レース中の転覆などでゴールできなかった選手や、危険な行為を働いた選手は失格となります。
しかし、1つのレースに大きな金額が賭けられているため、失格の基準は細かな項目が定められています。また、失格には様々な種類があり、その内容によって事故点が異なることも。
知って予想精度が向上する知識ではありませんが、競艇を続けるなら学んでおいた方が良いでしょう。
そこで今回は、競艇の「失格」を深掘りしていきます。意外と知られていない規定など含め、隅から隅まで紹介させていただきます。
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競艇における「失格」とは?
競艇で失格となった選手には着順がつかず賞金もゼロ。
しかし、失格の判定には“ギャンブルスポーツ特有の基準”があり、水面上で行われる競技ならではの特徴もいくつか見られます。
失格は「スタートからレース確定まで」が対象
ボートレースオフィシャルサイトでは「スタート以降のボートに対する判定」と説明されています。つまり、失格の対象となるのは…
大時計の針がコンマ00を指した瞬間から、レースが確定するまでに発生した行為
失格はこの範囲内で適用されます。
適用範囲から外れた違反行為は原則失格とはなりませんが、選手には別の裁定が下されるルールとなるのです。詳しくは「失格にならない違反」でも触れています。
失格の判定・宣告はレース中に行われる
競艇の場合、失格の判定ならびに宣告は、レース中または事故発生後すぐに行われます。
なぜなら、水上でのアクシデントは人命の危険が大きくなり、事故艇の救助を最優先で行う必要があるからです。
失格の判定は「各競艇場の審判長」が下します。
かつては審判長が大声で厳しくコールする光景も見かけましたが、現在は実況アナウンサーによって伝えられるケースがほとんど。
他競技(競馬・競輪・オートレース)ではゴール後の審議が一般的なのに対し、競艇はレース中(走行中)に行われることが多いです。
失格艇の舟券は返還されない
「失格はスタート以降に対する判定」と冒頭で伝えましたが、この原則に大きく関係してくるのが舟券の扱いです。
競艇では艇がスタートラインを超えた瞬間から「出場扱い」となるため、レースが中止されない限り返還欠場の対象にはなりません。
よって、ゴールできず失格となった場合でも返還は行われないルールとなります。
次のレースも引き続き出走可能
アクシデントによるケガで出場不可能な場合や、よほどの悪質行為でない限り、失格しても帰郷せずレースに出場し続けることができます。
多くの場合は得点率が低下し準優進出は難しくなりますが、身体上の問題がなければ出走が可能です。
失格の「選手責任 or 選手責任外」とは?
自身の操縦ミスによる失格もあれば、他選手の影響を受けて完走できなかった「もらい事故」による失格もあります。
艇が激しくぶつかり合うレースである以上、本人に過失がない失格も多数発生する競技。
失格の原因となった選手と同じペナルティでは不公平が生じるため、すべての失格において「選手責任の有無」が必ず判定されるルールです。
選手責任、選手責任外の判定はレース終了後に行われ、次のレースが始まるまでにアナウンスされます。
競艇で宣告される失格の種類
競艇の失格といえば転覆が思い浮かぶでしょうが、他にも沢山あります。
レース続行が不可能となる理由は複数あり、それぞれ「○○失格」と名称をつけた上で記録に残ります。中にはめったに見ない特殊な失格もあるので、どんな種類があるのか確認しておきましょう。
以下は失格をまとめた表です。
失格の種類 | 失格の内容 |
---|---|
転覆失格 | ボートがひっくり返る |
落水失格 | ボートから離れて水面に落ちる |
エンスト失格 | エンジンが停止する |
沈没失格 | ボートが水中に沈んでしまう |
不完走失格 | ゴールまでの制限時間を超える |
妨害失格 | 他の艇を転覆させる |
周回誤認 | 周回数を間違える |
救助作業妨害 | 事故艇が出た時のルールを守らない |
緊急避譲義務違反 | 緊急事態発生時に道を譲らない |
航路指示灯違反 | 航路指示に従わない |
危険な転舵 | 他艇に危険を及ぼす運転 |
転覆失格
「転覆失格」は発生数が最も多く、見た目にも分かりやすいアクシデント。
ボートが裏側にひっくり返ってしまう状態を指します。自力で戻すのは困難となるため、そのまま救助艇を待つしかありません。
