競艇ファンのみならず、パチスロ好きにも愛される漫画「モンキーターン」。
週刊少年サンデーで約10年間(1996~2004年)連載され、単行本の総発行部数は1000万部以上。今もなお絶大な人気を誇り、競艇界では伝説となっている漫画です。
そして、モンキーターンには”実在する選手”がモデルになっている人物も。その選手を把握しておくと、より楽しく読むことができるでしょう。
そこで今回は、モンキーターンの基本情報をはじめ、モデルとなった競艇選手まで全てまとめていこうと思います!
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漫画「モンキーターン」とは?
モンキーターンとは、河合克敏(かわいかつとし)によって描かれた競艇漫画。
漫画名 | モンキーターン |
作者 | 河合克敏 |
出版社 | 小学館 |
連載期間 | 1996年~2004年 |
発行日 | 1997年3月15日 |
巻数 | 全30巻 |
TV放送 | 2004年1月10日~12月18日 |
第1回コミックグランプリ受賞作「帯をギュッとね!」の連載が終わった1996年、担当編集者から競艇漫画を打診され、取材先の平和島で見たレースに感銘を受けて執筆を開始。
週刊少年サンデーの連載期間は1996年~2004年。また、2004年1月10日~12月18日にはテレビ東京でアニメ化されました。
誕生のきっかけは濱野谷憲吾
河合克敏がモンキーターンを描くきっかけは、平和島競艇場で「濱野谷憲吾」のレースを観戦したこと。
週間サンデーの編集者に「競艇の漫画をやらないか?」と言われ平和島に取材しに行ったところ、当日の第12レース、2周2マークで大逆転劇を目の当たりにしたらしい。その選手というのが濱野谷だったのです。
そうした経緯もあって、河合氏は「彼をモデルとして描いでいこう」と決めます。
- 名前(波多野憲二・濱野谷憲吾)
- ルックス
- 出身地(東京都世田谷区)
- 所属支部(東京支部)
ただし、イメージ上のモデルは濱野谷ですが、物語上のエピソードは他2選手がモデルになっています。
パチスロ台としても大人気の機種
モンキーターンは”パチスロ機”としての大人気!2011年に初代モンキーターンが導入され、現在に至るまで5つの機種が登場しています。
中でも注目が集まるのは「スマスロモンキーターンV」。ループ率約83%の上位AT(青島SG)を搭載するなど、スロットファンの評判はまずまずのようです。
モンキーターンの登場人物
波多野憲二 | 本作の主人公 |
洞口雄大 | 主人公と同期。洞口武雄の息子 |
青島優子 | 主人公と同期。原作者一番のお気に入り |
榎木祐介 | 艇王と呼ばれる最強レーサー |
蒲生秀隆 | 登場機会の多いSGレーサー |
潮崎俊也 | 人気・実力トップクラスのイケメン |
浜岡猛 | 東京支部で頼りになる先輩 |
洞口武雄 | 洞口雄大の父親。愛知の巨人 |
櫛田千秋 | クッピーの異名を持つ女子最強レーサー |
犬飼軍志 | 北陸の狼と呼ばれるベテラン |
高橋香子 | 美人で人気のあるレポーター |
生方澄 | 波多野を支える幼馴染の同級生 |
城ヶ崎ありさ | 生方澄の親友でクセ強キャラ |
山崎正彦 | 主人公と同期。ほぼ出番なし |
岸本寛 | 主人公と同期。光瀬明と交際 |
三船正義 | 主人公と同期 |
河野一実 | 主人公と同期。既婚者で子供あり |
勝木景虎 | 主人公と同期。蒲生秀隆に弟子入り |
小林瑞木 | 主人公と同期の美人レーサー |
古池勘一 | 東京支部で主人公の師匠 |
前島治 | 古池勘一と同期 |
江上修二 | 東京支部。主人公と同じペラグループ |
萩原麻琴 | 東京支部。気が強い美人レーサー |
和久井錠司 | 東京支部で潮崎俊也と同期 |
多尾努 | 東京支部の先輩 |
沖田龍一郎 | 東京支部の後輩 |
光瀬明 | 東京支部。岸本寛と交際 |
波多野元太郎 | 主人公の父親 |
波多野法子 | 主人公の母親。賞金の管理を担う |
波多野紘一 | 主人公の兄。後に銀行員 |
波多野はづき | 主人公の姉 |
波多野かんな | 主人公の妹 |
波多野ウメ | 主人公の祖母 |
他にも登場人物は沢山いるので、気になる方は原作で確認してください!
