今や艇界を代表するトップレーサーといっても過言ではない「馬場貴也」。これまで5度のSGを制するなど、自他ともに認めるスター選手です。
とはいえ、現在のような活躍を魅せ始めたのは数年前から。もちろん、それまでも実力上位であったことに変わりはありませんが、SG常連と呼ぶほどではなかった気がします。
その証拠に、SGに初出場した2012年以降の実績がこちら。
年 | SG出場/優勝 | 獲得賞金/順位 |
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2012年 | 1回/0回 | 3,103万円/107位 |
2013年 | 3回/0回 | 3,899万円/47位 |
2014年 | 2回/0回 | 3,769万円/47 |
2015年 | 2回/0回 | 3,384万円/73 |
2016年 | 0回/0回 | 2,883万円/112 |
2017年 | 0回/0回 | 3,149万円/113 |
2018年 | 5回/1回 | 8,400万円/10位 |
2019年 | 8回/1回 | 1億284万円/9位 |
2020年 | 8回/0回 | 6,602万円/24位 |
2021年 | 7回/0回 | 7,677万円/17位 |
2022年 | 7回/1回 | 1億8,734万円/2位 |
2023年 | 8回/1回 | 1億6,152万円/3位 |
2024年 | 8回/1回 | 1億5,232万円/1位 |
2017年までは100位前後だったのに対し、2018年は自己最高の10位にランクイン。そして、2022年以降はいずれも3位以内&1億5000万円以上の賞金を獲得。
驚異的な成長を遂げていますが、このような飛躍を遂げることができたのか?
”ターニングポイントとなったきっかけ”をYoutube出演時に回答していたので、その部分を切り取って紹介したいと思います。
馬場貴也が覚醒したきっかけ
2024年12月8日、ボートレース住之江の公式Youtubeチャンネルで公開された「馬場貴也×ブラマヨ吉田」の対談動画。
SG初Vがターニングポイントに
昔から凄い選手ではあったけど、ここ4~5年ですか?えげつない存在になったじゃないですか。何があったんかなぁっと?
きっかけは、チャレンジカップでSGを初めて勝ったことが一番のターニングポイントです。それでグランプリに出場でき、雰囲気を味わたことで完全に変わりました
あ、通用するやろ俺!と思えたってことですか?
こんな僕でもSG勝てるんやなっと思えたのと、グランプリの舞台にまた来たいって思えて。みんながココを目指す理由が分かったというか…
守田俊介「絶対チャンスはおまえにも転がってくる」
同じ滋賀支部の絶対的エース「守田俊介」からの言葉もまた、躍進に繋がったと話しています。
守田俊介が2018年10月のSGダービーを制覇した当日…
俺もダービー2回獲れたし、絶対チャンスはおまえにも転がってくるから、その時まで腐らず頑張れ
このアドバイスをもらった1ヵ月後、チャレンジカップでSG初優出、さらにはSG初制覇を達成。そもそもSGで勝てる実力はあったからこそ、守田の言葉が後押ししてくれたのかもしれません。
レーサー人生で一番緊張したのは2023年メモリアル優勝戦
ボートレーサーの緊張ってどんな形で出るんですか?
2023年のメモリアル勝った時が、今まで経験したことがないぐらい緊張しました。もう逃げ出したかったです。全てを投げだしてここから逃げたいと…
大きなプレッシャーを感じた理由は、直前にオーシャンカップの優出1号艇で大敗を期したから。実際のレースがこちら。
直前の1号艇で負けてたんで、ここでまた負けたら…。またアイツ負けたって思われるとかいろんなこと考えて。もう嫌やみたいな。
SG優勝戦といえば、日本中の競艇ファンが参加する一大イベント。そして、最も人気が集まる1号艇ともなれば、半端じゃない重圧なのは一般人でも想像できます。
しかも、オーシャンカップ優勝戦では舟券にも絡めず6着。そりぁ、逃げ出したくもなるでしょうw
馬場貴也をもっと知れるQ&A
本題からは逸れますが、動画内で語った貴重な情報をQ&Aでまとめておきます。
- 一番「好き or 気持ちい」枠番は?
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一番気持ちいいのは、外になればなるほど気持ちいい。
でも、そこに好きが加わってくると、やっぱり3枠は好きやし気持ちいいし。好き度をパーセンテージで表すなら…
3枠が150%、2枠はちょっと難しさがあるんで80%ぐらい、4枠も80%。5枠は好きなんですけど、枠が遠くなるんで現状70%。6枠はメモリアルで1着獲れたんで、今は結構好き。
- 24年メモリアル優勝時、きょとんとした表情の理由は?
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優勝戦は正直1枠が強い。3割ぐらいもしかしたら…と思ってたんですけど、まさかしっかり差さるとは思ってなかった。
節間の仕上がりもそこまでだったし、その中で”勝てちゃった”みたいな。
- 馬場貴也にしかできないウィリーの秘密は?
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体型はそこまで関係がなくて、乗り方ですね。ウィリーターンの仕方が人それぞれあって、繰り返し練習して段々と習得していった感じ。
若い時には、1着を走っていた時にウィリーやって転覆したことも。おまけ何してんねん!みたいな。やっぱりカッコつけたかったから(笑)
- 斡旋に行くとき、子供と離れると寂しくなる?
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めちゃくちゃ寂しいです。娘が3歳になってよくしゃべるようになってきて、先日(10月)のびわこが終わって次節までの半日ぐらい。
次の日の朝早いから娘が起きる前に出発して。そしたら電車の中で娘から「お父さんは…」って。もう帰りたいってなる(笑)
- 馬場貴也にとってグランプリとは?
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1年間の総決算的な感じ。ボートレーサーの人生を懸けた戦いの舞台かなと思ってる。
- グランプリVと、それ以外のSG5Vならどっち?
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やっぱりグランプリでしょ。SGを勝つのも嬉しいですけど、意味合いが違う。
いつもSGで戦ってるメンバーがグランプリに行くと、ピリツキ間が違うんで。スイッチが一つも二つも入ってる。
グランプリの1週間はめちゃくちゃしんどい。でも、終わった時はもう嫌やって思うんですけど、次の日には来年も頑張りたいなって。
- 2023年グランプリを終えた心境は?
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白井さんが優勝されて僕は2着でゴール。距離はすぐ傍にいるようだけど、凄い遠く感じたというか、優勝者と2着の間には壁が合ってまだまだやなっと。
注目されるのは優勝した白井さんだけ。それ以外は拍手もそんなに送られない。
- 2024年はどんなグランプリに?
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昨年、一昨年と1走目失敗してるんで、今年こそは強くなった自分をファンの方に見せ、ファイナルまで駒を進めて黄金のヘルメットを被りたい。
優勝してあのウイニングランでファンの声援を浴びたい思いは年々強くなっている。
賞金ランキング1位でGPに挑む馬場貴也。好モーターさえ引ければきっとやってくれるはず!