転覆の多くは、ターンマークの旋回中にバランスを崩してしまうのが一般的ですが、強風にあおられたり他の艇からぶつけられたりといった転覆もよく目にします。
水面が常に荒れている「江戸川競艇」では、直線を走っている最中に転覆するケースも。
落水失格
選手が乗っていたボートから離れて水面に落ちてしまった場合は「落水失格」となります。
ターンマークでの旋回ミスなどにより、遠心力で外に投げ出されるパターン。
落水すると後続艇に轢かれたりプロペラに巻き込まれたりするリスクが高く、大ケガの原因になりやすい危険な事故。
「死にたくなかったら転覆してもハンドルから絶対に手を離すな」このように訓練所で教えられるのは有名な話ですね。
競艇界では2020年代だけでも3名の選手が殉職している。
エンスト失格
転覆や落水がなくても、ボートのエンジンが停止して動けなくなってしまったら「エンスト失格」となります。
エンジン停止後の再始動ができるのは待機行動の時間まで。レース中は1回でもエンストしたらその時点で失格です。
選手は艇に乗ったまま救助艇が来るまで水面を漂うしかありませんが、危険回避のためパドルを漕いで安全な場所に移動することもあります。
沈没失格
他艇の接触や振り込みなどで水を大量にもらってしまうと、ボートが水中に沈んでしまうことも。「沈没失格」という競艇では比較的レアなケースです。
選手が乗ったままゆっくり水の中に沈んでいくので、見た目にはちょっと淋しい失格。
ただし、ボートは舳先だけ浮く設計となっているため、水面から完全に消えてしまうことはありません。
不完走失格(タイムオーバー)
競艇のルール上、ゴールまでの制限時間を「1着の選手がゴールしてから30秒以内」と定めています。
これを超えてしまった場合は“タイムオーバー”として完走扱いにはならず、記録上は「不完走失格」という扱い。
ターンの失敗や接触など、失速からの立て直しに時間が掛かった場合に起こる失格です。
妨害失格(他艇を転覆させる行為)
他艇に対する妨害行為は「不良航法」の反則となりますが、転覆や落水などレースを続けられない状況に至ってしまうとより重い「妨害失格」が告げられます。
失格となった艇は即座にレースから離脱。原則として不良航法と妨害失格両方の減点、事故点が加算されます。
また、出場している開催は賞典除外となるため、翌日から最終日までは一般戦にしか出走できません。
その他の失格
上記で紹介した以外に、あまり聞きなれない失格がこちら。
- 周回誤認(周回数を間違える)
- 救助作業妨害(事故艇が出た時のルール違反)
- 緊急避譲義務違反(緊急時に道を譲らない)
- 航路指示灯違反(航路指示に従わない)
- 危険な転舵(他艇に危険を及ぼす運転)
以上の失格はごく稀に起きるレアパターン。
いずれも選手自身の不注意や大きな過失が原因となるので、ペナルティに加えて斡旋停止などの処分対象になるケースがほとんど。
どの失格もレースを壊す、あるいは重大な危険を伴う行為となるため、処罰が厳しくなるのは当然かもしれません。
以下の記事で「違反」をまとめているので、さらに詳しく知りたい方は合わせてご覧ください。
競艇で失格にならない違反
失格となる違反、ならない違反の違いは「返還の有無」が大きく関わっていると覚えておきましょう。
また、その場では失格とならなくても、別の重たい処分や処罰が科せられる違反もあります。 競艇のルールにおいて、失格の扱いとならない主な違反を紹介します。
スタート事故(フライング、出遅れ)
競艇で失格が適用されるのは「大時計の針がコンマ00を指した瞬間からレースが確定するまで」。
よって、スタート事故はこの範囲外となるため、フライングや出遅れは失格ではなく「欠場」の扱い。舟券はすべて返還されます。
仮に助走の最中に強風にあおられて転覆した場合も、発生した場所によって判定が変わります。
- スタートラインの手前「出遅れによる返還欠場」
- スタートラインを越えた後「転覆失格」
SG・G1・G2優勝戦および準優勝戦のフライングが2023年に強化。
待機行動中の妨害行為
待機行動中に他の艇を転覆させた場合、スタート前のアクシデントとみなされ失格は適用されません。
ピットアウト後に斜行して他の艇を転覆させるなどのケースが当てはまります(上記画像)。加害選手は待機行動違反を取られますが、レースには出走可能。
被害を受けた選手は「出遅れによる返還欠場(選手責任外)」となります。
ピットアウトできなかった場合