漫画モンキーターンのモデル
モンキーターンのモデルになった競艇選手を紹介します。
濱野谷憲吾(波多野憲二)
名前 | 濱野谷憲吾(はまのやけんご) |
登録番号 | 3590(70期) |
生年月日 | 1973年11月8日 |
身長/体重 | 169㎝/57㎏ |
出身/所属 | 東京都/東京支部 |
デビュー日 | 1992年5月19日 |
プロ野球選手を夢を諦め競艇選手を目指す。本栖研修所では転覆王と呼ばれD班に配属されるが、卒業記念レースで優勝を果たすまでに成長。その後、様々な苦難を乗り越えSG優勝へ挑む。
漫画モンキーターンが生まれるきっかけとなった「濱野谷憲吾」。
主人公の波多野憲二と共通点が多く、見た目・名前・出身地・支部の他に、SG初制覇を達成した大会(全日本選手権)も設定が同じです。
まさしく”濱野谷憲吾の若い頃”を映し出した内容ですが、本作に描かれているエピソードは別の選手もモデルになっています。
平田忠則はデビューして1年が過ぎた頃、左手に怪我を負って半年程度のリハビリを経験。植木通彦は大怪我を負った桐生競艇で復帰戦を果たし、後に”不死鳥”と呼ばれるように。
本作ではほぼ同じエピソードが描写されています。
仲口博崇(洞口雄大)
名前 | 仲口博崇(なかぐちひろたか) |
登録番号 | 3554(69期) |
生年月日 | 1972年8月3日 |
身長/体重 | 164㎝/52㎏ |
出身/所属 | 愛知県/愛知支部 |
デビュー日 | 1991年11月16日 |
優秀な成績で卒業後、若手No.1として活躍。デビューのきっかけは父(洞口武雄)を倒すことだったが、次第に父の偉大さに気づき弟子入り。波多野を下すためイン屋に転向し、激戦を繰り広げていく。
一時期、思いを寄せていた青島と交際するが、いろいろあって別れを告げられる。
波多野と良きライバル”洞口雄大”のモデルは「仲口博崇」。
また、親子レーサーである仲口博崇と同様に、洞口雄大の父親も”愛知の巨人”と呼ばれる洞口武雄。この関係性から、洞口武雄は仲口の父「仲口俊博」がモデルという説と、実績面で「野中和夫」という説があります。
ちなみに、仲口博崇の師匠「大嶋一也」さんも、キーパーソンとなる人物のモデルに起用されています。
仲口博崇は2024年4月に”2500勝”を達成しました!
