4月21日に鳴門で開催されたマスターズチャンピオン。絶好枠からトップスタートを決め、児島キリングカップに続き2節連続でG1を制した。
賞金ランキング18位でギリギリ選出された2023年グランプリ。
トライアル1ndで結果を残せず敗退。しかし、トライアル2ndで馬場貴也が妨害失格となったうえ、ルールに救われるかたちで順位決定戦に繰り上げ選出。
6号艇出走となった最終レースは5着に入り、400万円の賞金を獲得した。
2014年の賞金王レーサー「菊地孝平」。
82期「静岡三羽ガラス」の1人としてデビューし、当初からズバ抜けた才を発揮。現在に至るまで5つのSGタイトル&賞金王に輝いています。
そして、菊地孝平といえば艇界屈指のスタート巧者。どのコースからでも1マークを先取りできる唯一無二の存在です。
レースの合間も登山やランニングなど充実したプライベートを過ごしているようですが、ネット上には気になる噂がちらほら。
それらの真意をはじめ、競艇での競争実績、嫁・子供・弟子などについてまとめて深掘りしていきます!
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菊地孝平とは?
菊地孝平は北海道出身、岩手県育ちのボートレーサー。
登録上の出身地が岩手県となっているのは、同じ82期レーサーである中澤和志と菊地の2名のみ。
養成所を卒業した後、選手は自由に支部を選ぶことができます。埼玉支部を選んだ同郷の中澤に対し、菊地孝平は静岡支部を選択。その理由は後の項目で解説します。
菊地孝平の公式プロフィール
公式画像 | |
名前 | 菊地孝平(きくちこうへい) |
登録番号 | 3960(82期) |
生年月日 | 1978年8月16日 |
身長/体重 | 165cm/55kg |
出身/所属 | 岩手県/静岡支部 |
デビュー日 | 1998年5月8日 |
菊地孝平の出場予定や期別成績は、オフィシャルサイトの選手ページをご覧ください。
出身地を「岩手県」に理由
菊地孝平は北海道札幌市で生まれ、岩手にはその後に移住。
本人曰く「厳密には北海道出身なのかも」とインタビューで話していますが、青春時代を過ごした岩手が故郷だと思っているらしい。
その為、選手会から出身地のアンケートが来た際、迷わず「岩手県」と記載。そうした経緯もあって、北海道出身ではなく、岩手県のボートレーサーになりました。
また、故郷への思いがより強くなった2011年の東日本大震災。
菊地はTシャツの売上を義援金に回すなど、被災地への支援活動を積極的に行っています。
野球に明け暮れた高校時代
菊地孝平の出身高校は、2017年に21世枠として甲子園初出場を果たした県立不来方高校。
高校時代は野球部で3年間汗を流した一方で、成績も上位の優等生。地元の国立大学「岩手大学」に合格可能な偏差値だったとか。
しかし、競艇好きの父から「競艇選手になれ」と言われ続けたことで、高3の時にボートレーサーの進路も選択肢に加えたそうです。
「競艇の試験は絶対受からないと周りに言われたしダメ元で…」と、大学と養成所の両方を受験することに。
岩手大と養成所の両方に合格
岩手大工学部の入学試験と82期養成所試験。どちらも受験した結果、なんと両方合格。
飛行機の開発に携わる仕事を目指していた話は有名ですが、選んだのは高収入なうえに父親の願いも叶えられる競艇への道でした。
ただ、養成所へ入所してもデビューできる保証がないので、大学に籍を置いた状態で訓練生活を送ることに。
デビュー前から頭の良さを伺える行動。これも菊地がトップ選手になれた所以かもしれません
ボートレーサー養成所の成績
1997年4月、本栖研修所(現ボートレーサー養成所)に入所。実力者の多い期でしたが、その中で勝率6点台とまずまずの実績を残しています。
翌1998年の春に卒業。プロデビューが決まった時点で、在籍中だった岩手大学を中退しました。
同期(82期)の主な選手
菊地孝平の同期となる82期は、SGやG1のレースで活躍中の強者揃い。
同期最多優勝回数を誇る「赤岩善生」は、2006年の賞金王シリーズ戦の覇者。同じ岩手県出身の中澤和志は、2006年の平和島クラシックでSGタイトルを獲得しています。
よく耳にする「静岡三羽ガラス」とは、静岡支部「坪井康晴・横澤剛治」に菊池孝平を含めた3人のことです。
師匠は金子良昭、弟子は金子萌
菊地孝平の師匠は、54期の2500勝レーサー「金子良昭」。
2014年のG1競艇名人戦(マスターズチャンピオン)の覇者、SGでもダービーで2度の優出経験がある名選手です。
そして、金子良昭の次男「金子萌(はじめ)」が菊地孝平に弟子入り。デビュー7年目の2020年にA級へ昇格し、2023年7月の浜名湖MB大賞でG2初優出を果たしています。
父親からアドバイスを送ることはほとんどなく「全部、菊地君にまかせている」とのこと。それだけ信頼している存在なのでしょう。
