競艇のレースで違反を犯した選手にはペナルティが科せられます。ただ、中にはあまり聞き慣れない処分もあり、今回紹介する「賞典除外」もその1つ。
ボートレース関連の情報を見ていると、たまに見かける賞典除外の文字。
選手にとっては賞金にも影響する重たい罰であり、舟券予想にも少なからず影響を与える要素に。知っておいて損はないので、知識が乏しい方はぜひ最後までお付き合いください。
競艇の違反行為については以下の記事も参考になります。
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競艇の賞典除外とは?
まずは「賞典除外」という用語の意味から。
何となくキツイ処分であることは理解できると思いますが、選手は何から除外されてしまうのか。「そもそも賞典って何?」という疑問を紐解いていきましょう。
賞典レース(準優・優勝戦など)に出場できない
賞典除外の処分内容は「賞典レース出場資格のはく奪」。
原則として処分を受けた翌日以降は、最終日まで賞金が最も低いレースしか出場できません。
賞典除外になると予選得点が無効となるため、準優そして優出への道が絶たれます。仮に準優進出ボーダー以上の得点率だったとしても、賞典除外となればすべてが水の泡になってしまうのです。
出走できない「賞典レース」は?
賞典除外となった選手が走れるのは「予選と一般戦」のみ。つまり、それ以外が「賞典レース」と呼ばれる競走です。
優勝戦、準優勝戦、選抜戦、ドリーム戦。これらはすべて賞典レース。同じ一般でも「一般特賞」は賞金が多く貰えるので、賞典除外のレーサーは出場できません。
賞典除外と帰郷の違いは?
賞典除外は「その開催を通して」選手に与えられるペナルティ。この類の処分では参加解除となる「帰郷」に次ぐ重さとなります。
賞典除外と帰郷の違いは、処分された後も引き続きレースへの参加が認められること。
しかし、前項の通り出走できるレースは限定され、予選得点や順位は対象外に。開催が終わるまでは”いない者”として扱われ、肩身の狭い思いで走らなければなりません。
途中帰郷(即日・即刻)については以下をご覧ください。
他の公営競技にも賞典除外はある
競艇以外にもオートレースで採用されています。
オートレースで賞典除外となる対象はフライング。競艇と同じく勝ち上がりの権利を失い、最終日まで賞典レースへの出場ができなくなります。
競輪については、失格など重大な違反はすべて帰郷処分。よって、賞典除外が適用されるルールはありません。
賞典除外の対象となる主な違反
優勝への道が閉ざされる賞典除外。基本的な宣告の流れは、レース中の違反で失格などの判定を受けた後「この開催は賞典除外です」と二段階で宣告されます。
では、選手が賞典除外を言い渡されるのはどんな違反を犯した時なのか?
選手責任のスタート事故(フライング等)
舟券が返還となって売上にも影響するスタート事故(フライング・出遅れ)は、賞典除外となる最も多い違反。1回でも犯すと処分の対象です。
選手責任のスタート事故は1回目が賞典除外。もし、節間で2回やってしまった場合は「即日帰郷」となり、翌日以降すべてのレースに出場できなくなります。
妨害失格(不良航法)
妨害失格とは、ダンプなどレース中の強引な旋回によって、他の艇を転覆あるいは落水させる違反。
自らの過失で他艇を失格させてしまう危険行為とみなされ、妨害失格も1回で賞典除外です。
また、スタート事故と同じく、節間2回目で帰郷の対象に。意図的で悪質な妨害と判断された場合には、一発で即日帰郷させられるケースもたまにあります。
節間2回の待機行動違反
待機行動違反は、ピットアウトからスタートまでの待機行動中、ルールに反した動きやコース取りがあった場合に取られます。
1度目の違反は予選得点から7点減点。これを節間で2回やってしまうと賞典除外ですが、悪質な違反については1回で賞典除外となるケースもあります。
レースに与える影響が大きいため、レース後のペナルティは重く設定されています。
節間2回の不良航法
レース中、競技規程に反する航走を行った選手は、他の艇が転覆、落水しなくても不良航法の反則が適用されます。
1回目の処分は予選得点から10点減点、節間2回目で賞典除外(1つのレースで2回の不良航法も含む)。ただし、1回でもその程度が悪質な選手は一発で賞典除外になることも。
1度でも不良航法を犯すと予選通過はほぼ絶望的。そして、同じミスを繰り返すわけにはいかないため、最終日まで慎重に走らざるを得ません。
賞典除外には特殊な理由もある
賞典除外に該当する理由はさまざまですが、初心者には分かりにくい事例もいくつか存在します。
翌日になってスポーツ紙の報道などで知ることもあり、「なぜ賞典除外になった?」と驚かされることも少なくありません。
非常に稀ですが、違反を犯していないのに自ら賞典除外となるケースも。そこには選手自身の戦略的な事情が隠されています。
準優勝戦での待機行動違反、不良航法は即賞典除外
待機行動違反と不良航法は失格の対象外。
処分はレース確定後に行われるため、着順に影響がある違反だったとしても結果はそのまま維持されます。 しかし、このルールでは「準優で違反を犯した選手がやり得」になってしまうことに。
そこで不公平が生まれないよう、待機行動違反と不良航法は「準優勝戦に限り一発で賞典除外」というルールが適用。
違反をした選手が優勝戦進出圏内でゴールしたとしても、翌日の優勝戦に乗ることはできません。
優先艇保護違反も賞典除外の対象
「優先艇保護違反」は、即失格とならないレース中の違反です。
転覆などの事故で救助艇がいる際、追い越し禁止となる前の航走位置によって優先艇(上の順位となる艇)が決まります。
そうした状況において、ルールを破って優先艇ではない選手が前に出てしまった場合に違反が適用され、賞典除外となります。
この違反による賞典除外はSGのレースでも起きています。
2021年の芦屋オーシャンカップ4日目第3レース。1周1マークで毒島誠が転覆し、規程により2周目のホームストレッチ以降は追い越し禁止。
ホーム通過時点では内側にいる中島孝平に3番手の優先権があり、外側にいた松井繁は1マークで前を譲らなければいけません。
しかし、1マークを先に回ったのは松井。そのままゴールして「1-5-2」で確定となってしまいます。
当然、松井繁は優先艇保護違反を取られて賞典除外。本来は競技規程を破る重大な違反ですが、着順が変更されない点を問題視するファンは沢山いるようです。
先輩後輩の関係だと、明らかに譲っている光景をたまに見かけます。それで外れたら発狂ものw
選手が自ら賞典除外を申し出る「出走調整」
自ら申し出るパターンとして「出走調整」という競艇ならではのルールがあります。
開催期間中、選手は通常1日1回、もしくは2回出走します。その割り振りは施行者によって決められますが、選手が「今日の出走は1回にしてほしい」と自ら希望することも可能。
これが出走調整と呼ばれるものですが、他選手との公平性が失われるため当該選手は賞典除外として扱われます。
なぜわざわざ自分から賞典除外を受けてしまうのか?
