全国には24箇所の競艇場がありますが、1つとして同じ競走水面はなく、24箇所それぞれの個性や特徴を持っています。
さらに、競艇のレースはすべて屋外で行われるため、競艇場に吹き込む風や水面は変化します。それぞれの立地や環境が生み出すコンディションも頭に入れることが、舟券回収率の向上には欠かせません。
今回は全国24箇所存在する競艇場の中から、地元では尼崎センタープールの名称で親しまれている、兵庫県「尼崎競艇場」の特徴をまとめました。
水面特性やコース別成績など、攻略につながる特徴をわかりやすく、興味深いポイントも含めてご紹介しています。

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尼崎競艇場(ボートレース尼崎)とは?
尼崎競艇場は、兵庫県尼崎市にあるボートレース場。戦後、湿地帯となっていた一帯の土地を競艇場として活用する形で、1952年9月に開業。
大阪からも近い場所にあり、住之江競艇場と重ならない開催日程の調整が行われていた為、以前は住之江のファンも尼崎に足を運ぶ光景が多く見られました。
しかし、現在はSGや記念開催を除いては、地元の尼崎や近隣の西宮、神戸からの来場客が中心となっています。
大阪の中心地・梅田に大型の場外舟券売場(ボートピア梅田)ができたことや、住之江がナイター開催となって尼崎との調整が行われなくなったなどが理由です。
尼崎競艇場へのアクセス情報
尼崎競艇場には、電車での来場が大変便利です。最寄り駅は、阪神電車「尼崎センタープール駅」となります。
公共交通機関を利用する場合


阪神電車を利用する場合、大阪の梅田方面からは尼崎駅で各停に乗り換えて約15分。
神戸の三宮方面からは、西宮駅で各停に乗り換えて約30分で、尼崎センタープール駅に着きます。駅からは「ファンロード」と呼ばれる専用スロープを歩いて、競艇場のスタンドへ向かいます。
他にもJR神戸線の立花駅、阪急電車神戸線の塚口駅から無料のファンバスが出ています。時刻表については、尼崎競艇場のオフィシャルサイトから確認してください。
車を利用する場合
駐車場 | 駐車台数 | 料金 |
---|---|---|
尼崎駐車場1 | 25台 | 平日:1000円 土日祝:1200円 |
尼崎駐車場2 | 20台 | 60分:200円 (最大500円) |
尼崎駐車場3 | 103台 | 60 分:200円 (最大400円) |
自家用車の場合には、周辺のコインパーキングを利用することになります。尼崎競艇場に専用駐車場はなく、周辺の道路事情もあまり良くないので、来場には公共交通機関をおすすめします。
尼崎競艇場の施設概要
名称 | 尼崎ボートレース場 |
住所 | 兵庫県尼崎市水明町199-1 |
公式HP | ボートレース尼崎 |
電話番号 | 06-6419-3181 |
営業時間 | 10:00~16:30 |
所属支部 | 兵庫支部 |
主な選手 | 魚谷智之 吉川元浩 金子龍介 稲田浩二 中谷朋子 他多数 |
尼崎競艇場を主戦とする兵庫支部は、長年、スター選手を数多く擁する大阪支部の陰に隠れていた存在。そんな兵庫支部に新しい歴史を作ったのが、魚谷智之選手と吉川元浩選手です。
2006年のダービー(全日本選手権)で、両選手は揃って優勝戦に進出。1号艇で断然の人気を集めた大阪支部の「松井繁選手」に対し、3コースから見事な捲り差しを決め魚谷選手が勝利。
兵庫支部としては実に46年ぶりとなるSG制覇の悲願を達成しました。
そして吉川選手も2着に入り、センタープールで舟券を握りしめる地元ファンが歓喜に沸いた、兵庫支部ワンツーとなったのです。
在籍選手は61名(2021年4月現在)という少数精鋭ですが、「アットホームで楽しい」「先輩も後輩も仲が良い」と話す選手も多い兵庫支部。
現在も、SG戦線で戦い続けている魚谷選手と吉川選手のWエースが引っ張っています。
尼崎競艇場の水面特性
尼崎市の南西に位置する尼崎競艇場は、東に湊川、西に武庫川、南を向けば海(尼崎港)にも近く、あらゆる水路に囲まれた立地となります。ただ、周辺から水の引き入れは行っていないため、水質は「淡水」です。
以下に尼崎競艇場がある場所を載せておきます。大体の位置関係を覚えておきましょう。