菊地孝平の年収(獲得賞金)
年 | 獲得賞金 | 順位 |
---|---|---|
2024年 | – | – |
2023年 | 78,827,000円 | 18位 |
2022年 | 96,310,000円 | 9位 |
2021年 | 79,686,000円 | 14位 |
2020年 | 105,976,000円 | 8位 |
2019年 | 84,795,000円 | 12位 |
2018年 | 85,276,000円 | 9位 |
2017年 | 100,548,000円 | 8位 |
2016年 | 134,660,500円 | 3位 |
2015年 | 47,440,000円 | 27位 |
2014年 | 169,540,000円 | 1位 |
菊地孝平の年収(獲得賞金)は上記の通り。
オールスター・グランドチャンピオンと2節連続でSG制覇した2014年は、リーマンの生涯年収に匹敵する約1憶7000万円を獲得。その後も常に賞金ランキング上位に君臨し続けています。
毎年1億円ほどのお金が入ってくる生活ってどんな感じなのか?一瞬でいいので体感してみたい…
菊地孝平の家族やプライベート
生涯獲得賞金が18億円を超える菊地孝平。
一流レーサーの象徴ともいえる高級車は推定1000万円のリンカーン・ナビゲーター。また、交友関係の広いレーサーとして知られ、私生活で華やかな情報が散見されます。
とはいえ、家族に関するネット記事はほぼ皆無ですが、SNSやYouTubeで意外な一面を知ることができました。
菊地孝平は既婚者。嫁と2人の子供か?
菊地孝平には奥さんと子供がいます。家族構成については公表されていませんが、本人発信のSNSには家族の姿が垣間見える投稿も。
まず、娘の存在を明かした過去のツイート。プール教室を辞めようとした際の不満を漏らすツイートで確認できました。
また、娘だけでなく息子がいることもインスタグラムで確認。親子で富士登山にチャレンジした画像が見られます。
以上の情報から、菊地孝平には嫁さんと2人のお子さんがいるのはほぼ間違いなし。
登山・キャンプ・トレランなど多趣味
レース外の菊地孝平はとにかくアクティブ。
自信のインスタグラムには「マラソン・キャンプ・トレラン・サーフィン・スキー・登山」等々。多忙なボートレーサーとは思えないほど動き回っていますw
さらに驚きなのが、本格的なキャンプ場を自ら作ってしまう器用さ。以下の動画を見れば衝撃を受けるはず。
事の始まりは同期の横澤剛治からですが、菊地も土地を購入して隠れ家的なスペースを開拓。レース以外でも多彩な才能を発揮しています。
菊地孝平のSNS(インスタ・ツイッター)
菊地孝平が運用するSNSは、プライベートを中心に発信しているインスタと、アカウント名が「お菊」のツイッター。
一応、主要なSNSはあるものの、主に活用しているのはインスタ。ツイッターの投稿は2022年9月を最後に更新されていないので、フォローするのはインスタのみで良いかと。
デビューからSG制覇までの輝かしい実績
1998年5月の浜名湖一般戦でデビュー後、3走目に6コースからまくりを決めて初1着水神祭を達成。
新人なら快挙といえる記録ですが、同期でデビュー節に勝利した選手は菊地を含めて10名。この結果だけ見ても、半端ない期であることが伺えます。
デビュー3周年の日を初優勝で飾る
デビュー年の1998年は出場した10節全てで1勝以上する活躍を見せ、11月には初優出(3着)も記録。
そして、自身6回目の優出となったびわこ一般戦。
菊地は5コースからコンマ09でスリットを抜けると、出遅れた内側の艇を難なく飲み込み1着でゴール。
奇しくもこの日は2011年5月8日。菊地孝平のデビューから丸3年となる区切りの日を、嬉しい初Vの水神祭で飾ることとなりました。
2004年常滑周年記念でG1初制覇
2002年1月の唐津周年でG1初優出。2003年には9月の桐生周年で優出2着。2004年も2月の徳山新鋭王座決定戦で優出3着に入り、いよいよG1初優勝が視界に入ってきます。
迎えた2004年7月の常滑G1マーメイドグランプリ。
5コースからコンマ21のスタート。先手は取れなかったものの、インの伊藤誠二と2コースに動いた大嶋一也が共に遅れます。
菊地はその展開をついて最内差しで抜け出して勝利。82期では中澤和志に次いで2番目となるG1制覇を果たしました。
2005年メモリアルでSG初優勝
菊地孝平のSG初出場は2003年の戸田ダービー。さらに、2004年は4つのSGで予選を突破し、初優勝を遂げたのは2005年9月の若松MB記念(メモリアル)。
予選は2勝する活躍で10位通過。準優はコンマ01のトップスタートから1着を勝ち取り、優勝戦は好枠の2号艇で迎えます。
西島義則の前づけにより3コース進入となりますが、ここでも0台のトップスタートから”まくり一撃”でSG初戴冠。
