ナイター発祥の地、群馬県の「桐生競艇場」についての特徴をまとめました。
競艇場は全国に24箇所ありますが、立地や環境の違いによって、競走水面に与える影響も大きく変わります。
コース別の有利不利、決まり手の傾向など、競艇場によって異なる特徴をしっかり把握しておくことが、舟券回収率のアップに役立つのは間違いありません。
この記事で紹介することを予想に活かし、桐生の完全攻略に繋げてください!
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桐生競艇場(ボートレース桐生)とは?
名称 | 桐生ボートレース場 |
住所 | 群馬県みどり市笠懸町阿左美2887 |
公式HP | 桐生競艇オフィシャル |
電話番号 | 0277-76-2411 |
営業時間 | 7:30~21:00 |
支部 | 群馬支部 |
桐生競艇場は、群馬県みどり市にあるボートレース場。開場は1956年11月。全国で最も遅くオープンした競艇場です。
開場時の所在地は群馬県新田郡でしたが、当初の主催(第一施行者)が桐生市だったことから、場名を桐生競艇場(現ボートレース桐生)とした経緯があります。
桐生市の事業撤退によって、現在はみどり市(2006年に合併、改称)の単独主催となっています。
桐生競艇場といえば、1997年にナイター競走をはじめて実施したレース場としても有名。
桐生競艇場は「沼ではなく池」
「桐生競艇場は阿左美沼という沼を使っている」と説明している情報サイトも目にしますが、実際はそうではありません。以下の図をご覧ください。
競走水面として使われているのは「阿左美東貯水池」。
阿左美東貯水池は、1939年に農業用のため池として造られた後、桐生競艇場の開設(1956年)に合わせて大規模な整備が行われたとされています。
便宜上、地元の人達には新沼と呼ばれていますが、正しくは「池」です。
自治体が公表している「ため池のハザードマップ」においても、管轄のみどり市、近隣の桐生市ともに、桐生競艇場の競走水面には「阿左美東貯水池」の呼称が使われています。
沼ではなく池なので、1年を通して水位変化はあまりありません。
桐生競艇攻略のコツと予想方法
詳細な特徴は後回しにして、まず「桐生競艇を攻略するコツ&予想法」から。
ただし、出場する選手や天候などによって展開は変わるので、あくまで一つの情報として捉えてください。
本命党は後半レースから参戦しろ
コース | 総合 | 18時以降 |
---|---|---|
1コース | 53.2% | 62.1% |
2コース | 13.2% | 9.8% |
3コース | 13.7% | 13.0% |
4コース | 11.8% | 9.1% |
5コース | 6.1% | 4.3% |
6コース | 2.0% | 1.3% |
上記データは、過去1年間のコース別勝率を「総合 or 18時以降」で比較したもの。
時間帯でなにが違うの?という方に説明しておきますが…
- 気温が低いとモーター性能は向上する
- 気温が高いとモーター性能は低下する
気温差によってモーター性能に変化します。その為、日中開催されるレースより、日没後に開催されるレースの方が”良い”状態のモーター”となるのです。
また、内側のコースは助走が短いので、出足の良いモーターであればあるほど有利に戦いを進められます。
ナイター開催の桐生ではその違いがより顕著。18時以降の勝率を見れば分かる通り、全体のイン逃げ勝率より10%ちかい高い成功率となっています。
要は、18時以降に勝負した方が当てやすいということ。
裏を返せば、穴党には日没前の気温が高いレースがおすすめ。
季節風が強いレースは要注意
予想を難しくさせる最大の難敵は、季節風の「赤城おろし」。主に寒い季節(秋冬)に赤城山から吹き下ろす風です。
問題なのは風の強弱が読みづらいこと。
どちらも同日に行われたレース。
1レース目は風速6mの追い風で荒れていたのが、最終レースには穏やかな気象に激変。決して珍しい現象ではなく、桐生では同様の日がめちゃくちゃあります。
当然、水面が荒れていれば出目も荒れるので、展示で少しでも異変を感じたら見送ることをおすすめします。
モーターの出足性能を重視
競艇で使用されるモーターは、気圧の変化で出力が変わります。簡単に説明すると、気圧が高いと性能をフルに発揮でき、低いと出力は低下。
