日本全国に点在する24箇所の競艇場は、大きく分けて関東、中部、近畿、中国、四国、九州と6つのブロックに分かれます。
今回はその6つのブロックの中でも、関東と並び5箇所の競艇場を要する九州ブロックから。5箇所の競艇場のうち、一角を担う福岡競艇についてわかりやすくまとめました。
福岡競艇場を一言で表現するなら「難水面」です。
しかし、世の中の競艇ファンの中で、福岡競艇場がなぜ難水面なのか?その詳細を説明できる人は僅かだと思います。
難水面と言われる理由を把握しておけば攻略の近道となるので、ぜひこの機会に有益な知識を蓄えておきましょう!
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福岡競艇場とは?
福岡競艇場は福岡県福岡市にあるボートレース場。博多湾からほど近い以下の位置に設けられています。
レース場の右上には博多湾を望むことができ、博多湾から伸びる那珂川と福岡競艇場は繋がっているのが分かります。つまり、福岡競艇場は那珂川の河口に位置しているということになるのです。
全国24か所の競艇場でも稀な設計
福岡競艇場の詳細な図面を確認してみましょう。
ご覧の通り、水面全体の8割は場内におさまっていますが、残り2割ほどの1マーク付近は河口の方に張り出しているのが見てとれます。
福岡競艇場はこの河口に張り出した設計がレースに大きく影響するので、この図面を記憶しておくと良いでしょう。
ボトル福岡の主な特徴
福岡競艇場は那珂川の河口付近に位置しており、特に1マークは川に張り出しています。その結果、競争水面はとても複雑になり、様々な特徴を生み出す結果となりました。
水質は海水と淡水混じりの汽水
先の通り、福岡競艇場の元々の水源は博多湾です。
その博多湾から派生した那珂川と繋がっているため、水質は海水と淡水が入り混じった汽水になります。汽水そのものはレースにさほど大きな影響を与えるものではありません。
しかし、注意すべきは汽水の塩分濃度です。博多湾は海。海には当然潮の満ち引きがあるので、満潮に近くなるにつれ、海水が流入してくることになります。
海水の割合が増えれば、塩分濃度が濃くなり浮力が得られることとなりますが、反対に干潮に近づくにつれて淡水の濃度が増す。常にこの動きを繰り返しているのです。
浮力はレースに大きく影響します。
競艇は水上で行われるレースのため、軽い方が有利に働くのは至極当然。
艇自体の重さは変わりませんが、選手の体重となれば話は別。浮力が大きければ体重の重たい選手にも勝機があり、逆に小さければ体重差が出やすくなります。
以上のことから、福岡競艇場のレースを予想する際には、潮の干満と選手の体重の2点に気を配る必要があることを覚えておきましょう。
海水によるうねりの存在
海水の流入は「水面のうねり」に影響します。
福岡競艇場は1マークが大きく河口側に張り出していることをお伝えしました。
当然、河口に近いほどうねりが大きくなるので、福岡競艇場は1マークにうねりの影響を受けやすいということになるのです。
競艇は1周目の1マークで1着が決まり、1周2マークで2着が決まることの多い競技。
先の理由から勝負の分かれ目となる1マーク側にうねりが生じやすいため、このこともまた福岡が難水面と言われる所以です。
予想する前に”うねりの有無”をチェックしておくことが重要。
うねりは潮の動きだけではない
福岡競艇において、うねりを生じている原因は潮の動きだけではありません。ここで今一度、上空からの地図を確認してみましょう。
福岡競艇場から見て右上には博多港があり、そこを往来する船の水路はちょうど河口付近を通ることに。
実はこの船が生ずる波も”うねりの発生源”となることがあります。
とはいえ、舟の往来によるうねりまで予想するのは難度高め。ただ、リアルタイムの実況を聞いたり、展示で走っているところを見ていればその変化に気づけることも。
また、水面が静水面に見えても発生しているケースはよくあるので、数レース見送って出目を確認するなど、万全の準備をして予想するように。
うねりが強い日は波乱必至。乗り慣れた地元選手を信頼するのもあり。
海がちかく強風が吹きやすい
どの競艇場にも少なからず風は吹きます。一般的にスタート時からみて追い風の場合はスロースタート有利。向かい風時にはダッシュスタートが有利と言われています。
スロースタートは勢いがつきにくいため、スタート遅れを生じると捲られやすいのが最大の理由です。
