2024年11月15日に開催された尼崎G1ダイヤモンドカップ優勝戦。黒井達矢にイン速攻を決められるも、2マークで捉えて大逆転勝利。
2022年9月以来となる2度目G1制覇。また、優勝賞金1100万円を獲得し、賞金ランキング11位から8位に浮上。
現時点でグランプリ選出は当確。さらに、11月19日開幕のSGチャレンジカップ次第では、GPトライアル2ndも見える位置に。
オール連対で予選突破し、準優も難なく逃げて優出2号艇を獲得。優勝戦はコンマ11のトップスタートを決めるも、ターンが膨らんでしまい6着に終わった。
人気急上昇中のシンデレラボーイ「宮地元輝」。
2022年9月の福岡G1、12月のグランプリシリーズで重賞タイトルを立て続けに初制覇。さらに、2023年もG2初優勝を飾り、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍を続けています。
また、宮地人気が凄いのは成績だけでなく、生まれ持った個性の強い人間性。
優勝が決まった時に披露するガッツポーズや、勝利者インタビューで魅せる天然っぽさ。その全ての言動がファンから支持されているのです。
そんな宮地元輝について、デビューから現在までの競争成績をはじめ、パーソナルな部分も掘り下げていきます。
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宮地元輝とは?
宮地元輝は佐賀県出身、佐賀支部のボートレーサー。
佐賀県立神埼高校を卒業後、2006年にやまと学校に入所。1年間の厳しい訓練に耐え、2007年6月に100期としてデビューを果たす。
趣味はゴルフ・バイク・麻雀・ゲームなど。本当はもっとプライベートに時間を費やしたいが、子育てや仕事に追われて最近は全然できていないとのこと。
宮地元輝の公式プロフィール
公式画像 | |
名前 | 宮地元輝(みやちもとき) |
登録番号 | 4445(100期) |
生年月日 | 1986年11月9日 |
身長/体重 | 169㎝/55㎏ |
出身/所属 | 佐賀県/佐賀支部 |
デビュー日 | 2007年6月13日 |
宮地元輝の出場予定や期別成績は、オフィシャルサイトの選手ページをご確認ください。
競艇選手を目指したきっかけは?
「ボートレーサーを目指したきっかけは?」というインタビューの際、以下のように話しています。
短く言うと、モンキーターンを読んで。で、生でレースを見て、音(エンジン音)を聞いた時点で降り肌がたって「レーサーになる」って帰ったのは覚えている。
モンキーターンとは、1996年に発売が開始された全30巻の競艇漫画。「濱野谷憲吾」をモデルとした波多野憲二(主人公)が競艇選手となり、頂点を目指していくストーリーです。
参考までに、モンキーターンの登場人物と、そのモデルになった選手がこちら。
- 波多野憲二➝濱野谷憲吾
- 榎木祐介➝植木通彦
- 青島優子➝日高逸子
- 潮崎俊也➝山崎智也
- 洞口雄大➝仲口博崇
- 蒲生秀隆➝山室展弘
- 浜岡猛➝矢後剛
- 犬飼軍志➝大嶋一也
- 櫛田千秋➝寺田千恵
モンキーターンがきっかけとなった競艇選手は、想像している以上に多いらしい。
養成所時代のリーグ成績
- 勝率:4.84
- 準優出:2回
- 優出:1回
- 優勝:0回
今でこそトップレーサーの宮地元輝ですが、やまと学校時代(現ボートレーサー養成所)の成績は中の下。
リーグ勝率1位で卒業した「桐生順平」が7.37だったのに対し、宮地は4.84。深川麻奈美や津田裕絵といった女子選手にも劣る成績でした。
養成所で下位だった選手が、まさか最高峰のグレードレースを獲ってしまうなんて…。誰一人予想していなかったはずです。
同期(100期)の注目選手
上記の顔ぶれを見れば分かる通り、男女ともに人気・実力を兼ね備えたトップ選手ばかり。そうした選手層の厚さから「華の100期」と呼ばれることもあります。
100期の代表格はもちろん、同期一番乗りでSG覇者となった「桐生順平」。養成所をリーグ勝率1位で卒業し、今や”艇界の顔”といっても過言ではない存在。
その他、クイーンズクライマックスを制した「平高奈菜」や、美人で強い「鎌倉涼」など、これからが楽しみな選手が沢山います。
100期は美人レーサーが勢揃い!以下のランキングには数名ランクインしちえます。
宮地元輝の師匠・弟子は?
