競艇において「フライング」は絶対に許されない違反。
まず、投票したファンを裏切る行為であり、全額返還されたとしても何ひとつメリットなし。また、レース展開を乱してしまうので、他の選手に迷惑を掛けることも。
それと、Fを犯した舟券は全返還となるため、レースを開催している施行者の損害が半端じゃないこと。
SG・G1の優勝戦ともなると10億円以上のお金が投票され、人気が集まる1号艇がフライングしてしまうと売上はほぼ返還されます。
重たい罰則のある選手が故意でやることはないでしょう。ただ、損をする競艇ファンと施行者が大激怒するのは仕方ありません。
そんな中、台パンしたくなるような「非常識なフライング」も度々発生しています。
競艇フライングをあまり知らない人は以下の記事が参考になります。
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非常識なフライングとは?
非常識なフライングとは、0.05以上のタイミングでスリット通過してしまうスタート事故。
競艇の世界は「コンマ1秒」を競う競技のため、0.05秒のフライングは絶対に許されない行為。よって、単にフライングとは呼ばず「非常識」というワードが付与されます。
「即日帰郷」の罰則内容は撤廃
以下の通り、2022年5月1日に非常識なフライングのルールが改正されました。
一般財団法人日本モーターボート競走会は、集団スタート事故防止策の一環として、非常識なフライングを起こした選手に対する処置について、下記の通り変更することを発表しました。
非常識なフライングを起こした選手に対する処置
≪令和4年4月30日までの非常識なフライング≫
⇒原則、即日帰郷の処分とする。令和4年5月1日以降の非常識なフライング≫
出典:ボートレースオフィシャルサイト
⇒原則、即日帰郷の処分を廃止し、従前のスタート事故による出場辞退期間に、5日間の出場辞退日数を加算する。
非常識Fを犯すと「即日帰郷」だったものが、改正後は撤廃。その代わり、F休みの日数が加算されることに。
F回数 | 改正前 | 改正後 |
---|---|---|
1回目 | 30日間 | 35日間 |
2回目 | 60日加算 | 65日加算 |
3回目 | 90日加算 | 95日加算 |
4回目 | 180日加算 | 185日加算 |
時期によってはF休みが重なり、選手が足りないといったケースもしばしば。そういった事態を減らすためにも、良い改正だと感じています。
重大違反に課せられる「途中帰郷」については以下をご覧ください。
競艇史に残る非常識なフライング映像
ボートレーサーは「ボートレーサー養成所」で過酷な訓練を受け、卒業試験に合格してはじめてデビューできます。その為、最低限のスキルは備わっているはずですが…
なぜ、そのような選手たちが「非常識なフライング」をしてしまうのか?
怒りを通り越して笑ってしまう「フライングのレース映像」をまとめて紹介します。
【西島義則・熊谷直樹】SG優勝戦Fで20億円超えの返還
2002年6月30日、宮島競艇で開催されたSGグランドチャンピオン決定戦の優勝戦。
2日目から6連勝していた西島義則選手が1号艇に、そして2号艇には同じく絶好調だった熊谷直樹。
雨は降っていましたものの天候は荒れておらず、競争水面は穏やかな状況でした。しかし、競艇史に刻まれる不名誉な記録が生まれてしまいます。
西島がF.0.09、熊谷がF0.06、2人とも非常識なフライング。当然、2選手に人がが集中していたので、投票された売上の大部分は返還。
ちなみに、このレースで発売された総額は26億2,427万円。その内、西島・熊谷が絡む舟券は92.8%だった為、24億3513万3800円が返還対象に。
この返還額はボートレース史において過去最高額となっています。
【幸野史明】非常識を超えた「計測不能」フライング
住之江競艇で開催された2009年7月13日のレース。