1回乗りを希望するのは、予選落ちが決定あるいは濃厚となった選手が大半。非力なモーターで無理に走って勝率を下げないための判断です。
予選成績が悪ければ終盤は一般戦回りなので、賞典除外となっても特に影響はありません。
賞典除外で選手が受けるデメリット
賞典除外は「出てもいいけど大人しく走っておけ」と言われているようなもの。
厳しい状況で最終日まで過ごさねばならない賞典除外の選手。レースに影響するデメリットにはどんなことがあるのか解説します。
権利喪失によるモチベーション低下
前述の通り、賞典除外となった選手の予選成績は無効となり、準優進出の権利が失われます。選手自身の勝率は反映されますが、翌日以降のレースは参加するだけ。
好モーターだったり、準優進出のボーダー前後に位置していた場合、賞典除外は大きな痛手に。翌日以降のモチベーションは失墜しまうでしょう。
やる気のない選手が番組表にいたら、あなたならどのように評価しますか?
賞金の上積みが難しくなる
通常開催において、最も賞金設定の低いレースは「予選」と「一般」。賞典除外の選手が出られるのはこの2つのみです。
実力上位の選手は、予選でもドリーム戦や記者選抜戦など、賞金をより稼げるレースが組まれます。また、予選で得点率上位に食い込めば、優出を逃しても選抜戦で賞金の上積みが可能。
賞典除外になるとそれらの権利が失われるので、稼げないレースしか出場できません。
選手が最も手にしたいのは賞金。それなしで本来の実力を出しきる選手は皆無でしょう。
積極的な攻めのレースが難しくなる
賞典除外となった選手の立場はギリギリレース場にいられる状態。これ以上違反を重ねれば帰郷処分はもちろん、次回以降の斡旋にも影響が出かねません。
そうなると、スタートから踏み込みが甘くなり、レースでの立ち回りも無事故完走モード。予選突破を意識した選手たちの中に割って入るのは困難と考えるのが自然です。
フライングによる賞典除外は外枠に割り振られる
2022年大村SGグランプリにて、トライアル2ndの1走目で「丸野一樹・山口剛」がフライングで賞典除外。
規定により、2走目と3走目は枠番抽選に参加することなく、自動的に6号艇が割り振られました。最終日の順位決定戦は、丸野が5号艇、山口が6号艇で出走しています。
山口剛はインコースかつ優勝候補の1人。丸野のFも重なり、売上の95%以上が返還されました。
賞典除外になった選手の予想方法
賞典除外となってしまうと、最終日まで好成績は期待できないでしょう。ただ、選手本人の能力や対戦相手によっては、評価の基準を変える必要があります。
はたして賞典除外レーサーを予想すれば良いのか?いくつかの例を挙げて解説していきます。
G2以上の開催では切るのがセオリー
高グレードの開催で賞典除外は致命的。ペナルティを負っている身として「これ以上レースを壊すことはできない」という心理状態になるはず。
A1級を相手に攻撃的な走りができないのは大きすぎるハンデです。
G2以上のグレードでは相手もチャンスを与えてくれないので、バッサリ切って他の5艇から舟券の買い目を組み立てていく予想スタイルがおすすめ。
開催終盤の負け戦なら勝機あり
相手次第で舟券圏内の可能性は高くなります。その1つが開催終盤に組まれる負け戦。
予選落ちした選手同士の対戦となるため、モチベーションの差はどっこいどっこい。相手次第では連絡みの期待値が高くなるでしょう。
全てとは言いませんが、そういったレースで狙うべきは特大万舟。波乱が起きやすい傾向にあるので、オッズ重視で予想すれば大回収に繋がるかもしれません。
まとめ
競艇選手に科せられる処分の1つ「賞典除外」。
賞典除外に相当する違反行為は、施行者や他の選手に掛かる迷惑が大きいものばかり。
予選から排除されることで出られるレースは制限されて賞金も減ってしまうなど、その代償が大きくなるのは仕方ありません。
出走メンバーの中に賞典除外の選手がいた場合、舟券の買い方が変わってくることはお忘れなく。特記事項で発表される処分に関する情報だけは必ずチェックしましょう。
最後に、強いレーサーたちも1人の人間です。状況によって心理状態は変化するので、見えていない部分も含めて予想するように!
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