2023年2月9日、長年競艇界で活躍した「鈴木幸夫」の引退が判明。引退理由は明かされていませんが、今月3日に引退届を提出し、7日頃に選手ページが削除されました。
絶滅しかけている2000番台の大ベテランがまた1人…。先日発覚した「高橋二朗」の斡旋削除といい、往年のファンにとっては悲しい報道が続いています。
今後、ゴリゴリの前づけを見れないのは残念ですが、44年間の現役生活、本当にお疲れさまでした。
鈴木幸夫とは?
公式画像 | |
名前 | 鈴木幸夫(すずきゆきお) |
登録番号 | 2876(43期) |
生年月日 | 1957年8月10日 |
身長/体重 | 162cm/50㎏ |
出身/所属 | 愛知県/愛知支部 |
鈴木幸夫は愛知県出身、愛知支部のボートレーサー。
43期生として本栖研修所(現ボートレーサー養成所)に入所し、1978年11月に蒲郡でデビュー。その後、44年の現役生活にピリオドを打つまで通算優勝回数71回、通算2500勝など数々の偉業を達成。
また、1999年の常滑G1を最後に重賞制覇はありませんが、2021年まで最年長のA1級を維持。れっきとしたトップレーサーの1人です。
艇界屈指のイン屋
鈴木幸夫といえば、枠番に関係なく前づけを敢行するイン屋。
直近のコース別進入率を確認しても、1コース・2コースの進入割合はほぼ100%。このデータが示す通り、3コースより外側を走る気は一切ない生粋のインレーサーです。
とはいえ、前づけに抵抗された分だけ進入は深くなるので、よっぽどのスタート巧者でないと連対することはできません。
そうした環境の中、鈴木幸夫の通算コース別成績は以下の通り。
コース | 出走数 | 1着率 | 3連対率 |
---|---|---|---|
1コース | 2987 | 34.8% | 65.8% |
2コース | 2276 | 14.8% | 48.2% |
3コース | 523 | 16.4% | 43.7% |
4コース | 103 | 5.8% | 32.0% |
5コース | 16 | 12.5% | 31.2% |
6コース | 15 | 6.6% | 33.3% |
1コースは65.8%、2コースは48.2%の3連対率。数値だけ見ると決して高くはありませんが、ほぼ前づけでこれだけの成績を残しているのは驚異的と言えるでしょう。
他にも多数のイン屋はいますが、その中でもトップクラスだったのは間違いなし。
イン屋については以下の記事で解説しているので、興味ある方はぜひご覧ください。
1983年に艇界のアイドル「田中弓子」と結婚
デビューから5年が過ぎた1983年、競艇界の百恵ちゃんこと「田中弓子」と結婚。夫人の出会いは、フライング休み中に常滑競艇で掃海艇のアルバイトをしていた時。
田中弓子とは、1980年に9年ぶりの女子選手としてデビュー。当時、女子選手誕生に業界内外で話題となり、活躍を見て女子選手の増加に繋がったとのこと。
1989年に引退しましたが、多大なる功績を称えて「ボートレース殿堂入り」を果たしています。
弓子さんは”艇界の宝”だったので、結婚する際は「笹川良一会長」も同席する記者会見が開かれたそうですw
鈴木幸夫は現SGクラシック覇者
- 1989年7月:徳山G1周年記念
- 1991年10月:蒲郡G1施設改善
- 1992年11月:第27回総理大臣杯(現SGクラシック)
- 1994年2月:常滑G1東海地区選手権
- 1994年3月:住之江G1周年記念
- 1995年7月:浜名湖G1周年記念
- 1997年11月:福岡G1周年記念
- 1999年7月:常滑G1周年記念
キャリアハイとなるタイトルは、1992年3月の総理大臣杯(現SGクラシック)。2コース(3号艇)から差しで自身初のSG制覇を成し遂げました。
余談ですが、この頃はまだ「モンキーターン」がなかった時代。どの選手も座ったままターンしています。
ただ、当時のモーターはとんでもないパワーがあったので、現代と比較すると迫力が桁違い。久々にみると”古き良き時代”を思い出しちゃいますね。
弟子は「宇佐見淳」の1人のみ
鈴木幸夫の一番弟子は、A級で活躍する「宇佐見淳」。
2001年にデビューして以降、同年9月に初勝利、2007年に初優勝を達成。ビッグタイトルの獲得はないものの、2020年に1000勝を達成した実力派レーサーです。
鈴木幸夫の引退を一番悲しんでいるのは、ひょっとしたら弟子の宇佐見選手かも。
引退に影響?21年3月の重大事故
2021年3月14日、桐生で開催された一般戦において、レース中の事故により大怪我を負った経験があります。
2周2マークのターンで振り込み、そこに後続艇が乗り上げてしまう危険な事故。直後に予定していた斡旋は全て削除され、一部のメディアでは”全治3ヵ月”という情報も。
鈴木幸夫選手が斡旋全消除。桐生の負傷はやはり重そうですね・・・。ベテラン選手の重傷は選手生命にも影響しかねない。
— NACHI (@nachi0048) March 18, 2021
現役2000番台の星であり、進入で常に魅せる鈴木選手がまた早く水面に戻ってこれますように・・・。 pic.twitter.com/uCazZigY5D
年齢的に「そのまま引退?」といった噂も囁かれていた中、同年6月に斡旋予定が更新。
しかし、復帰した後の成績は大きく下がっていき、6点台だった勝率は4点台に。また、A1級からB1級に降格し、今回の引退に至っています。
引退理由は公表されていませんが、復帰してから本来の実力を発揮できなくなったことが理由の一つのかも。
ファンからは「お疲れさまでした」
競艇を長くやってきた人間にとって、欠かすことのできない鈴木幸夫。その選手が引退するとあって、多くのファンから沢山のコメントが寄せられています。
ボートレーサーの鈴木幸夫選手が 引退されました!45年間 お疲れ様でした😊 ゆっくり身体休めてください😊😊
— Nina Sougyou (@yoshi2220804) February 9, 2023
競艇の鈴木幸夫引退ってマジ?😭
— まりね@🐴競馬🐴 (@saburinamarine) February 9, 2023
これは寂しい…
— しゃさい@ (@shasai2525) February 9, 2023
鈴木幸夫さん、選手生活お疲れ様でした。
ありがとうございました。
3日に引退したとの事。
— キースリンク (@BayerStadion) February 9, 2023
大怪我からの復帰後は精彩を欠いていたからね。A級でバリバリ活躍するのは厳しいという判断もあったのかな。
おつかれさまでした🍀#鈴木幸夫
イン屋はレースを荒らすスタイルである以上、好き嫌いがはっきり分かれる存在です。
その為、アンチ的な声が多いかと思いきや、SNSでは「お疲れさまでした」「寂しい」といった声で溢れています。おそらく、鈴木幸夫の憎めない人柄も関係しているでしょう。
今後、強引な前づけを見れないのは残念ですが、引退後は弓子さんとのスローライフを満喫してください。本当にお疲れ様です。