桐生競艇は「全国で最も標高が高い場所」に設置されたボートレース場です。
他の競艇場より高地にあるので、特に”出足性能”は出しきれていない状態。したがって、加速までに十分な助走を取れず、スタートが揃ってもまくられる可能性は高くなります。
そこで注目したいのが、展示におけるモーターの調整具合。
展示後に公開されるタイムも重要なデータですが、それよりもターンした後の加速。その点を重視してチェックしましょう。
1年間の出目データと平均配当
出目 | 出現率 | 平均配当 |
---|---|---|
123 | 6.8% | 1,193円 |
132 | 5.4% | 1,459円 |
124 | 5.0% | 1,611円 |
125 | 4.1% | 1,977円 |
134 | 3.8% | 1,660円 |
135 | 3.7% | 1,915円 |
126 | 3.1% | 3,493円 |
142 | 2.9% | 2,191円 |
143 | 2.7% | 2,201円 |
136 | 2.6% | 2,570円 |
インがあまり強くないとはいえ、過去1年間の1着艇は全てインコース。
ただ、注視すべき点が1つだけ。大村や徳山と違って、5コースおよび6コースの活躍が目立ちます。3着ではあるものの、4つの出目がランクインしているので、いつもより広く抑えた方が良いかも。
それと、様々な要因によって桐生の2コースは弱め。
- 2-1-3:2.1%(11位)
- 2-1-4:1.6%(15位)
- 2-1-5:1.2%(21位)
- 2-1-6:0.9%(29位)
他場より3コースの勝率が高く推移しているため、実力が僅差ならコース利はさほど気にする必要はないでしょう。
桐生競艇場の主な特徴
桐生競艇場の水面特性について。特有の立地ゆえに競走水面にはクセがあるので、その特徴ぐらいは把握しておくように。
- 乗りにくい硬めの淡水
- インコース勝率は全国平均以下
- 18時以降のレースはイン勝率が上昇
- 安定板使用率が高い
- 進入が崩れやすいコースレイアウト
水質は乗りにくい「硬い淡水」
桐生競艇場の水質は「硬めの淡水」。
「艇が深く水面に食いつくか、艇が大きく跳ねてどこかへ飛んでいくか、くらいのイメージ」と話す選手もいるほど、操縦難度が高い水質のようです。
実際、水面が穏やかなレースでも、艇が大きくバウンドしたり、挙動を乱してフェンス近くまで流れていく光景をよく目にします。
そして、塩分を含まない淡水のため、体重が重い選手には不利。平均より重たい選手(男子52kg・女子47kg)に関しては、評価を多少落とした方が良いかもしれません。
全国一の標高につき、イン逃げの難度が高い
桐生競艇場は、全24場で最も高地(標高が高い場所)にあります。
高地ほど気圧が低くなることで、出足(起こし)に影響すると言われています。よって、助走の短いスロー勢(特に1コース)にとっては不利な戦いが強いられるでしょう。
18時以降はインが強くなる傾向
コース | 総合 | 18時以降 |
---|---|---|
1コース | 53.2% | 62.1% |
2コース | 13.2% | 9.8% |
3コース | 13.7% | 13.0% |
4コース | 11.8% | 9.1% |
5コース | 6.1% | 4.3% |
6コース | 2.0% | 1.3% |
上記表は、1年間のコース別勝率を「総合 or 18時以降」で比較した数値。
ご覧の通り、総合成績では53.2%しかないイン勝率が、18時以降だけに絞ると「62.1%」に上昇。この数値だけ見ると、全国平均でもトップ層に位置付けされる高さです。
時間帯によって勝率が変動するのは「気温差による影響」。
モーター性能は気温が低いと高くなる特性があるので、遅い時間帯ほどインコースが逃げやすくなっていると思われます。
冬から春にかけて安定板使用のレースが多い
季節風の影響などによって、冬~春のシーズンは水面の波高が大きくなりやすい傾向。当然、艇の操縦が難しくなり、事故防止のために安定板使用のレースは増加します。
安定板の使用頻度の平均は年に10日程度。そんな中、桐生競艇は平均をはるかに超える使用率です。
直近5ヵ月間で14節(78日開催)で安定板が使用されたのは30日(38.5%)。さらに、14節すべてにおいて、1レース以上で安定板が使用されました。
では、安定板を使用するとどのような影響があるのか?
