2024年9月1日に開催されたSGメモリアル優勝戦。予選16位、優出3号艇の馬場貴也が優勝し、前回大会に続き連覇を成し遂げた。
選ばれしトップレーサーたちが名誉あるタイトルを懸けて競い合う「SGボートレースメモリアル」。
メモリアルに出場するには実力と人気の両方が必要。 そして、夏場を得意にする選手ほど結果を残しやすいSGタイトルでもあります。
ナイター開催の多いSGとなるため、レースの発想時間に合わせたモーター調整も重要な要素。SGの中では荒れることが多い大会なので、その辺を加味した予想が大切です。
そこで今回は、ボートレースメモリアルの基本情報から、過去データに基づく予想方法まで丸っと解説。
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ボートレースメモリアルとは?
競艇界の5大SG「GRANDE5」の1つでもあるボートレースメモリアル。
翌9月はSG開催がないため、ココでの賞金上積みこそ”グランプリ選出”に大きな影響を与えます。当然ながら、良い結果を残して秋以降の戦いを迎えたいところ。
しかし、メモリアルの出場条件はかなり独特。
SG実績重視のグランドチャンピオン、人気重視のオールスターとは違い、選出されるのはその両方が欠かせません。
歴史の長さ競艇界で2番目
全国モーターボート競走施行者協議会が「競艇記念日(4月6日)」制定の記念行事として、1955年に第1回を開催したボートレースメモリアル。正式名称は「モーターボート記念競走」。
競艇では10月のダービー(全日本選手権)に次ぐ歴史を持つSGです。また、第48回大会(2002年)はSG史上初のナイター開催でした。
ボートレースメモリアルの出場条件
ボートレースメモリアルの出場条件は「競艇場からの推薦」によって決定します。
対象となるのは開催年に後期A1級かつ規定出走回数を満たした選手(優先出場を除く)。後期の級別審査は5月末に確定するため、出場選手は翌日の6/1に発表されるのが通例です。
出場選手52名の内訳は以下の通り。
- 開催場以外の23場から推薦された選手(各2名)46名
- 開催場から選ばれる選手(開催施行者希望出場者)5名
※地元以外の支部からも選ぶことが可能 - 直前のSG(オーシャンカップ)優勝者1名
※①②と重複した場合は予備上位選手が繰り上がり
そして、ボートレースメモリアルにも優先出場選手(前年優勝者、前年のグランプリ決定戦出場者)の適用があります。
対象者は上記①で地元競艇場が最優先で推薦するルールとなっており、別枠での選出は③のオーシャンカップ優勝者のみとなります。
あれ?と感じた方も多いのでは。そうです、7月開催のボートレース甲子園と仕組みはそっくりなんです。
ドリーム戦は獲得賞金上位&推薦枠
初日第12レースに実施されるドリーム戦の選出方法は、対象期間内における”各地区”の獲得賞金上位者5名および推薦枠1名。対象期間は前年6月1日~翌年5月31日まで。
なお、枠番に関しては賞金が多い順となり、推薦枠で選ばれた選手は6枠となります。
開催時に何かしらの事情で欠場となった場合、地区ごとに控えている予備選手が繰り上がり。また、推薦枠の場合は、予備選手の賞金上位者が補充されます。
稼いだ賞金額で決まることから、ドリーム戦は直近1年間で活躍した選手が選ばれる仕組み。
メモリアルの優勝賞金
ボートレースメモリアルの優勝賞金は4200万円。
ここ数年、ボート界の売上は伸び続けていることから賞金もアップ。2023年度は3900万円から4000万円に、2024年度も200万円増の4200万円となりました。
ちなみに、2024年度から全グレード(グランプリを除く)の賞金が増額されています。
出場者は名実ともにスター級の選手
ボートレースメモリアルは各競艇場が出場選手を決めるシステム。
それぞれのホーム水面から送り出される形となるため、顔ぶれは全国区のトップレーサーばかりです。
SGで良く比較されるのはボートレースオールスターですが、メモリアルは人気だけでなく高い実力も必須条件。選出される代わりに、地元の期待に応える使命が課されます。
