2025年2月、女子レーサーを対象としたプレミアムG1「スピードクイーンメモリアル」が新設されます。
既存のグレードレースとは異なる選考基準を採用。選出されるために求められる実績は、勝率・優勝回数・級別・人気ではなく、大会名にもある通り「スピード」です。
近年、ツヨカワレーサーの増加によって女子戦の売上は絶好調!また、G1以上のレースはレディースチャンピオン・クイーンズクライマックスの2つしかないので、ここにスピードクイーンメモリアルが加わることで更なる盛り上がりを見せるはず。
はたして、参戦する女子レーサーの顔ぶれはどのようになるのか?
そこで今回は、PG1スピードクイーンメモリアルの基本情報から、選出基準および選出除外の条件など、同大会について詳しく解説していきます。
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PG1スピードクイーンメモリアルとは?
スピードクイーンメモリアルとは、令和6年度(2024年4月1日~2025年3月31日)から実施されるプレミアムG1競争。第1回大会は「ボートレース浜名湖」で開催されます。
優先出場権・各場の推薦枠など、出場するための選出基準は以下の通り。
優先出場の選出基準(24名)
優先出場 | 各場の最速タイム |
記録条件 | 3周レースで1着獲得 |
優先出場者 | 24名 |
選考期間 | 23年12月1日~24年11月30日 ※第1回大会の場合 |
対象級別 | A1・A2・B1・B2 |
全国24場において、最も速い上がりタイムを記録した女子レーサーが優先出場できます。
2025年2月に開催する第1回大会の場合、選考期間は23年12月1日~24年11月30日。また、最速タイムで優先出場できるのは、各場1名ずつの24名です。
仮に同タイムの選手が2名以上いた場合は、速いレースタイムの記録回数で決定。複数の競艇場で最速タイムを記録した選手がいた場合は、最速タイムを記録した競艇場の代表となります。
各競艇場の推薦枠(24名)
推薦枠 | 各場に属する選手 |
推薦条件 | 選出除外等を除き特になし |
優先出場者 | 24名 |
選考期間 | 23年12月1日~24年11月30日 ※第1回大会の場合 |
対象級別 | A1・A2・B1 |
各競艇場に推薦枠が1名ずつ用意されており、計24名の女子レーサーが出場できます。ただし、優先出場のように全級別ではなく、B2級を除く「A1・A2・B1」が対象です。
公式サイトには「該当者がいない場合は、同地区に所属するレーサーを推薦」と記載してありますが、該当者がいないケースはほぼ発生しないでしょう。
「〇〇場は該当者がいません」なんて発表されたら、所属する選手に失礼すぎるよねw
開催場が希望する枠(4名)
この枠に関しては詳細が記されていないため、どのような基準で選ばれるかは分かりません。
ただ、施行者推薦に近い枠だと思うので、おそらく第1回大会なら静岡支部(浜名湖)の女子レーサーが優先的に選ばれるはず。
詳しい情報が出たら改めて追記します。
スピードクイーンメモリアルの優勝賞金
PG1競争 | 優勝賞金 |
---|---|
BBCトーナメント | 1,200万円 |
スピードクイーンメモリアル | 1,200万円 |
マスターズチャンピオン | 1,200万円 |
レディースチャンピオン | 1,200万円 |
ヤングダービー | 1,200万円 |
クイーンズクライマックス | 1,600万円 |
現時点(24年2月)でスピードクイーンメモリアルの優勝賞金額は公表されていません。
ただ、女子戦のグランプリに相当する「クイーンズクライマックス」と同等にするとは思えないので、他のPG1競争と同じ「優勝賞金1,200万円」になる可能性が高いでしょう。
オフィシャルサイトで正式に発表された後、正しい情報に修正しますね。
優勝者はSG・PG1の出場権獲得
スピードクイーンメモリアルで優勝した選手には、3月開催「SGクラシック」、1月頃開催「BBCトーナメント」への出場権が与えられます。
選出除外および出場取消し
- 選考期間の出場回数が100回未満 ※優先出場は除く
- 選考期間の事故率が0.40以上の選手
- 開催期間において、G3競走開催要綱第9条第1項に基づく出場資格の喪失期間と重複する選手
- 前検日までに褒賞懲戒規程に基づく出場停止処分を受けた選手
- 前検日までにあっせん規程実施細則第7条第1項第1号から第5号までの規定に該当し、あっせん保留処分を受けた選手
上記に該当する選手は、選考期間内にレコードタイムを記録しても、選出除外および出場取消しとなります。
PG1スピードクイーンメモリアルをより楽しめる情報
盛り上がること間違いなしのスピードクイーンメモリアルですが、選考期間から楽しめる情報を紹介しておきます。
好タイムが出やすい時期は?