並みいる強豪を跳ねのけ、SG初優出ながら初優勝の栄冠を手にしたのです。
2014年はSG2勝で初の賞金王に
2009年の若松オーシャンカップを逃げ切り、2度目のSG優勝を果たした菊地孝平。その後もSG戦線の常連として活躍を続け、2014年は誰もが認めるNo.1レーサーに。
以下は2014年に出場したSGの結果。
SG競争 | 結果 |
---|---|
オールスター | 優勝 |
グランドチャンピオン | 優勝 |
オーシャンカップ | 準優5着 |
メモリアル | 予選敗退 |
ダービー | 優出3着 |
チャレンジカップ | 優出2着 |
グランプリ | 優出2着 |
福岡のオールスターは2コース差し、地元浜名湖のグラチャンは4カドまくりを決めてSG2連勝。
さらに、ダービー優出3着、チャレンジカップ優出2着と勢いは止まらず、11月末時点で1億2000万円超えの賞金を荒稼ぎします。
グランプリの優勝戦では茅原悠紀に敗れ惜しくも2着。
しかし、2着賞金(4500万円)に加え、それまでの獲得賞金によって茅原を上回り、悲願の賞金王タイトルを獲得しました。
余談ですが、茅原のようにグランプリを制して賞金王になれなかったケースは、2000年以降で4例あります。
年 | グランプリ優勝 (選出時点の順位) | 賞金王 (GPの結果) |
---|---|---|
2004 | 田中信一郎 (12位) | 今村豊 (順位決定戦3着) |
2007 | 吉川元浩 (6位) | 魚谷智之 (優出3着) |
2008 | 井口佳典 (6位) | 松井繁 (優出4着) |
2014 | 茅原悠紀 (12位) | 菊池孝平 (優出2着) |
過去の賞金王や生涯獲得賞金については以下の記事をご覧ください。
菊地孝平は艇界屈指のスタート巧者
年 | 1位 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
2018 | 菊地孝平 0.1099 | 山田哲也 0.1181 | 西野雄貴 0.1200 |
2019 | 菊地孝平 0.1098 | 瀬尾達也 0.1157 | 野中一平 0.1176 |
2020 | 菊地孝平 0.1086 | 原田幸哉 0.1151 | 馬場剛 0.1166 |
2021 | 瀬尾達也 0.1106 | 中辻博訓 0.1154 | 菊地孝平 0.1161 |
2022 | 菊地孝平 0.1078 | 原田幸哉 0.1091 | 山田哲也 0.1124 |
上記は2018~2022年の年間平均STランキング。過去5年間で菊地孝平は1位を4回も記録しているのです。
菊地孝平といえば艇界ナンバーワンを誇るスタート力。常人離れのスタートを切れる理由について「感覚ではなくシステム」だと本人は話します。
フライングしないことを前提に、スタートまでに起こりうる事態を想定しながら、何が起きてもカバーできる手段を準備しておく。
これが全速で仕掛けるための「システム」なのだとか。
勘には頼らず、過去のレースから得た膨大なデータとロジックを含んだ複雑なシステムが組み込まれているらしい。
その証拠に、1998年のデビューから現在(23年8月)まで、スタート事故を起こしたのは僅か31回。直近10年に至っては年に1回しかフライングしていません。
菊地孝平に関するよくある質問
菊地孝平の「指切断」って事実?
菊地孝平をネットで検索すると、予測に出てくる「指切断」というショッキングなワード。まさか日常生活に支障が出るほどの大ケガをしていた?と連想した方も多いはず。
ただ、菊地孝平がレース中の事故で指を切断した事実はなし。
推測できるのは、2000年に同期の中澤和志が中指を切断しかけており、その事実が菊地と混同された可能性あり。
その他、実際に指をプロペラで切断した選手(新良一規、花田和明など)もいるので、そうした情報がごちゃ混ぜになったのかも。
過去に怪我や重症を負ったことがあるの?
レース中の事故で長期欠場したことはありません。
ネット上に「怪我・事故」といったワードが出てくるのは、準優で犯したフライングや、グランプリの不良航法が起因してる可能性大。
菊地孝平の出身地は?
菊地孝平生まれたのは北海道札幌市。ただし、物心ついた頃には岩手県に居住地を移しており、故郷と呼べるのは岩手だと語っています。
引退までにグランプリ制覇を達成してほしい
菊地孝平は2009年から2022年まで”14年連続SG優出”を継続中。
目標にしてきた同支部のレジェンド「服部幸男」を上回る5度のSG優勝を記録しています。
賞金王のタイトルも既に獲得済みですが、未だ達成できていないグランプリの頂点。賞金王決定戦を制し、正真正銘の賞金王に輝く姿をぜひとも期待したい!
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