉が半永久的に刻まれます。
まとめ
格式高いG2競争ながら、ファンを楽しませる企画色も強い「ボートレース甲子園」。
47都道府県の代表が集結するコンセプトは、競艇の魅力や認知度を全国に広める効果も大き二期待できるはず。
とはいえ、地域によって競争率に差があるのは現状の問題点。
しかし、それも選手個々の運であり、仮に選出されれば賞金を積み上げる絶好の機会となるでしょう。また、活躍次第ではボートレーサーの認知度を上がる効果もあります。
2023年の開催地は甲子園球場からほど近い尼崎競艇場。私は現地で観戦する予定ですw
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