5号艇と6号艇が前づけし、進入体形は561243とグチャグチャ。前づけした5,6号艇は100mを切る深インとなり、スタートを合わせないと勝つのは難しい状態に。
そのせいもあってか、2コースから進入した6号艇の幸野が、画面から消えるほど飛び出してしまい…。
結果的に「計測不能」という不名誉なフライングとなりました。
さらに、3コース進入となった1号艇の伊藤選手まで非常識なフライング。これは競艇史に残ること間違いなしです。
当然ですが、1,6号艇は即日帰郷。それにしても、幸野選手の飛び出しはマジでヤバすぎるw
【渋田治代】史上最悪タイ記録(F.35)のフライング
津競艇で開催された2011年6月29日のオール女子戦。
6号艇の大塚が2コースまで前づけし、162345という進入体形。渋田は抵抗した分、100m弱の起こしでかなり深インとなります。
その結果、スタートタイミングの記録がある中で「史上最悪タイ記録(.35)」という非常識なフライング。
一般的なフライングは判定結果を見ないと気付かないこともありますが、さすがにF.35ともなると競艇初心者でもすぐ分かるレベルw
しかも、2号艇の金田もフライング、さらには3号艇の稲生は非常識なフライング。
前づけする選手がいると荒れるレースが多いですよね。だから本命党の私はイン屋を好きになれないんです。
【中野夢斗】初のイン戦でF.32の非常識フライング
蒲郡競艇で開催された2018年8月15日のレース。
プロデビューしてから初のイン戦だった中野夢斗。慣れない1コースを走るのはただえさえ緊張しているのに、先輩たちは容赦なく前づけ。
中野は80m起こしの深インとなり、ベテランでもイン逃げが難しい展開に。
さすがにここまでの深いスタートは練習したことがないはず。普通ならドカ遅れするところですが、中野はあり得ないタイミングで艇を起こしてしまい…
競艇史に残る「.32の非常識なフライング」となりました。
フライングした選手が最も悪いですが、先輩レーサーは前づけせずやらせてあげても良かった気が。ちょっと可哀そうに思えるレースでした。
現在、中野夢斗は勝率を上昇させ、イケメンレーサーとしても人気急上昇中!悪夢となったイン戦の勝率もまずまずのようです。
5億円超えの返還!SG準優勝戦で3艇フライング
2019年8月31日、大村競艇で開催された「SGボートレースメモリアル」の準優勝戦。
1号艇の峰竜太、3号艇の篠崎仁志、4号艇の吉田拡郎が揃ってフライング。このレースに投じられた売上は約5億2,000万円ほどでしたが、3選手のフライングによって恐ろしい返還額に。
その額はなんと5億1823万9800円。
全投票額の99.5%が返還の対象となりました。(返還額の20万円は私のお金も含まれているw)
3艇フライングて。おいおい。
— ケント (@kentsp090) August 31, 2019
11R大事故やんけ。
フライングが出たのときのどよめきが。
いくらパーになったんやろ。#大村 #競艇 #SG #ボートレース
このレースに関する口コミを確認しても、いくらぐらい返還されたんだろ?といった話題で持ちきり。
それだけ注目度の高いレースだったということです。
G1浜名湖で全艇フライング!A1級選手4人が非常識なフライング
皆さんの記憶にも新しい、2021年3月2日浜名湖G1での波乱レース。
そもそもこの日は、向かい風が8mも吹き荒れる悪天候で、中止にしてもおかしくな最悪なコンディション。
そんな中、出走したのは競艇界のスーパースター「峰竜太」など、A1級のトップ選手の面々。例え天候が荒れていても難なく乗り切れると思っていた矢先、まさかの全艇フライング。
驚くべきは、非常識なフライングが4人もいたこと。
- 森高一真(.06)
- 峰竜太(.08)
- 河合佑樹(.12)
- 山崎哲司(.06)