- する面積が増えて転覆防止に繋がる
- 抵抗が増えてモーターの伸び足が落ちる
メリット・デメリットどちらの側面もありますが、ただでさえ荒れることの多い水面。「内側有利」のセオリーは他場より弱まると思って良いでしょう。
進入隊形が乱れやすいコースレイアウト
第2ターンマークまでの距離は165m。唐津(178m)、下関(173m)に次ぐ全国3番目の長さです。
この距離が長いことで、ピット離れで後手を踏んでしまうと命取りに。また、イン屋たちも前づけしやすい環境が整っているため、枠番通りにならないレースが多くなります。
直近3ヵ月の「枠番別コース取得率」を見れば一目瞭然。
このデータからも、進入隊形が乱れることは想定した予想が必要。
スタート展示で動きがないか?前づけを敢行するイン屋がいないか?など、桐生では念入りにチェックすることが求められます。
桐生競艇場で注意したい風(赤城おろし)
桐生競艇場は、全24場で最も標高が高い場所にあり、風の影響も受けやすい環境。
桐生競艇場から北西の位置にある、赤城山から吹き下ろす「赤城おろし」は予想に欠かせない要素の1つ。
「赤城おろし」は冬の季節風
赤城おろしとは、群馬県の中央にある赤城山から南に向かって強く吹き下ろす「冬の季節風」。
北西から南東へ吹き抜ける季節風となるので、桐生競艇場の方面に向かって強い追い風となります。
桐生競艇場の風の傾向は、赤城おろしが吹く冬から春にかけての時期と、赤城おろしの影響を受けない夏から秋の時期に大きく分けられます。
【冬~春】赤城おろしの強さでコース利が変わる
10月下旬頃から北西の風が強くなる傾向。そして、気温の低下にあわせて赤城おろしも威力を増していき、4月頃まで強い風の影響は続いきます。
1~2m程度の弱い追い風であれば、イン有利となるでしょう。しかし、3m以上ともなるとイン勝率は低下し、3、4コースが捲り差しで突き抜ける確率が上がります。
3,4コースのカドが攻める以上、5コースにも展開が向きやすくなり、6コースの入着も可能性が出てきます。
【夏~秋】梅雨明けすれば、風は穏やかに
5月頃から赤城おろしが徐々に弱まり、GW開催が終わったあたりから気温上昇。南東からの風と入り乱れる日が多くなります。
注意したいのは「春から夏への変わり目」。
風向、風速ともに一定しないレースが増え、1日の中でもこまめなチェックが欠かせません。
梅雨明けから秋にかけては、南東からの向かい風基調へと変化。ただ、風速はおおむね穏やかで、イン逃げに不利な条件は少なく、1~4コースまでほぼ互角の条件で戦える環境となるでしょう。
舟券予想に欠かせないコース別勝率
昨年度のデータをもとに各コース、季節ごとに見ていきます。
春夏のイン勝率は落ち込む
1着率 | 2着率 | 3着率 | ||
---|---|---|---|---|
1コース | 春 | 50.6 | 17.1 | 13.4 |
夏 | 51.8 | 17.1 | 10.5 | |
秋 | 56.7 | 18.7 | 6.3 | |
冬 | 56.6 | 14.8 | 11.7 |
1コースのイン逃げ率は、春夏と秋冬で二極化する結果に。赤城おろしの影響が弱まる時期から、数字を挽回していることがよく分かります。
このデータからも”暑い時期のインコース”は信頼度を下げるのがベター。
1年を通して「鬼門」の2コース
1着率 | 2着率 | 3着率 | ||
---|---|---|---|---|
2コース | 春 | 14.2 | 25.4 | 16.5 |
夏 | 12.2 | 25.8 | 19.0 | |
秋 | 10.4 | 24.4 | 16.6 | |
冬 | 11.8 | 26.9 | 20.7 |
特筆すべき特徴といえるのが「2コースの苦戦ぶり」です。
年間の1着率12%は、全国ワースト3位の低さ。また、どの季節も1着率が15%に満たないうえ、1コースの1着率が上がる秋には10%台にまで数字が落ちています。
1周1マークで差しても届かず、外から攻めても3コースから被せられる。という決め手の乏しさが露呈したデータと言えるでしょう。
