2024年8月、イン屋の代表格「上瀧和則」が引退。引退理由・八百長疑惑などに関しては以下をご覧ください。
「インコース有利」は競艇のセオリーです。1コースの勝率は群を抜いて高く、トップレーサーに限れば9割ちかいイン勝率を誇ります。
そうした絶対的な特性があることから、振り分けられる枠番は1~6コースまで満遍なく組まれるのが一般的。
しかし、一部の選手は枠番なんて一切無視し、大外であっても平然な顔をしてインコースへやってきます。
そのような選手を「イン屋・インレーサー」と呼びます。
イン屋が出走するレースは荒れる可能性大!名前だけでも知っておけば、今後の舟券収支に大きく貢献してくれるはず。
イン屋とは正反対の「アウト屋」も存在します。カッコ良さでは断然アウト屋ですねw
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イン屋のボートレーサー
それでは早速、競艇界を代表する「イン屋の選手」を年齢順で紹介していきます。
西田靖(ニシダヤスシ)
選手名 | 西田靖 |
生年月日 | 1961年10月28日 |
登録番号 | 3072(51期) |
デビュー | 1961年 |
身長・体重 | 161㎝・53㎏ |
出身地/支部 | 神奈川県/東京支部 |
今でこそイン屋の印象が強い「西田靖」ですが、デビュー当時はオールラウンダーとして活躍していました。
そんな中、最強のピット離れを実現させたペラ叩きのおかげで、前づけ中心の戦法にシフトチェンジ。
持ちペラ制度が廃止された以降もそのスタイルを貫いており、西田がいると”何かが起きる”と思っていた方が無難かもしれませんw
デビューしてすぐに成績は残せなかったものの、1991年の住之江グランドチャンピオン決定戦でSG初制覇。更に、同年に開催されたモーターボート記念競走でも優勝し、SG2連覇という快挙を成し遂げています。
直近のコース別進入率・3連対率
センターおよびアウトコースの時は、2コース進入が多め。さすがに全盛期の時ほど信頼できる成績は残せていませんが、忘れた頃に特大万舟に貢献してくれます。
西田が元々1コースだった場合は、2,3着付けで買っておくと美味しい配当をゲットできるかも。
西島義則(ニシジマヨシノリ)
選手名 | 西島義則 |
生年月日 | 1961年10月30日 |
登録番号 | 3024(49期) |
デビュー | 1981年 |
身長・体重 | 166㎝・60㎏ |
出身地/支部 | 島根県/広島支部 |
40年近くトップレーサーとして活躍している「西島義則」。
イン屋になろうと思ったきっかけは「インでモンキーターンをすれば負けることはないだろう」と感じたかららしい。
競艇ファンからは「イン逃げの西島」や「インの鬼」などと呼ばれ、3コースより外側だった場合はほぼ間違いなく前づけしてきます。
過去の実績は、1990年代に総理大臣杯(SG)を2年連続で制覇し、2000年にはグランドチャンピオン決定戦、オーシャンカップ、モーターボート記念で優勝。史上2人目のSG3連覇という偉業を達成しています。
現在でも若松のSGオールスター戦に出場するなど、未だに実力は衰えていません。
直近のコース別進入率・3連対率
助走が100mを切るような前づけレースもある中、1コースの勝率はかなり好成績。また、2コースでも60%以上の連対率となっており、記念レースであっても舟券なら外すのは大きなリスクとなるでしょう。
大ベテランになってからもこれだけの成績を残しているのはヤバすぎ(笑)
展示で前づけに抵抗する選手がいない場合は、軸およびヒモで信頼すべき存在だと思います。
今村暢孝(イマムラノブタカ)
選手名 | 今村暢孝 |
生年月日 | 1965年1月19日 |
登録番号 | 3265(59期) |
デビュー | 1986年 |
身長・体重 | 163㎝・53㎏ |
出身地/支部 | 福岡県/福岡支部 |
SG制覇のみできていない「今村暢孝」。G1で6勝を挙げるなど、トップ選手であるのは間違いありません。
最も記憶に残っているのは、2016年に出場したG1九州地区選手権。
優勝戦は篠崎元志、岡崎恭裕といった並み居る強豪揃いの中、14点の減点がある状態で挑んだ一戦。不利な状況と分かっていながらも2コースに前づけし、劇的な差しで優勝しました。
これだけ減点されてG1を制覇した選手はほとんどいないはず。今村選手のおかげで万舟をゲットできたので、本当に感謝してます(笑)
直近のコース別進入率・3連対率
