2024年11月4日、競艇界で起こった度重なる不祥事により、監督省庁から「業務停止の可能性(全レース停止)」を伝えられていたことが判明。
発祥の地となる大村競艇場で開始された競艇。
これまでに数えきれない名勝負が繰り広げられてきた一方で、黒歴史となる不祥事や事件も沢山起こっています。
意図的に順位操作する八百長をはじめ、刑事事件に発展する事件まで。華やかな生活を送っていたはずなのに、なぜ自ら規則や法律に逆らってしまうのか?正直、意味が分かりません。
今後も悪に手を染めてしまうボートレーサーの根絶は不可能でしょう。
ただ、情報を発信することで抑制に繋がることを期待して、過去の不祥事をまとめておきます。
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競艇界で起きた不祥事・事件一覧
世の中に周知された「事件・不祥事」を一覧で載せておきますが、細かい不祥事を入れたら紹介しきれないぐらいあることをお忘れなく。
事件日 | 当事者 | 事件概要 |
2023/1 | 中村亮太 | 八百長疑惑 |
2022/12 | 峰竜太 | 予想屋との金銭授受 |
2021/4 | 選手215名 | 競艇選手の不正受給 |
2020/8 | 藤原菜希 | 故意の減速で即刻帰郷 |
2020/1 | 西川昌希 | 3億超えの八百長事件 |
2019/4 | 教官 | 教官による体罰行為 |
2011/5 | 森下祐承 | 女性警察官へのわいせつ罪(後に冤罪) |
2011/2 | 杉山勝匡 | ひき逃げで逮捕 |
2008/5 | 石田剛大 | 器物破損で逮捕 |
2007/9 | 安藤大将 | 銃刀法違反の現行犯で逮捕 |
2007/3 | 101期生 | 101期生のいじめ事件 |
2006/6 | 小野肇也 | 青少年保護育成条例違反で逮捕 |
2005/4 | 柴田明宏 | ひき逃げで逮捕 |
2003/8 | 古野智丈 | 強姦の罪で逮捕 |
1988/7 | 国光秀雄 他 | プロペラ不正事件 |
1988/3 | 彦坂郁雄 | 整備規程違反で引退 |
1972/12 | 施行者 | 江戸川競艇の騒擾事件 |
1969/2 | 施行者 | 唐津競艇の騒擾事件 |
1968/9 | 施行者 | 児島競艇の騒擾事件(1ヵ月の開催停止命令) |
歴史に残る艇界の事件や不祥事
新聞やメディアなどで大きく取り上げられた事件を時系列で紹介します。
峰竜太と有料予想屋の金銭的な繋がり(2022年2月)
誰もが認めるスーパースター「峰竜太」。
そんな彼が2022年2月、ボートレース全体の信頼を失墜させる不祥事を起こしました。事の発端は、自身が主催するオンラインゲーム(APEX)でのこと。
本来は公営ギャンブルに関わっている人間である以上、予想屋とは絶対に交流してはいけません。そのルールを理解していなかったのか、「ジェイソン先生」という予想屋と金銭的な関係を持ってしまいます。
この事実が公となり、峰竜太に下されたのは4ヵ月間の出場停止処分。
大変失礼な言い方になりますが、アホすぎません?上記画像の通り、絶対的な信頼を持つ峰竜太が宣伝したら、被害に遭うファンが増えることぐらい小学生でも理解できるはず。
この不祥事を犯す前から危うい言動をしていたので、なるべくしてなったというべきかもしれませんね。
- グランプリ転覆後、すぐさまゲーム配信
- アンチっぽい垢は即ブロック
- 勝率維持が目的だと思われる帰郷
今現在は復帰して活躍していますが、二度と同じ過ちを犯さないことを切に願います。
ボートレーサー215名による不正受給(2021年4月)
2019年頃から世界中に蔓延した新型コロナウイルス。
経済は大きく落ち込み、収入源となる人が急増。そういった人を救うために「持続化給付金(コロナ給付金)」が支給開始されました。
持続化給付金を簡単に説明すると、前年同月比の売上が50%以上減少し、事業存続が難しい中小企業および個人事業主が受けられる給付金。給付額は最大で法人200万円、個人100万円。
当然、コロナ感染によってダメージを受けた人が対象であり、関係のない理由で受給すれば「詐欺罪」に接触する可能性も。
そんな中、支給対象外であるはずの「ボートレーサー215名」の不正受給が発覚。
※以下は公式発表されたもの。
不正受給者数 | 215名 |
不正受給総額 | 2億1,473万円 |
受給者の級別 | A1級43名・A2級39名・B1級110名・B2級23名 |
受給者の性別 | 男子200名・女子15名 |