3、4コースの外攻めが結果に表れやすい
1着率 | 2着率 | 3着率 | ||
---|---|---|---|---|
3コース | 春 | 12.3 | 19.3 | 23.0 |
夏 | 10.7 | 23.5 | 18.1 | |
秋 | 13.3 | 22.5 | 21.0 | |
冬 | 12.8 | 23.3 | 18.8 | |
4コース | 春 | 12.8 | 17.9 | 16.5 |
夏 | 15.7 | 15.7 | 19.0 | |
秋 | 13.2 | 17.8 | 24.1 | |
冬 | 11.4 | 17.4 | 20.1 |
桐生競艇場でイン逃げに不安を感じた場合、台頭するのは3,4コース。
秋~冬において、3コースは2コースの1着率を上回っており、2連対率もまずまずの数字を残しています。
実は、環境が似ている「びわこ競艇場」と同様の傾向が見られます。内の2艇を見ながら外を回って、捲り、あるいは捲り差しの両構えができる展開の利が、勝率アップに影響しているようです。
その3コース上回っているのが4コース。
年間を通じて大きな凹みがなく、全国トップクラスの高水準となっています。特に、風の影響が弱まった夏場の水面では、カド捲りが決まりやすくなるデータも。
桐生競艇場のコース別決まり手
出足が弱くなる高地、硬い水質、赤城おろしによる強い追い風など、一筋縄にはいかない桐生競艇場。各コースの決まり手にどんな特徴があるのか?
2コースは7割ちかくが差し
2コースの勝ちパターンは、イン逃げが流れた内側を突く「差し」です。
しかし、前項目で書いた通り、2コースは1着率そのものが高くありません。2コースの小回りが難しい桐生競艇においては、多少展開の助けも必要となってきます。
3,4コースはまくり・まくり差し優勢
3コースは「まくり・まくり差し」がほぼ横並びといった感じ。
水面の特性上、ターンスピードが相対的に遅め。前を行く艇の動きを見る時間も少し長く取れるため、攻め手の判断にも余裕が生まれやすいと考えられます。
カド位置となる4コースにも当てはまり、スリット通過で先手を取ることができれば1着の目が大きくなるでしょう。
荒れ水面限定で5,6コースの出番
基本的に5,6コースの出番は少なく、抜け出しは1周1マークで複数の艇がもつれ、スペースができた場合の他力本願となります。
桐生の荒れた水面は、直線の攻防や2マークの旋回にも影響を及ぼすことがあります。
その為、まくりやまくり差しだけでなく、道中の逆転となる「抜き」についても、決まり手の比較においては少なくないというデータが出ています。
【桐生競艇場】まとめ
今回は関東地区の「桐生競艇場」についてまとめました。競艇場の特徴やレース傾向を要約すると、以下の通りになります。
- 水質は硬い淡水
- 最も高地にある競艇場
- 照明点灯前はダッシュ勢の強みが増える
- 枠なり進入が崩れやすく、展示と本番で変わる場合も
- 「赤城おろし」は晩秋~春先にかけて吹き下ろす
- イン逃げは春先が最も苦戦。梅雨明けで回復傾向に
- 差しが利かない2コースより3,4コースの外攻め
スタート展示から深い推理が必要なコースレイアウト。
高い標高、硬い水質など、機力だけでは優劣をつけられない要素が多く含まれます。また、赤城おろしが吹き荒れ、複雑な環境下でレースが行われてる季節も。
予想にあたっては、レースごとに変わる気象条件を把握し、柔軟な展開の読みが求められる難解な競艇場といえるでしょう。
回収率100%を目指すには「舟券を買うべきレースの取捨」が重要。
水面をよく知る地元選手、桐生の当地勝率が良い選手など、信頼できる軸選びを慎重に行ってください。
通常、夕方前から夜9時前まで開催されるナイターは、レースごとに変わりやすいコンディションの把握が欠かせません。
機会があれば、現地で冬の冷たい赤城おろしを肌で感じてみるなど、上州特有の気象条件を選手と同じ目線で知っていくことも、舟券的中への道が開くための経験値となるはずです。
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