この記事で紹介するイン屋が同レースに出走していない限り、基本的に2コースまで前づけしてきます。中には最後まで抵抗して深インになることもありますが、それでも着外になることはほぼない印象。
インコースが格下選手だったら軸に、同レベルだったら2,3着の本筋として予想しましょう。
江口晃生(エグチアキオ)
選手名 | 江口晃生 |
生年月日 | 1965年2月11日 |
登録番号 | 3159(54期) |
デビュー | 1984年 |
身長・体重 | 165㎝・54㎏ |
出身地/支部 | 群馬県/群馬支部 |
SGで2回、G1およびPG1で6回の優勝を含む、通算100勝を挙げている「江口晁生」。
現在もその実力は衰えを知らず、2020年の下関サンケイスポーツ杯で優勝し、ボートレース史上29人目の24場制覇を達成しています。
実は、デビュー当時から注目の選手。1半年足らずでA級に昇格し、最優秀新人賞の獲得。その翌年にはSG笹川賞に初出場を果たし、常に注目を集めていた選手です。
直近のコース別進入率・3連対率
1コース時の勝率はさほど高くありませんが、9割を超える確率で舟券に絡んでいます。また、ほぼ前づけによって進入している2コースにおいても、7割弱は電光掲示板に乗る好成績。
特に2着になることが多いので、番組に江口がいたらできるだけ絞った方が良いかも。
田頭実(タドウミノル)
選手名 | 田頭実 |
生年月日 | 1967年3月29日 |
登録番号 | 3257(58期) |
デビュー | 1986年5月 |
身長・体重 | 157㎝/52㎏ |
出身地/支部 | 福岡県/福岡支部 |
ファンから”ミスター若松”の愛称で呼ばれ、全盛期を過ぎた今でも絶大な人気を誇る「田頭実」。
田頭といえばやはり2005年の伝説V。若松開催のG1ダイヤモンドカップにおいて、フライング3本持ちながら0台を連発。そのまま優出へ進み、まくり差しを決めて優勝しちゃいましたw
F3持ちの危機的状況でG1を制したのは、競艇が始まって以来史上初!同じ快挙を達成する選手は二度と現れないでしょう。
直近のコース別進入率・3連対率
ごく稀に4コースより外を走ることもありますが、基本的にスロースタートが主戦場。
注目すべきは内3枠の成績。イン勝率はA1級トップクラス、2,3コースも信頼に足る実績を残しており、例え深インになろうが舟券の入賞率はかなり高めです。
「前づけレースはイン屋の外から買え」と普段はアドバイスしているものの、田頭実だけはそのセオリーが通用しないかも。
八百長疑惑などプライベートについては以下の記事をご覧ください。
上瀧和則(ジョウタキカズノリ)
選手名 | 上瀧和則 |
生年月日 | 1968年5月20日 |
登録番号 | 3037(60期) |
デビュー | 1987年 |
身長・体重 | 165㎝・52㎏ |
出身地/支部 | 佐賀県/佐賀支部 |
現役のボートレーサでありながら、日本モーターボート選手会選手会長を兼任する「上瀧和則」。
2012~2019年頃はあまり出場していなかったものの、近年は全盛期を思わせる活躍ぶり。SGを4度制覇した実力は今も健在のようです。
やまと学校を卒業後、デビューした翌月には初勝利を挙げ、そのままとんとん拍子でA級に昇格。1989年には年間最優秀新人に選ばれ、その頃あたりから「イン屋」として頭角を現していきます。
先輩であろうが前づけに関しては妥協せず、助走が100mを切っていても得意のスタートで勝ち切るのがモットーらしいです。
直近のコース別進入率・3連対率
このデータを見て驚いたのは、意外とセンターおよびアウトコースから進入していること。
以前なら80m程度の深インになっても前づけしていたので、ひょっとしたらあまり成績に拘っていない?のかも。
あくまで個人的な見方ですが、上瀧が前づけしたレースは、ダッシュを軸にして予想した方が的中している気がします。どちらにしても、あまり信頼度は高くありません。
石川真二(イシカワシンジ)
選手名 | 石川真二 |
生年月日 | 1970年4月19日 |
登録番号 | 3473(66期) |
デビュー | 1990年 |
身長・体重 | 163㎝・54㎏ |
出身地/支部 | 福岡県/福岡支部 |
「石川真二」が記念レースを制覇したのは2008年の1回のみ。輝かしい実績を残しているとは言えませんが、出走するレースでの連対率は高く信頼できる選手のひとり。
特に注目してほしいのが2コースの進入時。3コースより外側の選手が凹んでいなければ、ほぼ間違いなく3着以内には入ってくれる印象。
これまで幾度となく舟券に貢献してもらっているので、これからも「2着の匠」として応援したいと思います!
