競艇のレース観戦をしているとよく耳にする「キャビる」という用語。
主にターンのトラブル時に使われる用語ですが、しっかりと理解している人は意外と少ないです。ちなみに、競艇歴20年の私も、この記事を書くまで8割程度の知識でしたw
そこで今回は「キャビる」という専門用語について、その言葉が持つ意味や、キャビった時の現象を深掘りします。
キャビったレース映像も紹介するので、読み終わる頃には100%理解しているはず!
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競艇の「キャビる」という用語の意味
キャビるとは「キャビテーション」の略称。水中に含まれる空気(気泡)によってプロペラが空転し、本来の性能を発揮できない現象のこと。「空洞現象」と呼ばれることもあります。
ウィキペディアに記載されている説明はこんな感じ。
キャビテーション(英: cavitation)は、液体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象である。
出典:ウィキペディア
「なんか難しそうだしもういいや…」となっちゃいそうなので、ここからは私の言葉で分かりやすく解説していきます。
プロペラが空回転すると推進力が低下
ボートが前に進むのは、プロペラが水中で回転し、水圧との摩擦によって推進力が生まれるから。では、以下のような場合はどんな現象が起こるでしょうか?
- 陸のうえでプロペラを回転させたら?
- プールではなく空中で平泳ぎをしたら?
陸上でプロペラを回しても空回転するだけで前には進みませんし、空中で平泳ぎしても腕が疲れるだけですよね。
実は、これこそ「キャビると似た現象」といえます。
プロペラは水を掻き込んで推進力を高めていくもの。したがって、水中に含まれる空気量が多いほど力が伝わりにくくなり、空回転してしまう”キャビテーション”が起こりやすくなるのです。
キャビテーションの主な原因は引き波
まず、キャビる原因として最も多いのが「引き波」。
引き波とは、ボートが通過した後にできる波のことで、プロペラが空回転を起こす主な要因となります。
上記画像をご覧の通り、ボートが通過した後には引き波が発生し、空気を多く含んだ白い波がプロペラの回転に悪影響を及ぼします。
白く濁っているのは気泡の集まり。当然、プロペラを回しても本来の推進力は生まれず、キャビテーションによって不利な状況へと追い込まれます。
余談ですが、インコース(1コース)が圧倒的に有利と言われる理由がまさにこれ。
唯一、1マークで引き波の影響を受けず旋回が可能。また、アウトコースになるほど不利なのは、キャビる原因となる引き波をいくつも超えるためです。
悪天候で水面が荒れた状態でも起こる
強風が吹き荒れたり、大雨が降っている時など、水面が荒れているレースもキャビテーションが起こる可能性は高くなります。
静水面であればプロペラは本来の性能を発揮しますが、荒れた水面だとボートが暴れます。すると、水中にあるはずのプロペラが空中に浮いてしまい、空回転となってしまう現象が起こるのです。
水面が荒れている日に万舟がよく出るのはこれらが影響しています。
荒れやすいことで有名な競艇場
上記に紹介した競艇場は、天候に関係なく常に荒れている印象。
もちろん、全ての日で荒れるとは限りませんが、年間を通して万舟発生率は高く、イン逃げ成功率はかなり低めを推移しています。
もう一つ特徴的なのは、1周2マーク以降の「抜き」が発生しやすいこと。キャビってしまうと道中で減速してしまい、競ってもいない状況で逆転されるケースもはよくあります。
本命党ならこうした競艇場は避けるのがベター。逆に穴党なら、率先して狙うと高配当をゲットできるチャンスが増えるかもしれません。
※万舟狙いをするならぜひ参考にしてください。
モーターや旋回力が与える影響
レース中に100%キャビらず走行することは不可能です。なぜなら、2周目以降は必ず引き波が発生しており、少なからず水面に残っているので。
ただし、その影響を最小限に留めることができます。その方法とは…
- キャビりにくい高性能モーター
- 引き波をもろともしない旋回力
ボートに載せるエンジン(モーター)の性能は全て異なり、節間の成績に大きく影響します。
仮に勝率上位のモーターだった場合、全艇が同じ引き波に乗ったとしても「引き波を超えるパワー」が発揮されるケースが多々あります。
