結論、ギャンブル依存症を克服することはできても、病気を完治させるのはほぼ不可能。なぜなら、末期に陥った自分を含め、依存症になった人たちの現実を見てきたから。
一度でも依存者になったら最後。死ぬまで病気と付き合っていく覚悟が必要です。
ギャンブルから足を洗いたい気持ちは痛いほど分かります。であれば、まずはその事実を受け止め、自分が病気だと認めてください。
そのうえで、どのように向き合っていけば良いのか?今すべきことは何なのか?少しだけヒントを与えることができるかもしれません。
ギャンブル依存症はなぜ減らないのか?
厚労省が過去に調査したデータによると、成人の約4.8%(540万人)がギャンブル依存症だと報告しています。
ちなみに、依存症が疑われる諸外国の人口割合がこちら。
- 日本 :4.8%
- オランダ:1.9%
- アメリカ:1.5%
- フランス:1.2%
- スイス :0.8%
- 韓国 :0.8%
- イタリア:0.4%
- ドイツ :0.2%
この数値がどれだけ信用できるかは分かりませんが、多少の誤差はあっても断トツ1位。いかに日本がヤバい状況なのか理解してもらえたはず。
しかしなぜ、日本だけこれほどギャンブル依存症の割合が高いのか?
日本全国パチンコ屋だらけ
減少傾向にあるとはいえ、パチンコ・スロット店は全国に約7500店舗もあります。見慣れてしまって何とも思わないでしょうが、外国人からしたら異様な光景です。
上記画像は訪日客も多く訪れる渋谷駅。また、徒歩圏内に複数の店舗があり、郊外に行けばショッピングモール並みの大型店舗が平然と営業しています。
この状況でギャンブル依存症を減らす?いやいや、本気で減らしたいなら、駅周辺〇メートル以内は営業できないとか条例作ればいいのに…
パチンコ以外にも多種多様な賭博がある
日本にあるギャンブルはパチンコだけじゃありません。
代表的なのが「公営競技(競馬・競艇・競輪・オートレース)」。法律で認められた唯一のギャンブルで、各競技の売上を合算すると”約7兆円”にも上る巨大産業です。
さらに、株式投資やFX、近年は「オンラインカジノ」にハマる人もかなり増えているように感じます。
これこそ「ギャンブル大国」と呼ばれる所以。
政治家に改善する気は全くない
常にギャンブルの誘惑が襲い掛かる日本ですが、こうした環境を作り上げたのは紛れもなく政治家(国)。
しかも、ギャンブル依存症対策を講じるどころか、増加させるリスクのあるカジノ法案を可決。2030年頃には大阪・長崎でカジノ施設が開業し、日本初の民間賭博が始まる予定です。
一応、依存症対策の一環として、日本人の利用客には以下の規制があります。
- 入場回数は7日間で3回、28日間で10回
- 入場料6,000円(外国人は無料)
- マイナンバーで入場回数を管理
まさかこの程度で抑制できると思っていないよな?
この規制通りで実施された場合、1週間で連続して3日も滞在可能。さらに、賭け金の上限が設定されていないので、人生を破滅者が続出してしまうはず。
政治家さんたちが本気で考えた対策だとしたら、皆さんの頭の中は”お花畑”であるとしか…。そもそも、ギャンブル依存症という病気を全く理解していないのでしょう。
カジノは賛成派だけど、お金を無制限に使えない規制は必須だと思う。
ギャンブルに嵌る人の特徴
重度のギャンブル依存症に苦しんできた知人たちの特徴を紹介します。
定職に就かず時間に余裕がある
最もギャンブル依存症に陥りやすいのは「時間を持て余している人」。
平日は仕事が忙しく、土日だけギャンブルをやっている人は依存症予備軍。対して、決まった職にも就いていなかったり、仕事中でさえギャンブルをしてしまう人はかなり危険。
人間は誰しも2つのことを同時に行うことはできません。その為、気づいたらギャンブルが頭にある人は、既に危ない状態だと認識した方が良いかも。
親もしくは親族にギャン中がいる
父母や親族にギャンブル好きがいる場合、その子供も同じようになる傾向があります。以下はアメリカのミズーリ大学による研究結果。
家族にギャンブル依存症患者がいる場合、19%がギャンブル依存症予備軍。いない場合の発症率は5%に留まっており、家族歴はギャンブル依存症を4倍にする結果が出ている。
引用元:東洋経済オンライン
アルコール依存が遺伝するのはよく聞く話ですが、ギャンブル好きも同様に遺伝する可能性が高くなるらしい。