この風がよく吹くのもまた、福岡競艇場が難水面と言われる理由の一角を担っています。
先述の通り、福岡競艇場は河口付近に位置しています。これにより海風が吹きやすいというのが特徴です。
福岡競艇場のレースを予想する際は、直前情報で風向、風速の確認だけは必ず行いましょう。
予想攻略に役立つ出目ランキング・コース別勝率
福岡競艇場には水面の特徴の他、コース別成績にも大きな特徴がみられます。これらのデータは舟券購入時にとても参考になるので覚えておいてください。
直近1年間の出目ランキング
順位 | 出目 | 回数 | 平均配当 |
---|---|---|---|
1位 | 123 | 194回 | 952円 |
2位 | 132 | 178回 | 1,420円 |
3位 | 124 | 138回 | 1,376円 |
4位 | 134 | 114回 | 1,511円 |
5位 | 125 | 104回 | 2,199円 |
6位 | 142 | 86回 | 2,017円 |
7位 | 135 | 75回 | 1,972円 |
8位 | 143 | 65回 | 2,176円 |
9位 | 213 | 57回 | 3,307円 |
10位 | 126 | 56回 | 2,879円 |
11位 | 136 | 54回 | 2,653円 |
12位 | 145 | 53回 | 2,916円 |
13位 | 214 | 44回 | 4,336円 |
14位 | 152 | 42回 | 3,498円 |
15位 | 314 | 41回 | 3,624円 |
インが弱いと言われがちの福岡ですが、それでも1号艇の逃げを主体とした「123・132・124・134」の出目で全体の約25%を占めています。
凝り固まった先入観は予想を難しく要因のひとつ。番組によって予想が変わるとはいえ、上記出目が発生している事実はお忘れなく。
福岡競艇のイン逃げ率は?
難水面ゆえに”インが弱い”と言われる中、福岡競艇のイン勝率は57.2%(2024年11月現在)。
1年を通して全場の平均が約55%なので、実際のところまあまあ強いといっても過言ではありません。
もちろん、うねりなどの影響もあって難水面なのは確か。その時期に若干凹むことはあっても、通年で見れば信頼できるイン勝率を残しています。
「福岡=荒れやすい」といった情報は一旦忘れましょう。
気象条件やモーター機力、そして選手の力量などを見極めながら予想することをおすすめします。
2コース・3コースに大きな特徴
コース | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 57.2 | 15.5 | 10.7 | 5.7 | 5.9 | 4.8 |
2 | 13.1 | 27.7 | 20.7 | 16.5 | 13.2 | 8.5 |
3 | 15.0 | 24.7 | 17.6 | 15.8 | 15.3 | 11.3 |
4 | 8.1 | 15.8 | 24.1 | 19.5 | 17.6 | 14.6 |
5 | 4.3 | 12.2 | 17.8 | 22.3 | 24.0 | 19.1 |
6 | 0.6 | 5.7 | 12.9 | 18.8 | 27.3 | 34.5 |
福岡競艇場にはイン以外にもコース別成績に特徴がみられます。直近の福岡競艇場のコース別成績を確認してみましょう。
2,3コースの1着率に注目してください。2コースの1着率よりも3コースの方が高くなっています。
一般的に内側の方が有利と言われ、1着率および連対率は高くなる傾向。その常識を覆し、福岡競艇場は3コースの方が2コースより高いというデータも(季節による)。
仮にインが怪しいと予想し、2,3コースに同レベルの有力選手が揃っている場合、福岡であれば3コース優勢となるかもしれません。
いずれにせよ「2コース・3コースに優劣の差はない」と認識しておいた方が良いでしょう。
福岡を攻略するうえで重要なデータ。この知識に何度救われたことか…
出目予想に活かすコース別決まり手
福岡競艇場には水面やコース別成績の他、決まり手にも特徴があります。
以下のデータを確認しながら読み進めてください。
コース | 逃げ | 差し | 捲り | ま差 | 抜き | 恵ま |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 93.8 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 5.9 | 0.3 |