体重差の影響が出やすい淡水
尼崎競艇場は独立したプール型の競走水面で、水質は塩分濃度が低く、浮力がない淡水となります。同じレースを走る選手間の体重差が大きい場合、重い選手が不利となりやすい水面とも言えます。
2020年11月から規定が変更され、男子選手の最低体重基準値が51.0kgから52.0kgへと引き上げられました。
女子選手については47.0kgのまま変更がないため、最低基準値における男女の体重差は5kgに広がったことになります。
最低体重の管理を行っているという条件はつきます。しかし、尼崎競艇場のような淡水面での男女混合戦において、女子選手のアドバンテージが大きくなった点には注目しておきたいところです。
うねりはなく実力差が出やすい水面
外の河川や海との接続がない独立プール型の尼崎競艇場には、海水や汽水の競艇場で見られやすい特徴となる、うねりや干満差などの影響が発生しません。
クセのない水面で、全速で握って回るスピード戦が主体となります。また、技巧派の選手にとっても捌きの腕前を発揮しやすい競艇場となります。
尼崎競艇場の風の特徴
尼崎競艇場の「屈指の静水面」を脅かす自然現象は、何といっても風です。
神戸・阪神地域の海沿いにあたるエリアには、山と海に挟まれた立地特有の季節風がよく吹きます。そして、野球ファンにとっては大変馴染み深い、有名な季節風の影響を受けることがあります。
尼崎競艇場のすぐ近くに甲子園球場がある


尼崎競艇場の西側、武庫川を挟んですぐの場所にあるのが「阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)」。
説明するまでもないことですが、阪神タイガースの本拠地、そして高校野球の聖地でもある場所です。
尼崎競艇場と甲子園球場は、直線でわずか3km足らずの距離。南北の緯度も海からの距離もほとんど変わらないため、海と山から吹いてくる季節風の受け方も酷似しているのです。
甲子園球場の「浜風」と「六甲おろし」


甲子園球場はホームプレートが北の方角にあり、打者は北から南(海方面)に向かって打球を飛ばします。
図のとおり、打者が特に影響を受けやすいのが、海から北東に向けて吹き込む夏の季節風「浜風」です。
方角的には、ライト方向に飛んだボールを風が押し戻す形となるので、左打ちのホームランバッター泣かせの風とよくいわれます。
対して、六甲山から南東に向けて吹く冬の季節風は、阪神タイガースの歌でも有名な「六甲おろし」と呼ばれます。
夏でも天候が下り坂の時に吹きやすく、すり鉢状のスタンドによる影響もあって、方向や強さが目まぐるしく変化することもあります。
尼崎競艇場は「浜風」も「六甲おろし」も向かい風


これらの季節風を「尼崎競艇場」に当てはめてみると、北東から南西に向かってスタートを切るレイアウトとなっています。
よって図のとおり、夏の浜風も冬の六甲おろしも、吹く方向に変わりはありません。しかし、スタートラインに対しては「向かい風」の位置関係となります。
尼崎競艇場では、基本的に晴天時に吹く風は向かい風です。
時間帯によっては斜め風、横風となることもありますが、いずれの場合も六甲おろしの冬は右から、浜風の夏は左から吹いてくると覚えておきましょう。
風速と天候の急変には注意
尼崎競艇場に吹いてくる浜風も六甲おろしも、通常はゆるやかな向かい風。3m以内の強さであれば、インが不利を及ぼすほどの影響はないとされています。
しかし、近年は夏の暑さが厳しくなっていることから、特に浜風については吹き込む強さが増す開催日も多くなってきました。強い向かい風のレースは、ダッシュを利かせた外からの捲りが決まりやすくなります。
さらに、甲子園球場と同様、低気圧の接近時には風向が乱れやすく、追い風に変わるレースも多くなります
これも普通ならイン逃げに有利と考えていいところですが、追い風の強さによっては、インがあおりを食らって艇が流れる状況も起きやすくなるでしょう。
そうなると、2コースからの差しにもチャンスが生まれる水面となります。
近年は通り雨やゲリラ豪雨の発生も増えていることから、梅雨の末期となる7月初旬から夏にかけては、短時間の雨雲の動きにも注意が必要です。
浜風が猛威をふるったお盆開催
以下は、地元のスター選手が集まったお盆開催における、期間中の天気(最寄りとなる神戸)ならびに各レースの風データです。


真夏の暑さが続き、最終日は猛暑日となったこの開催。
曇のち雨となっている3日目(8/11)も尼崎競艇場の周辺は晴れており、6日間を通して概ね好天の開催となりました。
しかし、暑さの影響で水面上には連日強い浜風が吹き込み、全72レース中3分の2となる48レースで、風速5m以上の強風が計測されました。3日目の11、12レース(赤枠)は、転覆を防ぐための安定板装着レースとなったほどです。
そして、4日目の8レース(青枠)では、昼過ぎからの強風が一瞬ゆるんだタイミングで選手たちの起こしが早くなってしまい、5艇の集団フライングが発生。
ここに含まれていたのが優勝候補の筆頭、魚谷智之選手でした。
本来はフライング発生率が低い尼崎の水面で、風のいたずらが呼んだ思わぬ大荒れ。季節風の怖さを思い知ることになった出来事でもあります。
尼崎競艇場の水面図(コースレイアウト)