確かに、私の親もパチンコ・競馬・麻雀を好んでいましたし、ギャン中の知人も似た家庭が多かった気がします。ということは、ギャンブル依存症になった原因は親にあるのかもしれません。
いずれにしても「ギャンブル依存症になったのは自分の意思が弱いから」と悲観的になるのはやめましょう。
友達や先輩に影響を受けやすい
私がギャンブルを始めたきっかけはバイト先の先輩。
誘いを断ることができず、気づけばほぼ毎日ギャンブル漬けの日々。麻雀に始まり、パチンコ・スロット・競馬・競艇と嵌っていき、最終的に行きついたのは違法カジノ。
貯金もないのにそんな生活を送っていたので、当然ながら借金もパンパン。一度は親に完済してもらったものの、数ヵ月後には完済したサラ金から借金してしまう始末。
そうなったのを他人のせいにするつもりはありませんが、先輩さえいなければもう少し真面な生活を送れていた気がしています。
どれだけ楽しくてもギャンブル仲間とは付き合わない方が身のためです。
ギャンブル依存症患者の9割は男性
性別はどうすることもできません。
参考までに、ギャンブル依存症の男女比は「9対1」と言われていますが、厚労省が公開した情報だと、男性438万人・女性98万人。以前より女性の割合が若干上がっている様子。
年代は20~30代が最も多く、次いで40~50代。60代以降の割合は低くなりますが、患者数時代は増加しているようです。
ギャンブル依存症の末路とは
私が実際に経験した”悲惨な過去”を紹介します。少しでもあなたの心に響いてくれたら幸いです。
行きつく先は地獄しかない
その時々で収入は違えど、手元にあるお金は全て突っ込む生活。次第に返済できない借金額となっていき、真面な仕事では首が回らない状況に。
そんな時期に始めたのが闇金や詐欺。法律が緩い時代だったこともあり、月500万円ぐらいの稼ぎを5年ぐらい継続。合計したら5億円弱は手にしたと思います。
しかし、ギャンブル依存症が怖いのは、いくらお金を持っていようが使い切ってしまうこと。
パチンコやスロットで大勝ちしてもせいぜい20万円。その程度じゃ脳汁は出なくなっていき、徐々に興奮できるギャンブルへ移行していきます。
競馬や競艇で1レースに100万円突っ込み、裏スロでは何台も掛け持ち。麻雀も通常レートの10倍が普通になるなど、思い出すだけで異常すぎる日常。
ただ、そこが終着駅ではなかったのです。
違法バカラのマイナスは3億円以上
最終的に辿り着いたのが裏カジノ。1ベット10万円は当たり前で、時には1回の勝負で300万円賭けることも。
1日の最高勝ち額は1500万円。その時の興奮は説明できないほどでしたが、決してそこで辞めようとはせず。結局、1500万円もの大金はわずか数週間で消失。
当然、そうした日常が長続きする訳もなく、あっという間にお金は尽きて人生終了。残ったのは2000万円ちかい借金だけ。
何度死のうと思ったことか。今こうして生きているだけで幸せです。
運良くたまたま克服できたけど…
どん底の時に奥さんと出会い、新しい命を授かったことで人生は一変。
家族のために一生懸命働き、休日は子供の面倒で大忙し。そんな生活を送っているとギャンブル欲が湧くことはなく、世間一般でいう”ごく普通の生活”に様変わりしました。
借金は”民事再生”で300万円に圧縮され、少ない給料ながらも3年かけて完済済みです。
一見、ギャンブル依存症から抜け出したように見えるでしょうが、友達と賭博場などへ行くと「過去の自分」が出てきそうな瞬間があります。
真面な生活を送って10年以上が経過。それでも完治していないので、一生向き合っていくしかないのかもしれません。
まとめ
完治は難しくても、今より症状を軽くすることは可能です。ただ、効果的な治療方法は人によって異なります。
私のように家族がきっかけとなる人もいれば、病院の治療で改善する人、自助グループに参加して抑制できるようになった人など。正解のない問題なので、本気で治したいなら諦めずに行動しましょう。
いずれにしても、ギャンブル依存症は人生を破滅させる病気です。
ギャンブル(お金)に怯える日常から抜け出したいなら、明日からではなく”今日から”実践してください。
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