日高逸子(青島優子)
名前 | 日高逸子(ひだかいつこ) |
登録番号 | 3188(56期) |
生年月日 | 1961年10月7日 |
身長/体重 | 155㎝/49㎏ |
出身/所属 | 宮崎県/福岡支部 |
デビュー日 | 1985年5月23日 |
借金返済や家族を養うため競艇選手に。持ち前の実力で成績を上げていき、やがて女子のトップレーサーに成長。
本当は波多野に好意を寄せていたが、彼女がいたことで洞口雄大の交際を受け入れる。しかし、レースの考え方でぶつかり破局。その後、波多野と交際を始めたものの、最終的にフラれる。
モンキーターンのヒロイン役”青島優子”のモデルは「日高逸子」。
1985年のデビューからもうすぐ40周年。子宮全摘出と卵管切除の大手術、フライング3本で長期離脱などの苦難を乗り越え、今現在も最年長女子レーサーとして現役で活躍中です。
青島優子の日高逸子の共通点は、宮崎出身であることと、かわいいルックスながら酒癖の悪い女の子。日高も宮崎出身で酒豪らしいので、青島のモデル説は濃厚かと。
さらに、青島モデルと言われている選手がもう一人。
同じ名前(優子)、濱野谷憲吾と同期の「中里優子」。ただ、日高逸子ほどの類似点はないため、実際のところは関係者しか分かりません。
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植木通彦・今村豊(榎木祐介)
名前 | 植木通彦 | 今村豊 |
登録番号 | 3285(59期) | 2992(48期) |
生年月日 | 1968年4月26日 | 1961年6月22日 |
身長/体重 | 165cm/51kg | 162㎝/50㎏ |
出身/所属 | 福岡県/福岡 | 山口県/山口支部 |
デビュー日 | 1986年11月21日 | 1981年5月7日 |
引退日 | 2007年7月18日 | 2020年10月8日 |
デビュー3年目でSG優勝し、3年連続で賞金王を獲得。グランドスラム達成が迫る中、波多野・洞口ジュニアらと熾烈な戦いを繰り広げていく。
モンキーターンで”艇王”の異名を持つ榎木祐介のモデルは2人。
リアルのボート界で艇王と呼ばれた「植木通彦」と、艇界のプリンスこと「今村豊」。当時、最強レーサーと評された2人を合体させたことで、榎木祐介の絶対的強さを作り上げたのでしょう。
山室展弘(蒲生秀隆)
名前 | 山室展弘(やまむろのぶひろ) |
登録番号 | 3070(51期) |
生年月日 | 1961年6月8日 |
身長/体重 | 169㎝/52㎏ |
出身/所属 | 岡山県/岡山支部 |
デビュー日 | 1982年11月13日 |
榎木の1期先輩。SG優勝戦のフライングがきっかけでSGに出場しなくなる。そんな中、波多野との対戦を機にSGへの気持ちが蘇り、長い期間を経て大舞台に舞い戻ってくる。
天才レーサー”蒲生秀隆”のモデルは、新鋭王座決定戦競走の初代王者、そして1999年全日本選手権覇者「山室展弘」。
設定上で酷似しているのは、実力があるのに「SG・G1」に出場していなかった点。
山室はインタビュー嫌い、蒲生はSG優勝戦のフライング。それぞれ斡旋を避ける理由は違いますが、こうした”変わり者”の部分を参考にしてそうな気がします。
山崎智也(潮崎俊也)
名前 | 山崎智也(やまざきともや) |
登録番号 | 3622(71期) |
生年月日 | 1974年3月11日 |
身長/体重 | 165㎝/55㎏ |
出身/所属 | 群馬県/群馬支部 |
デビュー日 | 1992年11月21日 |
引退日 | 2022年4月13日 |
SGで優勝する腕前ながら、艇界の貴公子と呼ばれるルックスを併せ持つ才色兼備レーサー。
モンキーターンで一番のイケメン”潮崎俊也”はもちろん、艇界の貴公子と呼ばれていた「山崎智也」。
実は潮崎俊也のキャラが登場する前、河合克敏(作者)と山崎は面会していたらしい。その際、河合の前作「帯をギュッとね!」と「モンキーターン」の愛読者であることを伝え、河合自身も山崎のファンになったと公言しています。