受給者の年代 | 20代46名・30代94名・40代50名・50代23名・60代2名 |
収入が低いB2級ならまだしも、A1級が43名いることにビックリ。A1級ともなれば軽く3,000万円を超え、スーパーカーを乗り回すような生活を送れますから。
中にはSG常連の「井口佳典」の名前も。
ちなみに、井口選手が2020年に稼いだ賞金額は7,300万円以上。これほど稼いでいるのに、税金から捻出される給付金を詐取しようとしていたのです。
まさか10%以上の選手が不正していたなんて…。公正であるべき世界なので、不正受給したやつは全員クビで良いぐらい。
3億円超え!西川昌希の八百長事件(2020年1月)
艇界を最も震撼させた事件といっても過言ではない「西川昌希の八百長事件」。
発覚したのは2020年1月。不正な順位操作をした贈収賄の容疑(モーターボート競走法違反)により、SGにも出場経験のある「西川昌希」元選手が逮捕されました。
各誌の報道によると、大会中に寝泊まりしている選手宿舎にスマホを持ち込み、共謀していた親戚と八百長を企てていたようです。
八百長がここまで表沙汰になったのは史上初。さらに驚きだったのは…
贈賄側の塗装会社員、増川遵容疑者(53)が、元選手の西川昌希容疑者(29)の出走レースを次々に的中させ、2016年2月ごろから19年9月までに利益が3億円超に達していたことが関係者の話で分かった。
出典:朝日新聞デジタル
なんと、2016年2月から八百長を開始し、逮捕されるまでに得た利益は3億円超え。払戻金は6億円に達していたとのこと。
当初は3,000万円程度と報じられていたので、まさかその10倍もの利益を得ていたとは。まさしく、競艇が始まって以来の、最も凶悪な事件と言えるでしょう。
贈賄側(増川遵容疑者)とやり取りしていた方法は…
- 「今日は飛ぶ」など隠語を送る
- 対象レースで4着以下になる
- 贈賄側は西川を外した舟券を買う
- 高配当を的中させる
A1級の実力者が1号艇から着外になれば、万舟券は間違いなし。その為、西川を外した5艇ボックスを買うだけで、ほぼ利益が出るというやり口だったのでしょう。
養成所内で教官から奥歯を折られるなどの体罰(2019年4月)
ボートレーサー養成所内で教官による暴力行為があったとして、教官3名を訴える事件が発生。
被害男性は2017年4月に122期生として養成所へ入所し、同年10月の試験に不合格となり退所した人物。2019年4月に被害男性から被害届が提出され、書類送検されたものの証拠不十分で不起訴となりました。
ただ、この判決に納得がいかず「元教官や競走会には事実を認めてほしい」と改めて審査を申し立てますが、その思いは届かず。
告訴状によると、訓練中に教官から繰り返し暴力を受け、奥歯を折るなどの怪我をしたらしい。
死亡者も出る危険な競技だけに、義務教育の何倍も厳しいのは理解できます。とはいえ、どんな状況でも怪我を負わせるのは、教育ではなく「暴力」です。
不起訴となったので真実は闇の中ですが、被害男性がウソをついてるとは思えません。いずれにしても、この事件をよいきっかけにしてもらいたい。
今後、この事件が進展するようなら改めて報告させていただきます。
元選手「石田剛大」が器物破損で逮捕(2008年5月)
「記憶にはないのですが、酔って車を蹴っちゃって…(本人談)」
2008年5月、泥酔した状態で他人の車を壊したとして、器物破損容疑で逮捕された「石田剛大」元選手。逮捕時はデビュー3年目で21歳の若さでした。
やまと競艇学校には98期生として入所し、リーグ勝率7.00・準優出7回・優出6回の優秀な成績で卒業。また、卒業記念競走では6号艇ながら3着に入る好走を見せた期待のルーキー。
犯罪に良し悪しはありませんが、ひき逃げをしても選手生活を続行しているケースはあります。その為、人に危害を与えていない器物破損なら現役でいられたような気も…。
ただ、ボートレーサーとしての才もありながら、他の職業にも魅力を感じていたのかも。というのも、現在は群馬県伊勢崎市にある「高級焼肉店LAMP」を経営する社長さん。
お店の評判も良く、ボートレーサーとは違った才能を発揮しているようです。
101期生のいじめ事件(2007年3月)
2007年3月、やまと競艇学校(現ボートレーサー養成所)内で、101期生2人から右膝を蹴られるなどする暴力事件が発生。被害を受けた当時20歳の訓練生は外傷性関節炎を負い、管内の警察署に被害届を提出しました。
しかし、教官による暴行事件を同様に、危害を加えたと思われる訓練生2人は不処分。さらに、2007年9月にデビューを果たしています。