輝かしい実績がないとお伝えしましたが、あくまでトップレーサーと比較した場合です。24場制覇を達成している実力者であることはお忘れなく。
直近のコース別進入率・3連対率
同期および先輩レーサーがいない場合は、基本的に2コースより内側に前づけします。
上記で説明した通り、インコース進入時は信頼すべき入着率の高さ。トップレーサーがダッシュにカドにいない限りは、舟券に含めることをおすすめします。
深川真二(フカガワシンジ)
選手名 | 深川真二 |
生年月日 | 1974年6月6日 |
登録番号 | 3623(71期) |
デビュー | 1992年 |
身長・体重 | 166㎝・52㎏ |
出身地/支部 | 佐賀県/佐賀支部 |
現イン屋の中で「深川真二」が名実ともにトップ!と言っても過言ではないと思います。
もちろん、成績が良いのは前づけしているのも関係しているでしょうが、若手のトップレーサーとも対等に競り合うだけの実力を兼ね備えています。
そして、深川の凄いところは「進入がいくら深くなっても関係ない」というスタイル。以前、6コースから1コースに前づけした際、超深インとも言える45メートル起こしだったレースも。
動画を視聴すれば分かりますが、あまりの深さに実況しているアナウンサーも「深イン真二」と呼ぶ始末(笑)
ただ、このスタートで入着したのはヤバすぎです。
直近のコース別進入率・3連対率
深川選手のイン戦は、SG級の選手が相手でも軸にすべき信頼度。2,3コースになると入着率は若干下がるものの、着外になる予想はリスクが大きすぎます。
それだけ推すのには理由があって、深川の前づけに抵抗する選手はほとんどいないから。
2コースへの前づけであっても、普段の枠なり時と大して変わらないケースが多く、何事もなくイン有利のまま決着してしまうのです。
さすがに準優・優勝戦ともなると抵抗して荒れることもあるので、スタート展示の進入だけはチェックを怠らないようにしましょう。
村上純(ムラカミジュン)※引退
選手名 | 村上純 |
生年月日 | 1974年11月14日 |
登録番号 | 3919(81期) |
デビュー | 1997年 |
引退 | 2024年5月1日 |
身長・体重 | 169㎝・52㎏ |
出身地/支部 | 岡山県/岡山支部 |
元競艇選手を父親に持つ「村上純」。
その父親とは「村上一行」という選手で、通算80勝(SG2回、G19回含む)もしたレジェンド級。2007年には限られた選手しかなれない”ボートレース殿堂マイスター”にも選ばれました。
そんな父親に憧れてボートレーサーに。今のところSG・G1の優勝は果たせていませんが、いつの日か同等以上の選手になることを期待しましょう。
それにしても、顔がイカつすぎ(笑)村上選手のことを知らずに出会ったら「ヤ〇ザ」と思ってしまいそう。
直近のコース別進入率・3連対率
イン屋を長年しているだけあって、1,2コースの入着率は見事な数値を残しています。
対戦する相手にもよりますが、一般戦とかであれば舟券には含めておいた方が無難でしょう。
ただ、過去数年のデータを調べたところ、調子の悪い節は入着できないレースが続いているように感じました。その為、できれば初日の投票は避け、レースの様子を確認してから賭けるのが得策かも。
池田奈津美(イケダナツミ)
選手名 | 池田奈津美 |
生年月日 | 1994年1月16日 |
登録番号 | 4874(116期) |
デビュー | 2015年 |
身長・体重 | 162㎝/52㎏ |
出身地/支部 | 福岡県/福岡支部 |
上で紹介した村上純の弟子「池田奈津美」。
2015年にデビューしたばかりの若手レーサーですが、ベテランに忖度しない前づけで人気上昇中の女子レーサーです。
2022年頃から内枠を主張し始め、2023年以降は6コース進入ほぼゼロ。また、インタビューで前づけ宣言をするなど、自らイン屋への転向を認めています。
コース取りをするようになったきっかけは「変化」。同期の「大山千広」などが活躍する中、低調気味だった自分を変えるためだったのでしょう。
まだまだ発展途上とはいえ、ベテランでも忖度しない強気の攻め。どんなイン屋に育っていくのか非常に楽しみ!
直近のコース別進入率・3連対率
直近のコース別進入率は内3コースが約95%。他のイン屋と同じ番組になる以外は、レースを荒らす可能性大ですw
最近は連対率が右肩上がりに伸びているので、売れてなければヒモ軸で狙ってみては?