宮地元輝の師匠は「冨成謙治」。師弟関係について多くは語られていないものの、勝利者インタビューなどでは師匠のことをよく口にしています。
そして、弟子の「小芦るり華」は、2023年1月に初優勝を飾ったばかり。「師匠の宮地元輝選手に報告したいです!」と語っているように、2人の信頼関係は上手くいっているようです。
宮地元輝の年収(獲得賞金)
年 | 獲得賞金 | 順位 |
---|---|---|
2024年 | – | – |
2023年 | 68,726,000円 | 24位 |
2022年 | 66,015,000円 | 21位 |
2021年 | 23,530,000円 | 350位 |
2020年 | 31,930,000円 | 160位 |
2019年 | 36,680,000円 | 91位 |
2018年 | 28,320,000円 | 166位 |
2017年 | 21,120,000円 | 347位 |
2016年 | 30,190,000円 | 96位 |
宮地元輝の年収(獲得賞金)は上記の通り。
2016年頃から頭角を現し、大フィーバーとなった2022年の年収は6600万円超え!さらに、翌年も安定した実績を残して自己最多の6800万円を獲得しています。
宮地元輝のプライベート情報
イケメンが売りの選手ではないので、結婚などはあまり興味ないと思いますが…。一応、宮地元輝のプライベート情報を紹介しておきます。
嫁・子供はいるが素性は不明
宮地元輝は既に結婚しており、2023年時点で小さいお子さんがいます。ただ、ネット上を隈なく探しても関連情報はなかったので、お相手は一般女性の可能性が高そう。
勝手な想像ですが、奥さんの尻に敷かれるイメージ(笑)いずれにしても、イクメンなのは間違いないでしょうね!
インスタ・ツイッターなどSNSは運営していない
ファンにとっては非常に残念ですが、SNS全般の運用はしていません。
インスタグラムやツイッターで検索すれば画像等はヒットしますが、踏み込んだ情報は一切なし。プライベートは謎に包まれたレーサーの1人です。
宮地元輝が”時の人”となるまでの軌跡
2022年に強烈なインパクトを残した宮地元輝ですが、その頂きに立つまでの出来事を時系列で確認していきましょう。
デビュー時は大して注目されず
水神祭 | 達成日 |
---|---|
デビュー | 2007年6月13日 |
初勝利 | 2009年2月12日 |
初優出 | 2011年1月 4日 |
初優勝 | 2013年1月15日 |
冒頭でもお伝えした通り、やまと学校時代の成績は平均以下。当然、デビュー以降もパッとしない成績が続きます。
デビュー節に初勝利を挙げる同期もいる中、宮地元輝が水神祭(初勝利)を迎えたのは152走目。さらに、B2級脱出までに約2年掛かってしまい、このままだと”引退勧告”さえ見え隠れする状況。
しかし、2009年頃から勝率はグングン伸びてB1級に昇格、2012年前期には初のA級昇格を果たします。
2013年以降、中堅レーサーに成長
2013年前期からA1級レーサーとなった宮地元輝は、同年1月のびわこで悲願の初優勝を達成。また、若松地区戦でもG1初勝利を飾るなど、周囲が驚くほどの急成長を遂げます。
以下は、デビュー節からブレイク直前(2007~2021年)の成績。
年 | 1着数 | 勝率 | 優出/優勝 |
---|---|---|---|
2007年 | 0 | 1.66 | 0回/0回 |
2008年 | 0 | 2.00 | 0回/0回 |
2009年 | 4 | 3.31 | 0回/0回 |
2010年 | 23 | 4.75 | 0回/0回 |
2011年 | 25 | 5.26 | 2回/0回 |
2012年 | 63 | 6.07 | 5回/0回 |
2013年 | 48 | 6.01 | 9回/1回 |
2014年 | 63 | 6.15 | 6回/2回 |
2015年 | 60 | 6.34 | 9回/1回 |
2016年 | 103 | 6.87 | 16回/2回 |
2017年 | 56 | 6.42 | 8回/3回 |
2018年 | 81 | 6.86 | 17回/3回 |
2019年 | 111 | 7.15 | 11回/3回 |
2020年 | 82 | 6.88 | 13回/6回 |
2021年 | 53 | 6.49 | 4回/1回 |
養成所の成績からすれば凄まじい成長です。しかし、A1・A2のボーダー付近に滞在していたので、ファンからの認知度は”そこそこ”といった状態。
そんな中、宮地元輝の知名度を(悪い意味で)爆上げする事件が発生します。
3億円超えの返還…G1優勝戦のフライング
2018年4月に地元唐津で開催された「G1全日本王者決定戦」。
初日からほぼ連を外さない好走を魅せ、予選を14体でギリギリ通過。準優は不利な6号艇でしたが、本番でいきなり2コースを奪取する前づけ。この奇襲が見事に決まり、2着で優出の切符を手にします。
迎えた優勝戦メンバーがこちら。
当時、圧巻の強さを誇っていた前本泰和のイン戦。その外側にも「服部・毒島・峰・岡崎」とSG覇者が勢揃い。
実績だけ見れば大人と子供ほど差があるうえ、宮地は圧倒的に不利な6号艇。
「普通に戦っても勝機はない」と思ったのか、本番で目を疑うような強引すぎる前づけを仕掛けたのです。
展示でも4コースを主張していたので、前づけするのは分かっていました。ただ、本番でインコースさえも奪う動きを見せ、場内は騒然とし、実況も言葉を詰まらせている様子。
この前づけによって起こしは90m程度。いつも以上にスタートが求められる状況に追い込まれた結果、2艇ともフライングを切ってしまします。
前本・宮地のFによって、売上の約90%にあたる「3億5,474万円」が返還される事態に。
さすがに宮地の無謀な前づけを肯定するファンはおらず、ネット上では宮地の行為を叩くファンで溢れかえっていたと記憶しています。
佐賀の宮地元輝はただのバカなのか?