このレベルの選手だと生涯に1回あるかないかのフライングを、4人が同時にしてしまうなんて。なぜ?と思って原因を調べていると…
全艇フライングをしてしまいました。05以上のフライングだったため途中帰郷になりました。強風の向かい風で発走まちのうえ、急に止んだことで訳わからないスタートになりました」と説明した上で「関係者の皆様、浜名湖を楽しみにしていたファンの皆様、申し訳ありませんでした
出典:スポニチ
レース終了後に峰がこのように発言していたそうです。風を正確に予想するなんてほぼ不可能なので、このレースは選手責任外にすればいいのに。
不名誉な記録となってしまいましたが、競艇ファンの大半は「開催した施行者にも責任がある」と思っている気がします。
フライングだけど笑ってしまうレース映像
真面目にやっている選手たちには大変失礼ですが、クスッっとなってしまうフライングもあります。中には「いやらしいことでもしてんのか?」と感じるような声を出す女子アナまでw
非常識なFに興奮して女子アナがエロ全開w
3号艇の森下愛梨がF.16と非常識なフライングをしてしまった結果、普段では聞くことのできない実況が始まります。
もし、競艇を全く知らない人が音声だけ聞いたら「セクシー女優さんが何かしてる?」と感じるレベル。
決して大げさに言っている訳じゃありません。目をつぶって10回ほど繰り返し視聴すると「早い…早すぎるぅ…」がいかがわしい表現に聞こえてきたのでw
そして、この動画のコメント欄も予想通り。
スタートとフィニッシュが一緒になっちゃっのか、だめだよ一緒に行かなきゃあ
早漏の男とでも付き合ってるのかってぐらい自然なムーブやん。。。そ、早漏ちゃうわ!
これ後々リモコンのブツ入れても不自然じゃないようにいつもこんな感じですよっていう布石説濃厚
男ってほんとアホな妄想ばかりしまうよね(笑)私も含まれますが・・
フライング後に起こった非常識な展開
戸田競艇で開催されたSGレース。
6号艇の前本が前づけして3コースに進入したものの、そこまで抵抗することなく助走は100m以上ある状態。
しかし、1号艇の中谷が早く起こしてしまったことで、2,6号艇もそれにつられてしまい、内側3艇が揃ってフライング。
SGで3艇フライングだけでも珍しいことですが、このレースはさらに不可解な出来事が起こります。
フライングした艇がいなくなった際、最も有利な位置にいたのは3号艇の関。ただ、2周1マークで4号艇の長嶋にツケマイで抜かれてしまい、抜き返そうと2周2マークを全速ターンで捲りにいきますが…
ハンドルを握り切れず流れてしまい惜しくも3着に。そう思っていたら、スピードの乗った艇を抑えきれずスタンド側の壁に激突。
3艇フライングに加えて、3連単・3連複も不成立となりました。
3艇のみの争いになってさらに1艇がいなくなるなんて。競艇史に残る珍レースだと思います。
フライング艇に審判長の怒りが爆発
昔はフライングなどすると審判長がアナウンスしていた時代。
このレースはその審判長が「フライングされて怒っている?」と感じさせるレース。いや、ほぼ間違いなくイライラしながら言ってますねw
6号艇が絡む舟券が全返還されて怒る気持ちは分かります。でも、それを誰が聞いても分かるように言わなくてもいいのに。
まぁ、笑わせてもらったからいいけど(笑)
近年は審判長がアナウンスしなくなったから、若い人はあまり知らないだろうなぁ。感情むき出しでマジ面白かったのに。
まとめ
競艇の醍醐味といっても良いフライングスタート方式。
このスタートが時には大波乱を起こし、予想できない結果を生みます。20億円以上の返還となったり、S級レーサーでも立て続けにフライングしたり。
ただし、フライングをした選手は重たい罰則が課せられ、そこからのレースには多少なりとも影響することはお忘れなく。F2以上となるとスタートがいけなくなる可能性大。
その知識があると舟券予想にきっと役立つはずです。
コメントお待ちしてます!