2 | 0.0 | 59.1 | 32.3 | 0.0 | 6.5 | 2.1 |
3 | 0.0 | 13.7 | 56.2 | 15.6 | 14.5 | 0.0 |
4 | 0.0 | 23.0 | 41.3 | 20.0 | 13.9 | 1.7 |
5 | 0.0 | 11.0 | 23.9 | 53.2 | 11.0 | 0.9 |
6 | 0.0 | 8.0 | 8.0 | 72.0 | 4.0 | 8.0 |
センター勢のまくり率が高い
福岡競艇場は全体的に捲り率の高さが顕著です。
上記の”捲り”を確認すると、3,4,5コースの捲り率が捲り差しよりも高く、特にセンター勢については捲り差しよりも倍以上の高さを弾き出しています。
これはセンター製が1,2コースよりも優勢と判断した場合、レース結果に大きく影響します。
捲り差しの場合、多くは自身より内側の艇を割って入るようにターンするため、先マイした艇が残しやすくなります。
対して捲りの場合、完全に内側の艇を飲み込んで先マイするため、自身より後ろの艇が絡みやすくなる傾向があります。
もちろん、捲られたとしても上手く差し残しが狙える選手や、捲った艇より外にいる艇の力量が足りずに、捲った艇についてこれないケースも。
しかし、レース展開としては、捲りの場合は内側にいる艇は残しにくく、外にいる艇の方が絡みやすいの競艇におけるセオリー。レース場に関係なく活用する知識のひとつです。
6コースは捲りにくい
センターを中心に捲り率が高い一方、6コースについては直近では捲りによる決着がありません。もちろん集計時期によりますが、このことは大きな特徴の一つです。
理由としては、6コースが捲りに行く前、前の艇が先行していく可能性が高いことが考えられます。また、レースを構築する番組の編成担当者の意向もあることでしょう。
6コースの場合は自身より枠番の遠い艇がいないため、いずれにしても自身より番号の少ない艇が後続することになります。
どの艇の間に捲り差すかを考えることがカギとなるでしょう。
2コースのまくり率は全国平均より高い
福岡競艇場の決まり手はセンターやアウトだけではなく、2コースにも特徴があります。
上記の「コース別決まり手」では、2コースの捲り率は32.3%・差しが59.1%。この数値を基準とし、近隣の大村競艇場と比較してみましょう。
コース | 逃げ | 差し | 捲り | ま差 | 抜き | 恵ま |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 96.2 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 3.8 | 0.1 |
2 | 0.0 | 66.7 | 20.6 | 0.0 | 9.6 | 3.1 |
3 | 0.0 | 14.9 | 23.1 | 47.8 | 11.0 | 3.1 |
4 | 0.0 | 16.7 | 48.3 | 24.6 | 8.3 | 2.1 |
5 | 0.0 | 3.1 | 17.5 | 59.8 | 14.4 | 5.2 |
6 | 0.0 | 13.3 | 20.0 | 56.7 | 3.3 | 6.7 |
捲りは20.6%、差しは66.7。大村と比較し、福岡の2コースまくり率がいかに高いのかお分かりいただけたはず。
2コースの差しは2-1や2-○-1など、インが残しやすく予想が立てやすい決まり手。
一方、直まくりはインが引き波にハマり残しにくくなるため、差しとまくりでは展開予想が全く変わってくるのです。
そのため、福岡で2コースが優勢と判断した際には、他の競艇場以上に気を配った方が良いかもしれません。
【福岡競艇場】まとめ
この記事では「福岡競艇場の特徴」についてまとめました。
福岡競艇場は汽水であり、常に塩分濃度が変化していることや、うねりが生じやすいすいめんであること、そして1マーク側が河口付近に張り出していることなど、水面に数々の特徴があって全国的にもかなり難水面です。
これらの難水面の特徴を理解しておけば、舟券の的中率アップに繋がるはずです!
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