— boat mania (@sevenjorker7) April 8, 2018
あんなアホみたいな前づけにいって確実に勝てる訳ないのに。
前本をつぶしたかっただけなのか?
おまけにフライングなんて。
競艇ファンとその関係者と前本に謝れよ。
ただ、全く注目されていなかった”宮地元輝”という名前は拡散されていき…。今思えば、認知度アップの良い起点になったのかもしれません。
優勝戦1号艇に座った「前本泰和」は、2023年1月に突然引退を表明しています。
G1初優勝で顔クシャの男泣き
デビュー15年目で成し遂げた2022年のG1初優勝。
この快挙達成までは少なからずアンチもいましたが、感情をむき出しにしたガッツポーズ、そして”熱い人間性”がファン急増のきっかけとなります。
まず、以下が話題になっているゴリラガッツポーズ。
ゴールの瞬間にガッツポーズする選手はいますが、宮地のように上体を起こして体全体で表現する選手はいません。まさにゴリラの真似をしているかのようw
さらに、ファンの心を鷲掴みにしたのが、しどろもどろの回答と男泣き姿。
ここまで感情をあらわにする選手がいたでしょうか?この映像を見た瞬間、宮地元輝の熱狂的なファンになった人も多いはず。私もその中の1人ですけど(笑)
最高峰のSGで初優出&初優勝
G1初制覇から3ヵ月のグランプリシリーズ。
宮地が1着の買い目はほぼ万舟といったオッズ。誰しもインコース「毒島誠」の勝利を確信していましたが、3コースから劇的なまくり差しでSG初出場にしてSG初制覇を達成。
もちろん、ゴールした瞬間はお決まりのガッツポーズを披露していますw
1度ならマグレと言われても仕方ありませんが、数ヵ月の間に2度も重賞制覇する実力。紛れもなくトップレーサーを証明した戦いと言えるでしょう。
ちなみに、SG制覇から約4ヵ月後の2023年4月、同じ舞台(大村)で開催された「モーターボート誕生祭」でもG2初制覇を達成しています。
しつこいようですが…
宮地のガッツポーズを見ると元気が出てくる!ここまで応援したくなるレーサーは久々ですw
2023年もG2初優勝する好調ぶり
G1・SG初制覇はマグレでしょ?といった声もあった中、2023年4月のG2モーターボート誕生祭で再び快挙を成し遂げます。
初日から0台のスタートを連発して勝ち上がり、優出2号艇を獲得。ただ、圧巻の強さでインに座った椎名豊を前に、宮地の優勝を期待するファンはゼロに近い状態でした。
そんな中、トップスタートを切った椎名に対し、1マークで魅せた渾身の差し!これが見事に決まり、自身初のG2制覇を達成します。
レース後の勝利者インタビューでは、独特すぎる宮地節が炸裂(笑)
2022年のG1・SG制覇の偉業を達成しましたが、同大会の優勝はさらに株を上げるレースとなったはずです。
2024年尼崎周年で2度目のG1優勝!SG戦績も好調だし、これからの活躍が楽しみ!
宮地元輝は艇界のスターになれる逸材
最後に、紹介できなかった宮地元輝の魅力を少しだけ。
人間性は義理堅く、武士みたいな男
艇界のエンターテイナー「西山貴浩」が連載しているスポーツ報知にて、実力も人間性も評価する記事がアップされています。
以下は記事の一部を抜粋したもの。
元輝はマジでターンはピカイチうまい。特に3、5コースからのまくり差し。乗り方だけで出足を来させているんですよ。体重移動だけで出足を来させてますからね。
グランプリシリーズの優勝戦でファンにはバレたけど、選手間では前から有名。
人間性はめっちゃいいです。義理堅い。武士みたいな男。義理人情に厚い男。ただ、笑いのセンスはちょっと違うかなー。10人中、4人にしか受けない、癖がある笑い。
引用元:スポーツ報知
裏表があるようには見えませんし、誰に対しても忖度はせず接していそう。やはり、想像していた通りの人間性でした。
特に大好きなのは、大先輩であろうがゴリゴリ前づけする姿勢。人を見て戦い方を変える選手が多いので、少しは見習ってほしいものです。
明確な目標はない。自分の限界を突き詰めるだけ
ボートレース大村でインタビューを受けた際、目標を聞かれた宮地は以下の回答をしています。
なんだろうな?賞金王になるつもりもないし、勝率ナンバー1になるつもりもない。自分の限界を突き詰めるだけ
多くの選手が「グランプリ制覇・賞金王」といった目標を掲げる中、宮地元輝にこれといった目標はなし。
立て続けに3度の重賞制覇を達成した今、ビックマウスが認められる選手。ですが、敢えて公言せず結果を残すカッコ良さに、多くのファンが魅了されているのかもしれません。
数少ない推しレーサーの宮地元輝。今後の活躍から目が離せません!
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