【引退】鈴木幸夫(スズキユキオ)
選手名 | 鈴木幸夫 |
生年月日 | 1957年8月10日 |
登録番号 | 2876(43期) |
デビュー | 1978年 |
身長・体重 | 162㎝・51㎏ |
出身地/支部 | 愛知県/愛知支部 |
2023年2月に引退してしまいましたが、それでも紹介せずにはいられない「鈴木幸夫」。1,2コースの進入率は95%を超える競艇界きってのイン屋でした。
1980~90年代にSG(総理大臣杯)で1回、G1で7回優勝経験あり。
御年60歳オーバーながらA1級でバリバリ活躍し、番組にいると波乱を起こしてくれた存在。
イン屋では一番好きな選手だったので、艇界を去る情報を知った時はとても悲しかった…
イン屋って嫌われてる?
少ない点数で勝ちにいく本命党の私にとって、イン屋を好きにはなれません。イン屋がいるレースは荒れることが多いので、基本的に見送るか、投票するとしてもマメ買いしかしないと決めています。
では、私以外の競艇ファンたちはどう思っているのか?
イン屋を嫌うファンは多い
大場君即帰郷か
— ゆき@競艇予想💓 (@ovvj95cd) April 6, 2024
そりゃそうよな〜
イン屋したいならすればいいけど下手くそなイン取りは嫌いや
勝負駆けの上野と先輩の篠原にスタ展で突っ込んで行くのは違うわな( •︠-•︡ )
アウト屋が居るレースって面白いよね😇
— ろんちゃ·͜· (@ron_1o26) March 14, 2022
イン屋より好感持てる笑
優勝戦で前付けしてくるどっかの鬼とか嫌い😇
前付けそのものが嫌いな訳ではないけど前付けだけして満足したんかって感じで本チャンおもっくそヘコんで着外みたいなB級イン屋の前付けは嫌い。前付けするなら死ぬ気で舟券絡みに行けやとは思う。
— かわもと けんじ (@Kawa_zf1_Kenji) February 18, 2022
調べる前から予想はしてましたが、やはり嫌いという競艇ファンが多かったです。なぜ嫌いなのか?
- 他のコース練習しろよ
- 横入りしてズルくない?
- インだけなら成績良くて当たり前
- 前づけされる選手が可愛そう
- 優勝戦の前付けはあり得ない
様々な理由がある中、共感できたのは「前づけされる選手が可愛そう」「優勝戦の前付けはあり得ない」この2つ。
イン屋と同じレースになった選手は、抵抗すれば助走が短くなるし、抵抗しないと奪われるし…。どうすることもできません。
また、準優・優勝戦に出場できた場合、本来なら枠順は成績順です。イン屋にはそんなことお構いなく、6コースからでも1,2コースまで進入してきます。
せめて準優・優勝戦だけは「進入固定にした方が良いのでは?」と思うことが多々あります。
イン屋には賛否あると思うので、あくまで個人的な感想として捉えてください。
好きな人は古いファンと穴党?
今節の尼は石川選手と深川選手のダブル真二が参戦!
— はむたく (@kyotei_kamashi) January 4, 2021
イン屋が入るレースは進入からワクワクさせてくれるから好き🤗
紹介した上の方、おそらく競艇を昔からやっている方だと思います。
確かに、私が競艇をはじめた20年ほど前は、枠なりなんてほぼなく進入はいつもグチャグチャ。それが当たり前だったので、近代競艇とは楽しみ方が変わったかもしれません。
ただ、当時はモーターの出力が桁違いに高いうえ、持ちペラで自分好みに調整可能。その為、スタートで助走が短くても何とかなる時代でした。
それを若いファンに理解してもらうのは難しいでしょうね。
イン屋好きは「レースが荒れる」ことを期待する穴党が多い気がします。まぁ、好きなら賭ければいいし、嫌いなら見すれば良いだけです。
前づけレース予想難度高め
1Rから前川前づけして来てて草。もうこんなん無理よwなにしてくれてんだよ。予想が崩壊したわ。
— めたろー (@metaro_m) February 24, 2021
間違いなく言えるのは、枠なりより前づけレースの方が圧倒的に難しいです。
「前づけの場合はどのように予想すればいい?」と競艇初心者さんに質問されたら、まず回答するのは「投票しない方がいい」というアドバイス。
「負ける人の特徴」でも説明していますが、100%負けない方法は賭けないことです。
ただ、そのことを理解したうえで、どうしても前づけレースを攻略したいなら以下の記事をご覧ください。様々なパターンの展開予想を紹介しています。
まとめ
どんなに悪条件になろうが前づけしてくる「イン屋」たち。
イン屋が出走するレースは予想できないような展開になったり、荒れる可能性が格段と上がります。
負ける覚悟で博打をしたいギャンブラーにはおすすめしますが、回収率100%を手堅く狙いたい方はエアー投票して見守りましょうw
最後に、前づけとは相反する「アウト屋」の記事も公開しているので、興味がある方はぜひ合わせてご覧になってください。
コメントお待ちしてます!