うねりのない淡水で、季節風の影響を受けやすい尼崎競艇場ですが、コースレイアウトの特徴についてはどうでしょうか。ポイントは2つあります。
イン逃げの絶好材料となる「一直線」
尼崎競艇場は、第1ターンマークと第2ターンマークを結んだ線に角度がつかない”全国唯一”の競艇場です。
以下は、全国24箇所で最もインが弱いとされている戸田競艇場のコースレイアウト。
両ターンマークを結んだ線がはっきり右下に傾いており、第1ターンマークがスタンド側に位置している(振られている)のがよく分かるかと思います。


第1ターンマークがスタンド寄りに振られることによって、1コースの選手は進入から”第1ターンマークに向かって斜行”なければなりません。
これは競艇で最も有利な1コースに与えられた「ハンデ」ともいえます。
一方、尼崎競艇場のように振り幅のない一直線のレイアウトであれば、1コースでも第1ターンマークに向かってまっすぐ進入することができます。つまり、尼崎競艇場にハンデは存在しないのです。
マイシロを確保できて、ターンも窮屈になりにくいコースレイアウト。実力差があまりない場合は、1コースの信頼度は高めだと認識しておきましょう。
2~4コースの対抗手段となる「手前側の広さ」


もうひとつの特徴は、第1ターンマークのホーム(スタンド)側に広いスペースがあることです。49.104mの幅は、芦屋(53m)、福岡(50m)に次ぐ3番目の広さとなります。
前述の「一直線」に加えて、スタンド側のスペースも広いことによって、進入時の艇ごとの間隔も広がりやすくなる特徴が生まれます。
同じ1周第1ターンマークへの飛び込みでも、スペースが狭い戸田競艇場および広い尼崎競艇場では、艇どうしの密度がまったく違うことが、実際のレース画像からもよく分かります。
戸田競艇場・尼崎競艇場のレース比較




2コースから外の艇にとっても、十分なマイシロを持って第1ターンマークに入れることで、しっかりと握って回る全速ターンがしやすくなります。
相手の動きをじっくり見ながら、差しも捲りも仕掛けやすい水面といえるでしょう。
しかし、外の5~6コースにとっては、第1ターンマークからの距離がかなり遠くなってしまう大きな不利が生まれます。よほどの悪天候や展開のまぎれでもない限り、攻めを届かせるのは難しくなります。
予想に欠かせないコース別勝率
かつては、チルトを跳ねてセンターや外からスタートでインを抑え込もうとする選手が多く、カマシ水面ともいわれた尼崎競艇場。
現在は明確なイン優位の水面となっており、レース結果にもその傾向がはっきりと表れています。
特に冬場のインは高い信頼度


上記は2021年1~3月における、尼崎競艇場のコース別入着率。尼崎競艇場の1コース1着率は、60%を超えるハイアベレージです。
向かい風主体の尼崎競艇場でも、特有のコースレイアウト(一直線)によるメリットはかなり大きいことが、データから見て取れます。
「このデータ、冬でしょ?他の季節だとガラッと変わるんじゃないの?」と思われた方もいるかと思いますが、ご心配なく。他の季節データをご覧ください。


ご覧のとおり、1コースの1着率はどの季節も50%後半~60%の数字を残しており、全国平均を上回る強さに変わりはありません。もちろん番組編成にもよりますが、基本は1年を通してインを信頼して良いことになります。
ちなみに、優勝戦に限った場合では、1コースの1着率は74%(2020年4月~2021年3月)まで数字が跳ね上がります。
気にしておきたい「秋の2コース」
では、1コースに付け入る隙があるとすれば、どこになるでしょうか?
先ほどのデータで気になったのが「秋」における数字です。改めて、秋シーズンとなる2020年9~11月のデータをご紹介します。


1コースで最も1着率が落ちているのが、秋シーズン(57.7%)です。対して、2コースにおける秋シーズンの1着率17.3%は、他の季節の1着率を3~4%も上回る高さとなっています。
2020年は9~10月にかけて、雨が多かったのも大きく影響しました。
風の変化でイン逃げが少し苦しんだこともあり、2コースからの差しが決まりやすい結果となったようです。また、2連単も「2-1」に限らず、外枠までまんべんなく2着の目がある点も特徴といえます。
不安定な空模様が多くなる秋の季節は、2コースを軸に手広く流す買い方も一考の余地があるでしょう。
イン逃げが決まれば3コースの堅実さに注目