高性能モーターというのは、減速してからの加速や伸びが半端じゃありません。その為、実力下位者がエースモーターを引き当てた時などは注意が必要です。
そしてもう一つが、ボートを巧みに操る旋回力。
完走するだけでいっぱいいっぱいのレーサーだと、引き波だろうが関係なく突っ込んでいきます。一方、SG常連のレーサーは視野角が広く、状況判断能力に長けています。
「どこを走れば影響を受けにくく、有利なレース展開になるのか?」瞬時に判断することができ、その思考を実行に移す旋回力が備わっています。
他にも「回転数の調整・ペラの形状」なども影響してきますが、モーター性能および実力が関係すると覚えておけば問題ないでしょう。
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キャビっている実際のレース動画
実際にレース映像を見るのが一番だと思うので、キャビる瞬間を捉えたYoutube動画をいくつか紹介させていただきます。
まくり屋「菅章哉」がキャビって急減速
2022年SGオールスターに選出された人気レーサーの「菅章哉」。
一撃まくりを狙ったチルト角度にセッティングし、自らアウトコース(ダッシュ)を選択することもあるまくり屋。
そんな菅章哉選手が「お手本のようなキャビテーション」を披露しましたw
レースが行われたのは2021年9月17日の鳴門周年。
スタートで若干凹んでしまい、頑張って3着といった展開。少しでも上の着を狙うために、2マークで内側の艇が先マイしたところを差しに構えます。
しかし、先マイした艇の引き波によりキャビって急減速。一瞬、エンストでもしたのか?と感じるほど進まなくなり、ターンマークに激突。その結果、6着で終えることに。
全速ターンで引き波に乗っても影響は少ないですが、減速した状態だとプロペラの空回転はより大きくなる。そう感じさせるレース映像ではないでしょうか?
菅章哉のツケマイが峰竜太をキャビらせる
情けないシーンだけだと菅章哉選手に申し訳ないので、艇界のスーパースター「峰竜太」に競り勝ったレースを紹介しておきます。競艇ファンなら間違いなく興奮するレースです!
2021年9月19日に鳴門で開催されたG1周年記念。
6号艇の峰竜太が2コースに前づけし、4号艇の菅章哉が大外6コースに。並びは「162354」とファンが期待する進入隊形でスタートします。
1マークはスタートを決めた峰が直まくりで余裕の1着と思いきや、大外から全速でまくってきた菅のツケマイが炸裂!
並みの選手なら完全に沈んでいるところですが、対峙しているのはNo.1の峰。
2マークを完璧なターンで差を詰め、ホーム側の直線で横並びとなります。この時点で不利な状況だと察した菅は、艇間を外側に大きく離して一発を狙う位置へ。
そして、劇的な結末を迎えたのです。
2周1マークで競艇史に残る「ツケマイ」が降臨!
一般戦などならまだしも、ツケマイによる引き波でキャビらせた相手は、百戦錬磨の峰竜太。この凄さを理解できるファンなら、葬式中であっても声が出るほどの衝撃的なシーンだと思います。
おそらく、もう一度同じことを再現するのは無理でしょう。そう断言できるぐらい”最高で最強のツケマイ”でした。
※ツケマイについては以下を見ればマスターできます。
ほぼ”出来た”状態からキャビって失速
競艇ファンなら一度は経験したことがある、ほぼ出来上がった状態から着順が変わる展開。
滅多に怒らない私でも「ふざけんな!コノヤロー」と叫んでしまうレースは稀にあります。上記動画はまさにそれw
動画投稿者が購入していた舟券は「2-13-134」。その買い目通りの展開となり、1周目をまわったところで「2-3-4」で出来上がった状態。
さすがに大丈夫だろう、と思った瞬間、2周1マークで3着につけていた4号艇が引き波に沈みます。さらに、後続していた1号艇も失速してしまった結果、まさかの2-3-6で決着。
このレースで注目してほしいは、キャビテーションを起こした4号艇の動き。
2周1マークで3号艇を回してから差せば良かったのに、敢えて自ら沈みに行ってるような?3号艇が作った引き波をそのまま走ったら、そりぁそうなるよね…といった感想。
これはさすがに酷い(笑)発狂しても良いレベルですね。
競艇の「キャビる」に関するよくある質問
ネット上で「競艇 キャビる」と検索した際、掲示板などで質問されていたものに回答します。紹介する質問以外に不明なことがあれば、コメント欄から気軽に相談ください。
- キャビるとはどういう意味?