それ以上の詳細は不明ですが、2人が面会していなかったら”潮崎俊也”という人物はいなかった可能性もありそう。
いずれにしても、潮崎俊也×山崎智也は全てにおいて似すぎ(笑)
矢後剛(浜岡猛)
名前 | 矢後剛(やごたけし) |
登録番号 | 3347(62期) |
生年月日 | 1967年2月11日 |
身長/体重 | 164㎝/54㎏ |
出身/所属 | 静岡県/東京支部 |
デビュー日 | 1988年 |
波多野の兄貴分で面倒見が良く、レーサーとしての実力も一級品。ただ、作中ではお笑い担当のキャラが強め。
主人公と同じ東京支部のムードメーカー”浜岡猛”のモデルは、2000年に総理大臣杯を制したSGレーサー「矢後剛」。
1988年のデビュー当時は静岡支部に所属。その後、実家の転居で東京支部に移籍した頃から成績が上昇していき、2000年・2005年と重賞タイトルを獲得。遅咲きの苦労人と言えるでしょう。
モデルとなった浜岡猛も似た感じ。初勝利まで10ヵ月、デビューから4期連続B2級など、実績が出だしたのは遅め。
それに、見た目や明るい人間性もかなり寄せてる気がしますw
寺田千恵(櫛田千秋)
名前 | 寺田千恵(てらだちえ) |
登録番号 | 3435(65期) |
生年月日 | 1969年4月11日 |
身長/体重 | 157㎝/45㎏ |
出身/所属 | 福岡県/福岡支部 |
デビュー日 | 1989年11月 |
女子にしてSG優出を果たす福岡支部のツヨカワレーサー。後輩からも慕われ、特に青島への期待が大きい。
女子最強レーサー”櫛田千秋”のモデルは、長年女子界のトップに君臨している「寺田千恵」。
後輩たちから人望が厚く、レースに対する向き合い方。そして、2001年に成し遂げた女子レーサー初のSG優出など、櫛田千秋の強さに相応しい設定だと思います。
そんな寺田千恵も50台半ばのベテランレーサー。
2004年前期から続くA1級はいつまで維持できるのか?2010年ぶりのG1優勝は達成できるのか?今後の活躍から目が離せません!
大嶋一也(犬飼軍志)
名前 | 大嶋一也(おおしまかずや) |
登録番号 | 3010(49期) |
生年月日 | 1958年1月28日 |
身長/体重 | 163㎝/53㎏ |
出身/所属 | 愛知県/愛知支部 |
デビュー日 | 1981年11月5日 |
引退日 | 2017年11月9日 |
北陸の狼と呼ばれる福井支部のA1級レーサーで、弱点を無抜く力に長けている。プロペラは自作すべきという考えから、ペラの提供を受ける波多野・洞口と衝突することも。
犬飼軍志のモデルは、トレードマークである口髭がそっくりな「大嶋一也」。
艇界屈指のインレーサーとして活躍し、1999年グランドチャンピオンでSG初制覇。SGはそれのみですが、13回のG1V含む94勝・勝率7.09・通算2532勝と驚異的な成績を残しています。
高橋香代(高橋香子)
名前 | 高橋香代(たかはしかよ) |
生年月日 | 非公表 |
身長/体重 | 非公表 |
出身 | 北海道紋別郡上湧別町 |
当初は競艇クイーンを務めるが、後にレポーターへ転身。研修所時代から波多野とは交流があり、レース開催時に度々登場する。
美人レポーター”高橋香子”のモデルは、2代目モーターボートクィーンに選出された「高橋香代」さん。
一文字違いの名前、当時の競艇CMに多数出演するなど、作中の役柄と本人はほぼ同じ。漫画と現実の共通点だけで見れば、高橋香代が最も近いモデルかもしれませんw
現在の活動状況を調べてみましたが、日本の芸能界にはいないっぽい。少なくともボートレースとの関わりはなさそうです。
まとめ
競艇ファン必読の「モンキーターン」。
内容が面白いだけでなく、競艇を楽しむために必須の専門知識を習得できます。さらに、一昔前の業界を知ることができるので、読んで損した気持ちになる人はいないはずです!
コメントお待ちしてます!