その為、SG出場未経験のレーサーが選ばれる可能性はほぼありません。
所属支部によって競争率が大きく変わる
メモリアルの選出で特徴的なのが「地域格差」です。
競艇場によって選手層は異なり、現行ルールでは支部によって競争率に差が生じます。
1つの競艇場から推薦されるのは原則2名ですが、以下のように複数の競艇場を持つ支部は選出のチャンスも広がることになるのです。
人数 | 支部 | 競艇場 |
---|---|---|
6名 | 東京 | 江戸川・平和島・多摩川 |
福岡 | 若松・芦屋・福岡 | |
4名 | 愛知 | 蒲郡・常滑 |
山口 | 徳山・下関 |
東京支部と福岡支部は、最低でも毎年6選手が出場可能。
一方、大阪支部はA1級レーサーが東京支部とほぼ同数なのに対し、競艇場が住之江しかないため、毎年激戦区となってしまうのは制度の問題点といえるでしょう。
メモリアルのことだけ考えるなら、選手層の薄い支部にいた方が選出されやすくなります。
ボートレースメモリアルの各種データ
「レース場の威信をかけて競う」とオフィシャルサイトに記載の通り、ボートレースメモリアルは地元の期待を背負って走るSGです。
選手だけでなく、舟券を買うファンにとっても夏の総決算として気合いが入る一戦。舟券勝率を上げるためにもも、出目などの傾向を抑えておくべき。
SGメモリアルの歴代優勝者
年 | 開催場 | 優勝者(当時の年齢) |
---|---|---|
2024年 | 丸亀 | 馬場貴也(40歳) |
2023年 | 福岡 | 馬場貴也(39歳) |
2022年 | 浜名湖 | 片岡雅裕(36歳) |
2021年 | 蒲郡 | 原田幸哉(45歳) |
2020年 | 下関 | 寺田祥(41歳) |
2019年 | 大村 | 毒島誠(35歳) |
2018年 | 丸亀 | 毒島誠(34歳) |
2017年 | 若松 | 寺田祥(38歳) |
2016年 | 桐生 | 菊地孝平(38歳) |
2015年 | 蒲郡 | 篠崎元志(29歳) |
2014年 | 若松 | 白井英治(37歳) |
2013年 | 丸亀 | 毒島誠(29歳) |
2013年以降のボートレースメモリアル歴代優勝者は上記の通り。
ここ10年で毒島誠が3回、馬場貴也・寺田祥が2回ずつ優勝を飾っています。
さらに遡れば、瓜生正義の連覇(11~12年)や、今垣光太郎のV3(02、04、08年)があり、1度優勝した選手が翌年以降も続けて活躍するケースが多い傾向です。
優勝戦の出目や配当
年 | コース/決まり手 | 出目/配当 |
---|---|---|
2024年 | 3コース/ま差し | 3-1-6/7910円 |
2023年 | 1コース/逃げ | 1-2-4/900円 |
2022年 | 6コース/恵まれ | 6-5-1/23460円 |
2021年 | 1コース/逃げ | 1-2-3/980円 |
2020年 | 1コース/逃げ | 1-3-2/1040円 |
2019年 | 1コース/逃げ | 1-3-4/2070円 |
2018年 | 1コース/逃げ | 1-4-5/2760円 |
2017年 | 1コース/逃げ | 1-2-3/730円 |
2016年 | 2コース/抜き | 2-1-5/6120円 |
2015年 | 2コース/抜き | 2-1-5/3620円 |
2014年 | 2コース/まくり | 2-4-3/4410円 |
2013年 | 1コース/逃げ | 1-2-4/650円 |
上記は、メモリアル優勝戦(2013年以降)の結果。
2014年から3年連続で2コースが勝利し、15~16年はどちらも「抜き」の決まり手で「2-1-5」の決着。その後、2017年からは5年続けてイン逃げが決まっています。
2022年は2艇のフライングで6コースが勝つ大波乱の決着となり、続いていたイン逃げがストップ。
今後は再び波乱となるのか?はたまた、ガチガチの決着となるのか?