3コースの24.3%という2着率は、2コース(25.2%)に肉薄する高さです。
尼崎競艇場は全速ターンがしやすい水面。1コースの逃げが決まった後、差しに回った2コースに対して、3コースが外から握って捲るパターンとなることが多く、その際の2着競りはほぼ互角の数字となっています。
また、3着に残す確率も22.3%と高いことから、競り負けによって大きく着を落とすことが少ないのも特徴といえます。
2連単、3連単ともに1コースの相手としては、2コースと同じぐらいに信頼できると考えて良いでしょう。
4コースの栄光は過去の話。5コースは3着なら


地元では「ここはセンタープールやから、センターが強いんや!」というダジャレも飛び交うほど。昔の尼崎では、4コースのカドからスタートでカマシを決めて、というのが流行りの勝ちパターンでした。
しかし現在の4コースは、スロー3艇の競りがもつれた時ぐらいの出番となってしまっています。データ的には2着までとなり、アタマまで突き抜ける確率は高くありません。
それでも例外となる条件が1つだけありますが、それは次項の「コース別決まり手」で詳しく解説します。
注目すべき点は、3着率が20%を超えている5コース。2コースあるいは4コースの舟足が頼りないと見た場合、3連単の相手候補に浮上させる余地は十分にあります。
出目に影響するコース別決まり手
コースによって異なる決まり手の傾向は、尼崎競艇場特有の季節風や、コースレイアウトとの関係性も大きいものとなっています。まずは以下の決まり手データをご覧ください。


2コースは差し、3コースは捲り差しも
角度のないコースレイアウトの特性上、1コースがまっすぐ第1ターンマークに入っていけることでターンスピードも速くなります。1コースがスタートでドカ遅れしない限り、2コースは空いた内側を攻める差しが主体となります。
内の2艇を見て走る3コースは、外からまとめて捲る攻めが定石となります。
しかし、低気圧接近による強い追い風や、冬の六甲おろしによる右からの横風で、1コースの逃げが外へ流れた時には、間を突いての捲り差しも決まりやすくなります。
風の助けがあれば、4コースからの捲りも
4コースは差しも捲りも、数字はそれなりにありますが、決まり手としてはどっちつかずの印象が残ります。しかし、注目したい条件がひとつ。
それは「強い向かい風が吹いた時の全速捲り」です。
スロー勢の立ち上がりが遅れることで、4カドからダッシュを利かせた捲り、あるいは捲り差しで1着を奪うケースも少なくありません。特に浜風が強くなりやすい、暑い夏の4コースには要注意です。
5コースは展開の助けがあっての捲り差し
ターンマークから遠い外の艇は、風や展開の大きな助けが必要となります。それでも突き抜ける条件を上げるなら、5コースは内側がポッカリ空いた時の捲り差しが数字の上では大きくなっています。
6コースは道中の抜きや他の艇のフライングによる恵まれなど、他力の要素も手伝わないと1着はかなり厳しいといえます。
【尼崎競艇場】まとめ
今回は関西地区の「尼崎競艇場」についてまとめました。競艇場の特徴やレース傾向を要約すると、以下の通りになります。
- うねりのない淡水の静水面(男女混合戦は女子にメリット)
- イン逃げの優位性が大きいコースレイアウト
- 第1ターンマークが遠い外は苦戦を強いられる
- 甲子園球場と同じ季節風が吹いてくる
- 普通の浜風、六甲おろしならインを信頼してOK
- 雨の時期は2コースの差しに注目
- 浜風が強くなれば、4カドの捲りにも期待
- 夏の後半レースは、通り雨など天候の急変に注意
イン逃げの選手にかなり有利な水面とはいえ、夏の浜風と冬の六甲おろしがどう影響するかによって、レースの読みが難しくなることもあります。
また、1日の中で気象条件が目まぐるしく変わることもあるため、風向や風速のこまめなチェックを欠かすことはできません。
加えて、令和4年春に完了する大規模な施設改修によって、風の影響にさらなる変化が生じる可能性も指摘されています。コース別の入着率についても、短期的な傾向の分析が、舟券ゲットには必要となるでしょう。
尼崎競艇場で舟券の回収率アップを目指すなら、風や空模様の変化を確認しやすい現地観戦がおすすめです。
とはいえ、自宅や場外でのレース観戦においても、レースに表れやすい特徴や傾向をつかんでおくことで、回収率アップに役立つかと思います。ぜひ参考にしてください!
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