2023年1月14日、宮島一般戦で「菅章哉」が3ヵ月ぶりの優勝を果たしました。このレースの見どころは、現代のボートレースではあまり見かけない”チルト3度”で勝ったこと。
開催初日は3着、6着とスロースタート。しかし、チルト0度に調整した2日目以降、本来の実力を発揮し始めます。
まず、1つ目の見せ場となったのが、2回走りとなった4日目のレース。
1走目は5コースからコンマ07のスタートでまくり一撃。2走目はダッシュ4カドから鮮やかなまくり差しで1着。しかも、この日は2走とも”チルト3度”という常人では考えれない調整だったのです。
そして、準優は再び0度に戻して2着に入り、優勝戦は得意とする4コース進入。ここで最大の見せ場がやってきます。
展示タイムは断トツの一番時計を計測。同番組の河村了(6.77)とは0.21の差が開いており、これを直線に置き換えるとボート1つ分以上にもなる差。万全の仕上がりであることは言うまでもありません。
内枠には「新開航・島村隆幸・市橋卓士」といったトップレーサーがいる中、菅章哉はコンマ06のトップスタートを決めます。
こうなってしまったら菅の独壇場!スリット通過から内側3艇を飲み込み、そのまま3周まわって1着でゴール。
今年初優勝、通算では19回目の優勝。まくりで優勝した回数は11回に伸ばしました。2月にはG1の出場予定もあるので、グレードレースで菅章哉のまくりがどこまで通用するのか?とても楽しみです。
チルトを跳ねて戦う選手
伏田裕隆がチルト3度で5コースからまくり
1月14日に開幕した、まくりで勝つと豪華賞品を貰える尼崎「まくってちょ〜うだい」。
ここ最近、チルト3度といえば「伏田裕隆」も代表的な1人。この日も同様のセッティングで挑み、5コースから伸びを活かしたまくりで完勝しました。
ご覧の通り、進入コースはほぼアウトコース。阿波勝哉を彷彿とさせる戦術を貫いており、アウト屋を愛する一ファンとして心底応援したいボートレーサーの1人です。まずは初優勝することを願ってます!
金田智博がチルト2度でまくり
日頃からチルトを跳ねることの多い「金田智博」。1月15日の丸亀では2度の伸び仕様で登場し、スリット通過後にグイグイ伸ばしてまくり決着。
未だ優勝はできていませんが、スタート力さえ向上すれば初優勝は時間の問題でしょう。
女子レーサー屈指のまくり屋「堀之内紀代子」
2022年に”チルト3度”で旋風を巻き起こした「堀之内紀代子」。中でも話題となったのが、22年9月に蒲郡で開催されたヴィーナスシリーズ第12戦。
初日から枠番に関係なくアウトコースへ進入し、全てチルト3度でファンたちを魅了します。
チルトを跳ね、5,6コースからこれだけ成績を残せる女子レーサーは見たことがありません。というか、男子を含めても思い当たるのは「阿波勝哉」のみ。そういっても過言ではないほどの快挙だと思います。
ただ、堀之内紀代子はレースによってセッティングを変え、最大角度にするのはごく稀なケース。その日が来るまで期待して待っていましょうw
チルト3度(または2度)に調整する選手は増加傾向
上記に紹介した選手以外にも、標準の「-0.5度」より上げた調整は多くなってきたと感じています。
直近では1月15日にチルト2度で出走した「佐藤悠」や、同日の児島準優(6コース)をチルト3度で挑んだ「木村光宏」など。確認できていないだけで、跳ねている選手はいるかもしれません。
これから先も伸び特化の調整が増えていきそうな雰囲気ですが、標準角度にはないデメリットがあることを覚えておいた方が無難です。
- 出足性能が損なわれ、ピット離れが不安定になる
- 起こしが付いてこずスタートが難しい
- ターン後の加速(初速)が弱くなる
要は、実力が伴っていないと効果的には働かないということ。その点を理解したうえで、舟券予想をするようにしてください。
チルトについて詳しく知りたい場合は、以下の記事も合わせてご覧ください。