何らかの原因でピットアウトできなかった場合は“レース前のトラブル”となり、待機行動中と同様に失格ではなく「出遅れによる返還欠場」です。
ただし、選手への処分内容に関しては、ピットアウトできなかった原因によって変わることも。整備不良など明らかな過失が認められれば、長期あっせん停止などの重い罰となる場合もあります。
失格した選手に与えられるペナルティ
失格になると競艇ファンに多大なる迷惑を掛けてしまうので、失格を犯した選手には相応の罰則が与えられます。
失格による事故点や減点
級別審査に関係する事故点は、妨害失格が15点、その他の選手責任失格が10点。
予選の得点については妨害失格が賞典除外、その他の選手責任失格は一律マイナス5点となります。
ただし、失格の原因によっては不良航法(マイナス10点)の減点が重なる場合もあり、選手には1回の失格が大きな痛手となるケースも。
選手責任外の場合はお咎めなし
選手本人の過失なしと判断された「選手責任外失格」の場合、当然ながら事故点はつきません。また、予選得点の減点もありません。
しかし、出走回数には含まれるので、当該レースの得点は「0点」として計算。
もらい事故や突風が原因となる不可抗力の失格でも、準優進出争いに影響が出てしまう厳しめルール。ファン目線としては少し可哀そうに思えますが…
重大過失による失格は厳罰も
失格の中でも「内規違反」と呼ばれるものや極めて悪質な行為は、通常の事故点や減点以外の罰則が与えられます。
該当するのは、意図的な妨害行為や救助作業中のルール違反などで、多くの場合は即刻帰郷です。さらに、内容次第で以下のような事態に陥ることも…
- 事故を起こした競艇場に長期間斡旋されない
- 褒賞懲戒審議会で出場停止の処分が下される
このような形で後日、重い罰が下されたケースは稀に起こります。
重たい罰が下されると、稼ぐ賞金(年収)にも影響してきます。中には、引退に追い込まれることも…
失格艇が多数いるとレース不成立に
原則、失格となった艇は返還対象になりませんが、例外が1つだけ。それは「失格艇が多数出て舟券不成立」になった時です。
転覆などが相次いで完走艇が規定以下となった場合、舟券が全額払い戻しされます。実際、頻繁に発生する事象ではないものの、長い目で見ると意外と少なくありません。
賭式別の成立条件
まず、それぞれの賭式に必要な完走艇について整理しましょう。舟券が成立する条件は以下の通りで、失格や欠場が出た艇の数によって変わります。
航走中の艇が1艇のみとなった場合はすべての賭式が不成立(返還)となりますが、残った選手はそのまま完走すれば1着と記録されます。
4艇失格で3連単、3連複が不成立(2021グランプリ)
記憶に新しい2021年12月のSGグランプリ優勝戦。
1周1マークでの峰竜太選手の転覆に3艇が乗り上げてしまい、計4選手が失格する大波乱となりました。
完走できたのは優勝した瓜生と、2着になった白井の2艇。成立した舟券は単勝と2連単のみとなり、約41億円(発売額の96%)という競艇史上最高額の大返還に。
このレース以降、艇界のスター「峰竜太」はアンチ急増。問題は他にもありましたが、きっかけとなったのは間違いないでしょう。
全艇失格となったレース
競艇では全艇フライング(出遅れ)と同じく、全艇失格によって全賭式が返還というケースもたまに発生します。中でも多いのは「航路指示灯違反」。
全選手が事故艇、救助艇の内外を間違えて走ったことで全艇失格が宣告されることがあります。
2022年1月18日の常滑最終日第8レースにおいて、1周1マークと2マークの2ヵ所で事故が発生。
2周2マークで航走中の4選手がエンスト艇の内側(指示は外側)を走ってしまい、全員失格レース不成立(全返還)の判定となりました。
まとめ
今回は「競艇の失格」についてまとめましたが、意外と知らなかったこともあったのでは?
レース中の事故はファンが買った舟券にも大きく影響するので、失格と欠場の線引きがはっきり行われています。その点だけでも覚えておくと、レース中に起きた事故や失格を理解できると思います。
競艇では転覆以外にもいろんな種類の失格があり、選手たちは事故が起きた時のルールを頭に入れて走らなければいけません。
その心理状態を読めるようになれば、舟券の勝率は飛躍的にアップするはず!
最後に、失格した選手の人数によっては全返還されることもあります。特に現地観戦の場合、舟券はレース確定まで絶対に捨てないようにしましょう。
コメントお待ちしてます!