競艇で使用するモーターは、気温が低いほどパワーが出やすい特性があります。その為、寒い時期はある意味”好タイムを狙う勝負駆け”のような時期。
タイムと季節に関係があるのは、以下のコース別レコードを見れば分かりやすいかと。
場 | 年月 | 選手 | タイム |
---|---|---|---|
桐生 | 2019年11月21日 | 石野貴之 | 1.45.5 |
戸田 | 2019年1月4日 | 佐藤翼 | 1.46.0 |
江戸川 | 2020年1月25日 | 坂元浩仁 | 1.48.7 |
平和島 | 2017年10月24日 | 毒島誠 | 1.45.8 |
多摩川 | 2019年12月24日 | 深谷知博 | 1.45.0 |
浜名湖 | 2018年2月25日 | 馬場貴也 | 1.45.2 |
蒲郡 | 2018年1月14日 | 近江翔吾 | 1.45.0 |
常滑 | 2022年4月3日 | 平本真之 | 1.46.5 |
津 | 2016年2月19日 | 安達裕樹 | 1.46.0 |
三国 | 2017年2月15日 | 田中信一郎 | 1.45.0 |
びわこ | 2018年1月14日 | 秋山直之 | 1.44.5 |
住之江 | 2017年12月22日 | 桐生順平 | 1.45.6 |
尼崎 | 2019年11月30日 | 秋山直之 | 1.45.4 |
鳴門 | 2019年12月13日 | 白石健 | 1.44.5 |
丸亀 | 2018年3月6日 | 峰竜太 | 1.45.9 |
児島 | 2020年12月27日 | 平尾崇典 | 1.44.9 |
宮島 | 2020年1月16日 | 魚谷智之 | 1.45.9 |
徳山 | 2020年1月23日 | 秋山直之 | 1.46.7 |
下関 | 2021年12月26日 | 桐生順平 | 1.44.8 |
若松 | 2022年2月22日 | 徳増秀樹 | 1.45.8 |
芦屋 | 2018年12月9日 | 中村尊 | 1.44.2 |
福岡 | 2017年12月18日 | 前沢丈史 | 1.45.8 |
唐津 | 2022年12月15日 | 西村拓也 | 1.45.3 |
大村 | 2023年11月25日 | 上田龍星 | 1.44.6 |
また、10月頃から装着が始まる温水パイプによってパワーダウンしてしまうので、気温が低く装着していないレースほど記録を狙いやすくなります。
好タイムが出やすい時期をまとめると…
- 11月後半~2月
- 温水パイプ装着前の10月頃
温水パイプの装着時期は競艇場ごとに違います。装着の有無については各場のホームページで確認してください。
好タイムを出すために必要な条件
- ターンスピード(旋回力)
- モーター抽選のくじ運
- モーターやペラの調整力
- 1着率の高い選手
- 気象状況
気象状況(季節や天候など)は間違いなく影響するでしょうが、当然ながらそれだけで好タイムは出せません。
中でも重要な要素と思われる「ターンスピード(旋回力)」。
日本最速レコードを持つ「馬場貴也」が良い例で、ターン技術は紛れもなく日本一。その選手が2度も最速タイムを記録しているので、好タイムと旋回力は深く関係しているはず。
その他、原動力となるモーター、回転に合わせたペラ調整、1着の多い戦い方など。それらに注目して観戦すると、今まで以上に楽しめるかもしれません。
全24場のレースタイム(リアルタイム)
PG1スピードクイーンメモリアルの「レースタイム」に関しては、特設の公式サイトで確認できます。
毎日23:30に情報が更新されるので、ほぼリアルタイムのランキングを閲覧可能。推しレーサーがいる方は、こちらのサイトでチェックしましょう!
個人的に感じた懸念点
女子レーサーをはじめ、競艇ファンにとっても「スピードクイーンメモリアル」の新設は喜ばしいこと。しかし、その一方で疑問に感じる点がいくつかあります。
女子レーサーを優遇しすぎでは?
「男女平等で戦える唯一の公営競技」と謳っておきながら、ここ数年の”女子びいき”は少し過剰な気がしてます。
同レベルの男子レーサーより賞金を稼ぎやすいレース構成。そもそも、平等に扱うのであれば”オール女子戦”なんて必要あるのでしょうか?
G1より更に優勝賞金の多いPG1が2つ、他にも実力差の激しいG2レディースオールスターなど。明らかな男女差がある中、2025年2月にはPG1スピードクイーンメモリアルが新設。
売上が好調な女子レースを増やしたい思惑は理解できます。ただ、売上を優先しすぎるのはいかがなものかと。
レディースオールスターなんて、G2とは思えない格差がありますから…
推薦枠(24名)が多すぎる問題
- 優先出場:24名
- 各場の推薦枠:24名
- 施行者希望枠:4名
スピードクイーンメモリアルの醍醐味は「スピード巧者」が集結するところ。
速いタイムを出すには、モーターの調整力や高い旋回技術が必須。そうしたスピードスターが集うことで、普段見れない面白さがあると思います。
しかし、大会の主旨とは無関係の「推薦枠24名」ってどうなんだろう。数名程度ならまだしも、24名も枠を設けたのはなぜなのか?
この意味不明な選出方法によって、こんな発言をしてしまう女子レーサーまで…
2位になれなかったら諦めモードというか、施工者推薦で行こうと思ってたから。
このような発言をする女子レーサーが出だしたら、既に”企画崩壊”してますよね。
おそらく、各場が推薦するのは普段からG1級に出ている選手でしょうし、そうなったら他のPG1・G1と変わらない顔ぶれになることが予想されます。
改善策としては、推薦枠をなくし、各場の最速タイムを記録した優先出場者を”24名➝48名”に変更。これがベストだと思います。
最後に愚痴って申し訳ない。
コメントお待ちしてます!