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競艇においての「キャビる」とは、引き波に乗ってプロペラが空転するという意味。また、キャビるは「キャビテーションする」の略称です。
- 「キャビる」と「ブルが入る」は同じ意味?
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ブルとは、異常なプロペラ回転を指す用語。「キャビる or ブルが入る」は似た現象ですが、言葉の意味は全く異なります。
エンジンが正常に燃焼できず加速ができない時に「ブルが入る」と言うことがあります。ただ、ブルという言葉自体、現代のボートレースではあまり使われません。
勉強不足で申し訳ありませんが、ブルについてはあまり知らないのが正直なところ。なので、ネット上で解説している詳しい方の意見をそのまま載せておきます。
「ブルが入る」というのはキャブレーターを使っているボートレースだからこそ起こりやすい現象。
車の電子制御であるインジェクター(電子噴射装置)とは違い、霧吹きの要領で空気と燃料を混ぜてエンジンに吸い込ませている。水上で走らせるものであり、湿度・水飛沫・水分が多く含まれた空気を吸い込ませてしまうことでエンジンが正常燃焼できず、正常な加速ができないこと。
出典:Yahoo!知恵袋 - キャビるとどのような現象が起こるの?
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プロペラが空転すると推進力が低下し、ターン中に減速したり、ターンからの起こしで加速に時間が掛かります。
身近なもので例えると、車で雪道走行した際、タイヤがホイールスピン(空転)した現象とほぼ同じ。空転するといくらアクセルを踏んでも進んではくれず、地面とタイヤが噛み合うまで加速しません。
キャビるのも同様に、空転している間は前に進まず空回転している状態。そうしている間に他の艇から追い抜かれていきます。
- キャビることを予想することは?
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キャビる展開を予測するのはほぼ不可能です。
旋回技術の低い選手ほど引き波に嵌りやすい傾向にありますが、選手のクセや特徴といったものではありません。
その為、レース毎に展開を予想するのは困難であり、キャビることを舟券に取り入れるのは難しいでしょう。
そのことを理解したうえで「1周1マークでキャビらない選手」を予想することならある程度できます。
- インコース(凹まないことが条件)
- スタート巧者の3コースカド受け
- スタート巧者4カド
インコースの選手が引き波の影響を受けないのは当然ですね。
その他はスタート巧者に限定されますが、3コースの場合は内側2艇をまくることができ、引き波に乗ることなく1着を狙えます。4カドも同じ理由で、大外をまくってキャビらずに旋回することが可能です。
- キャビることでどんなリスクがある?
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- 後続艇に追い抜かれる
- 減速しているところに追突される
考えられるリスクは上記2つ。
「キャビる=減速」となるため、後ろにいる選手から追い抜かれる可能性が高くなります。
それよりもリスクとなるのは、急減速することによって後続の艇が避けきれず、追突して転覆事故に繋がってしまうこと。
頭や体にボートが激突すると命の危険性もあるので、キャビった選手はボートの中に身を隠すことが多いです。
これまでも多数の死者を出している競技でもあり、養成所では「勝つことより命を優先しろ」と教えているのかもしれませんね。あくまで個人的な予想ですけど…
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まとめ
「キャビる」という競艇用語。レース観戦をしていると意外と耳にするので、知っておくだけで楽しみが増えるかもしれません。
最後に、キャビるにかけて「貴浩西山のキャビらない話」という連載を「西山貴浩」選手が行っています。東スポWEB・東スポレースチャンネル(Youtube)で無料配信してるので、興味ある方はぜひ!
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