”結果は神のみぞ知る”ですが、1つだけ抑えておきたいポイントがあります。それは、2023年4月に改正された「フライングの罰則強化」です。
SG・G1・G2の準優および優勝戦でFを犯した場合、半端じゃない罰則が待ち受けています。
このルール変更は少なからず影響していきそうなので、これまでより荒れる可能性が高くなるかもしれません。
ボートレースメモリアルの売上推移
年 | 開催場 | 売上目標 | 総売上 |
---|---|---|---|
2024年 | 丸亀 | 180億円 | 196億円 |
2023年 | 福岡 | 140憶円 | 147億円 |
2022年 | 浜名湖 | 145億円 | 133億円 |
2021年 | 蒲郡 | 180億円 | 195億円 |
2020年 | 下関 | 150億円 | 179億円 |
2019年 | 大村 | 125億円 | 131億円 |
2018年 | 丸亀 | 110億円 | 114億円 |
2017年 | 若松 | 120億円 | 110億円 |
2016年 | 桐生 | 110億円 | 96億円 |
2015年 | 蒲郡 | 115億円 | 107億円 |
2014年 | 若松 | 115億円 | 114億円 |
2013年 | 丸亀 | 110億円 | 104億円 |
ボートレースメモリアルの年別売上推移は上記の通り。
平日でも舟券を買いやすいナイター開催に加え、ネット投票の普及もあって売上は好調。2021年に至っては、5年前と比較して2倍となる195億円を記録しました。
2022年に売上を落としていますが、主な要因は「新田雄史・白井英治」のフライング。
優勝戦に投じられた売上は16億5895万8800円。その内、約81%にあたる”13億4993万円”が返還となり、売上目標を大きく下回る結果に。
このFで両選手は1年間のSG出場停止の処分が下されました。
ボートレースメモリアルの予想方法
高温多湿への対応力が試されるボートレースメモリアル。
SGクラスでも調整に苦しむ選手が多く、1日を通してイン逃げが苦戦する光景はよく目にします。
イン戦に不安があるレースは、中穴~穴党に魅力たっぷりの展開が期待大。いずれにしても、勝負するレースとそうでないレースの判別はとても重要です。
以下の記事を合わせて読むと、より勝率アップに繋がるかも
節間を通してイン勝率は低め
年(開催場) | イン逃げ本数 初日~最終日 | 万舟 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
2024(丸亀) | 6 | 4 | 7 | 7 | 8 | 9 | 18 |
2023(福岡) | 8 | 6 | 9 | 9 | 8 | 9 | 13 |
2022(浜名湖) | 7 | 9 | 9 | 8 | 11 | 10 | 10 |
2021(蒲郡) | 9 | 4 | 6 | 4 | 8 | 10 | 19 |
2020(下関) | 7 | 8 | 9 | 8 | 12 | 7 | 14 |
2019(大村) | 4 | 7 | 6 | 9 | 8 | 10 | 7 |
2018(丸亀) | 6 | 3 | 3 | 7 | 11 | 11 | 12 |
モーター性能が低下する夏場は、インに逃げ勝率も低下。
ボートレースメモリアルの過去開催を確認すると、特に予選4日間(準優前日)は、1コース勝率に大きなバラつきがあります。
日本一インコースが強いはずの”大村競艇”でも、2019年大会初日のイン逃げ成功はわずか4本。「インが勝てない日」の見極めは欠かせない材料となるでしょう。
イン戦が決まらない時は「3連単高配当」の期待が膨らみます。
- 2018年:50,480円(3日目6R)
- 2019年:189,850円(3日目6R)
- 2020年:33,350円(最終日9R)
- 2021年:83,280円(最終日11R)
- 2022年:40,420円(最終日11R)
- 2023年:255,150円(最終日11R)
- 2024年:60,140円(5日目9R)
2021年の蒲郡では節間の万舟券が26%(19/72)という確率。2020~23年は4年連続で最終日に3連単最高配当が出ている点にも注目です。
たまたまでしょうが、最終日の第11レースは特大万舟が連発。マメ買いしておく価値あるかもw
穴党ファンにおすすめの狙い方を以下の記事で解説しています。
無視できない地元支部の推薦選手
開催を通じてマークしておきたいのが地元支部の選手。
一部では「地元レーサーは実績に乏しいから期待するな」という論評もあります。
しかし、乗り慣れている水面であるのはもちろんのこと、来場する地元ファンの期待値はMAX。そうした重たい責務から、仮に一般戦回りとなっても舟券への貢献度は高いと考えるべき。
現に2020年大会を地元下関で優勝した「寺田祥」は、直前に同じ水面で開催されたお盆レースでも優出しています。
ナイター巧者はメモリアルの実績豊富
ナイター開催で実施されるボートレースメモリアル。当然、ナイター水面を得意とする選手の場合、大きなアドバンテージが与えられることも見逃せないポイントです。
代表的な選手といえば、過去メモリアルを3度制しているナイターキングこと「毒島誠」。
2019年の大村開催では、モーター2連対率ワースト2位の低調機ながら優勝を飾る活躍。
時間帯に合わせた調整やスタートの見え方など、ナイター巧者の評価はワンランク上げることをおすすめします。
まとめ
ボートレースメモリアルについて解説しました。
本場だけでなく、場外やネットでも盛り上がるSG競争。上位拮抗のメンバーでモーター抽選は1つのカギとなりますが、調整次第で優勝できてしまうのがメモリアルなんです!
最後に、他人の予想で勝つのも1つの戦略。本物の予想サイトを見つけておくのも、勝利への近道となるかもしれません。
コメントお待ちしてます!