ということは、101期生で活躍している選手にいるのは確実。
容疑者2人が在籍する101期のボートレーサー(登番順)
SG覇者の「篠崎仁志」をはじめ、実力も見た目もトップクラスの「守屋美穂」などそうそうたる顔ぶれ。この中に「いじめをしていた人物が2人もいる」と思うと、良い気はしませんね。
いじめられた被害者からすれば、何もなかったようにボートレーサーでいられるのは腹立たしいはず。実際、男性は以下のように証言してますし。
「校内ではいじめや暴力が蔓延している」と。
「柴田明宏」選手がひき逃げで逮捕(2005年4月)
ひき逃げ事件を起こして逮捕されたのは、通算13勝した「柴田明宏」元選手。
2005年4月3日の午前4時頃、停車していた車に衝突し、乗っていた男性に全治2週間ほどの怪我を負わせます。警察へ通報する義務を果たさず逃走しましたが、近くにいた人がナンバーを目撃したことで逮捕に至ったようです。
ボートレーサーどうこうより、人間として欠陥があるとしか思えない事件。また、翌年には復帰し、その後も10年ほど現役を続行する強メンタル。
上記投稿した人と全くの同意見。
全盛期はそこそこ名の知れた選手でしたが、G1・SGを制覇できるような器じゃない気がします。
元選手「古野智丈」が強姦の罪で逮捕(2003年8月)
2003年8月に発生したボートレーサーによる性的暴行事件。
逮捕されたのは「古野智丈」という人物。古い競艇ファンならご存じでしょうが、あの毒島誠・大峯豊・松村敏といった逸材が属する92期において、やまとチャンプ(卒業記念競走の優勝者)になった実力者です。
事件内容は、中学生から知り合いだった友人の元交際相手(19歳女学生)に対し、合意なしに性的な暴力を働き逮捕されたとのこと。
この事件が起きる数ヵ月前にはやまとチャンプに輝き、まさにこれから!という時。せっかく掴んだチャンスを棒に振る結果となりました。
余談ですが、デビューして2ヵ月後には初勝利を挙げ、新人とは思えない走りを見せていた「古野智丈」元選手。不祥事さえ起こさなければ、毒島誠らと肩を並べるトップレーサーになっていたかも…。
モーターボート競走会の悪質な運営体質
始まった当初から不祥事が絶えないボートレース界。もちろん、罪を犯した張本人が悪いのは間違いありませんが、全体を束ねる組織にも問題はあると感じています。
そう感じる理由は、組織を取りまとめている「モーターボート競走会」の運営体質。
- レスキュー員の雇用形態
- 労働組合の運営に不当介入
- 犯罪抑制への取り組みの甘さ
転覆艇などの命を預けている”レスキュー員”を外部委託し、労働局から派遣契約にするよう指導を受けています。死亡事故が多数起きている中で、改善する気は本当にあるのか?
このことについて関係者からは以下のように問題提起されています。
そもそも派遣ではなく、正式雇用するべきだ。ここ数年、事故や重傷事故が相次いでいる。今は選手のOBらに頼っているが、高齢化が進み技術ある人が少なくなれば、選手の安全を担保できなくなる。現場からは、こうした安全面にもっと経費を割くべきだという声が上がっている。
引用元:東京新聞Web
また、新入社員が労働組合への加入を躊躇させるために働きかけたり、賃上げを要求した組合に対して具体的な数字を示さなかったことも。
そして、忘れてはいけないのが処分内容の中途半端さ。具体例を挙げると…
- 八百長にも発展しかねない予想屋と繋がっていた峰竜太が、たった4ヵ月の出場停止だったこと
- 不正受給(詐欺)をしたのに数ヵ月程度の出場停止だったこと
他にも”甘すぎる”と感じる事例は腐るほどあります。利益を守りたいのは分かりますが、公営ギャンブルである以上、心を鬼にしなくてはいけないケースもあるはずです。
まぁ、経営陣を入れ替えないと変わらないでしょうね。彼らが一番守りたいのは”自分の利益”ですから。
まとめ
この記事では競艇界の不祥事を紹介しましたが、他の公営ギャンブル(競馬・競輪・オートレース)でも数多くの不祥事は起こっています。
競馬ではほぼ100%”意図的に落馬した”と分かるような八百長があったり、競輪でも暴徒化に発展したレースも。
おそらく、公営競技での事件・不祥事はなくなることはないでしょう。なぜなら、選手自身も大金を稼げるし、客だって不正して稼ぎたいと思う人間は必ず存在するから。
そういったブラックな一面もあると思って楽しむことをおすすめしますw
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