競艇をやっているとたまに見かける「騒擾惹起」というワード。普段、あまり使われない漢字なので、読み方すら知らなかった人も沢山いるはず。
まず、騒擾惹起は「そうじょうじゃっき」と呼びます。言葉の意味は、競艇ファンが騒動を引き起こすきっかけになる行為。
- 騒擾:騒いで秩序を乱すこと
- 惹起:事件・問題などをひきおこすこと
要するに、公平かつ公正でなくてはならないボートレースにおいて、八百長を疑われるような行為を指します。では、具体的にどのような違反行為が対象となるのか?
そこで今回は、稀に起きる「騒擾を惹起する航法」を丸っと解説していきます。
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騒擾を惹起する航法とは?
冒頭で説明した通り、騒擾惹起(そうじょうじゃっき)は絶対にしてはいけない違反行為。
仮にそのルールを破ってしまった場合、フライングや妨害行為とは比にならない罰則が待ち受けています。
騒擾惹起に該当する違反行為
- 八百長
- 周回誤認
- 意図的な低速走行
- フライング後の完走 など
「騒擾を惹起する航法」で最も分かりやすいのは、順位を意図的に操作する「八百長」でしょう。
2020年1月には元A1級レーサー「西川昌希」が八百長で逮捕され、業界内外で大きな話題に。不正で手にした金額は”3億円超え”とも言われています。
ただ、八百長が明らかになることはほぼありません。競走会および選手会による隠ぺいの可能性もありますが、普段私たちが目にする騒擾惹起は「周回誤認・不適切な航法」の割合が高めです。
違反すると即刻帰郷が命じられる
違反内容によって罰則は異なりますが、レース中の場合は「即刻帰郷」。
即刻帰郷とは、当日に2レース目があったとしても出場することはできず、強制的に帰宅を命じられる処分です。一応、似た言葉に「即日帰郷」もあるので、それぞれの違いを解説しておきます。
即刻帰郷 | その日の予定に関係なくすぐに帰郷しなくてはならない。 |
即日帰郷 | その日に予定してあるレース終了後、帰宅が命じられる。 |
いずれも当日に帰郷が命じられるのは同じですが、即刻帰郷はより重たいペナルティだと認識しておきましょう。
罰則内容は数ヵ月の出場停止から引退勧告まで
騒擾惹起に接触する違反を犯すと、後の褒章審議会にかけられ処分内容が決定します。
八百長が明らかになった場合は、ボート界から追放されます。また、極めて悪質な違反をした場合も、引退勧告をはじめとした重たい処分が下るでしょう。
その他、稀に起きる周回誤認などでは、過去の例から「3~12ヵ月程度の出場停止」の処分が下されています。
「数ヵ月程度で復帰か」と感じたかもしれませんが、その間の収入はゼロ。さらに、出場できない期間が長いと降格してしまうので、復帰しても賞金の低いレースしか出場できなくなるのです。
周回誤認・低速走行で処分された選手
過去に「周回誤認・低速走行」で出場停止になった選手を紹介します。
それと最後に、直近で話題になっている「中村亮太」の八百長疑惑レース、西川昌希が八百長を働いた実際のレース映像を載せておきます。
吉田凌太朗(周回誤認)
2023年3月の若松一般戦。
4コースから進入した「吉田凌太朗」はレース中に失速。明らかな周回誤認であり、ほぼ出来上がっていた着順に影響を与えました。
これにより、吉田は次のレースを待たずに即刻帰郷。同様のケースから考慮すると、3ヵ月程度の出場停止が下ると思います。
富名腰桃奈(周回誤認)
2022年8月13日の若松一般戦。
内側3艇(1~3号艇)がフライングとなった波乱の展開。そんな中、4号艇「富名腰桃奈」は自分もフライングだと勘違いし、2マークをターンせずピットへ戻ってしまいます。
途中で気づきレース復帰はしましたが、普通に走っていたら1着はほぼ確定していた状況。
レース終了後、公式アナウンスで「周回誤認疑いのため即刻帰郷となりました」と周知。故意ではないにせよ、富名を買っていたファンは失墜したはず。
松村康太(周回誤認)
2022年4月12日の江戸川一般戦。
3周1マークまで単独2番手を走行していた「松村康太」でしたが、ゴールだと勘違いして急減速。2着から4着まで順位を落としてしまう結果となり、八百長を疑う騒動にまで発展。
当然ながら周回誤認による即刻帰郷。そりぁ、あの位置から着外まで飛んだらイカサマを疑いますよね…
藤原菜希(低速走行)
2020年2月20日の尼崎一般戦。
1号艇「藤原菜希」は難なくイン逃げを成功させ、独走状態で3周目を迎えます。
ただ、2周目に5号艇中里優子が振り込んでエンスト。藤原が到着する直前に動き出しましたが、中里への優しさなのか急に減速しだしたのです。さらに、最終周回のホーム側では明らかな低速走行。
競艇には「1着がゴールしから30秒以内」というルールがあるので、不完走とならないように配慮したのかもしれません。
ちなみに、この日は西川昌希が八百長で逮捕された直後。その影響もあったのか、厳しすぎるようにも感じる「1年間出場停止」の処分が課せられました。
中村亮太(八百長疑惑)
2022年10月27日の下関一般戦。
断トツ人気でインコースに座った「中村亮太」。コンマ14のスタートで逃げは大丈夫そう!と感じた瞬間、A1級レーサーとは思えないグダグダの旋回。
1マークを回った時点で中村は戦線離脱し、最終的な着順は6着。また、人気薄の6号艇が1着になったことで、通常のレースなら特大万舟はほぼ間違いなし。しかし、3連単の配当を確認すると…
「6-4-3」の出目でまさかの29,810円。F持ちだったとはいえ、B1級の6頭にしてはあり得ないオッズ。
中村亮太のイン飛び、不可解な低配当などから「八百長疑惑」が浮上したのです。
大手メディアでは「本人が八百長を認めた」との報道もありましたが、事態が進展する気配はなく…。そして、突然消えた出場予定は空白の状態が続いています。
西川昌希(八百長)
2016年2月15日の児島一般戦。西川昌希が初めて八百長をしたとされるレースです。
西川はこの日、7R・12Rの2回走り。準優に進出する好調ぶりを発揮していたため、その選手が1号艇に座れば黙っていても売れていきます。しかも、西川にとって負けても痛くないレース。
八百長を仕組む側が最も稼げるのは、インに人気が集まった番組。このレースがまさにピッタリであり、着外になるだけで高配当を手にできます。
本番では「ターンが膨らんでしまった」ように膨らんで6着。結果は「4-2-3」となりましたが、人気のインが飛んで「8,100円」の低配当。
1号艇を外した舟券にぶっ込むため、自ずとあり得ないオッズになったのでしょう。
西川昌希はこのレースで味をしめ、この後も次々と八百長を働いていたようです。そして、2020年1月にようやく事件が発覚し、総額3億円以上の八百長事件として逮捕されました。
今思えば、競走会や選手会は薄々気づいていたはずですが、逮捕されるまで一切公開せず。”臭い物に蓋をしろ”といった体質なのかもしれませんね。
まとめ
ここ最近、1年に1回以上は「騒擾を惹起する航法」が発生していますが、特にルール改正などは行われていません。
協会側に改善する意思はあるのか?仮に本気で改善する気があるなら、既にルールを改正しているでしょうし、そういった変化がない以上、これからも八百長を疑ってしまう違反は続くと思います。
競艇は心底大好きなギャンブルです。しかし、胴元の腐った体質だけは許せない。現選手会長「瓜生正義」が矢面に立って変えてくれるといいけど…
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