2023年3月21日、平和島で開催されたSGクラシック最終日12R。群馬支部「土屋智則」がイン逃げを決め、デビュー18年にしてSGタイトルを獲得しました。
優勝戦1号艇に座った土屋智則。前検では好機(65号機)を引き当て、抜群の足を活かして予選をトップ通過。準優も難なく逃げて優出を決めます。
迎えたクラシック優勝戦メンバーがこちら。
1号艇はSG未制覇の「土屋智則」、2号艇は平成生まれで初のSG優勝が期待された「羽野直也」。
3号艇は10度のSG優勝を誇る「池田浩二」、4号艇はオール連対で勝ち進んだ「篠崎元志」。そして、5号艇は2021年のクラシック覇者「石野貴之」、6号艇は岡山支部のエース「茅原悠紀」。
土屋智則は紛れもなくトップレーサーですが、この中では人気・知名度的に劣る存在。そうしたことからも、10倍を切るオッズおよび10万舟は1つもない割れた状態。
しかし、今節の土屋智則は強かった!
インから好スタートを決めると、他艇を寄せ付けない圧巻のターン。1マーク以降は差を広げ、大観衆を前に1着でゴール。
並みいる強豪たちを押しのけ、2005年11月のデビューから18年。同期一番乗り、自身初のSG制覇を成し遂げました。
SGクラシック歴代優勝者
開催年/場 | 優勝者 | 決まり手(配当) |
---|---|---|
2023年/平和島 | 土屋智則 | 逃げ() |
2022年/大村 | 遠藤エミ | 逃げ(29.2倍) |
2021年/福岡 | 石野貴之 | 逃げ(8.0倍) |
2020年/平和島 | 吉川元浩 | 逃げ(24.0倍) |
2019年/戸田 | 吉川元浩 | 逃げ(31.2倍) |
2018年/浜名湖 | 井口佳典 | まくり(251.4倍) |
2017年/児島 | 桐生順平 | 逃げ(42.8倍) |
2016年/平和島 | 坪井康晴 | 逃げ(24.8倍) |
2015年/尼崎 | 桐生順平 | 逃げ(22.8倍) |
2014年/尼崎 | 松井繁 | 逃げ(73.9倍) |
2013年/平和島 | 池田浩二 | 逃げ(10.9倍) |
今大会を除く過去10年のクラシック歴代優勝者。
ご覧の通り、2018大会以外の決まり手は「逃げ」。インが弱い「平和島・福岡・戸田・浜名湖」といった開催場でも、9割以上の確率で1号艇が勝っています。
ただ、配当に目をやると10倍以下の決着は1回のみ。イン逃げレースとして美味しい配当が多く、ヒモはそこそこ荒れているようです。
土屋智則とは?
公式画像 | |
名前 | 土屋智則(つちやとものり) |
登録番号 | 4362(97期) |
生年月日 | 1985年2月6日 |
身長/体重 | 164㎝/54㎏ |
出身/所属 | 群馬県/群馬支部 |
優勝回数 | SG:1回 G1:2回 G2:0回 G3:4回 一般:25回 |
土屋智則は群馬県出身、97期のボートレーサー。
やまと学校(現ボートレーサー養成所)時代の成績は、リーグ勝率7.11、準優4回、優出7回(優勝0回)。卒業記念競走で優出を果たし、3着に入る実績を残して卒業しています。
当然ながら期待の新人として注目された中、2005年11月12日のデビュー戦ではいきなり初勝利を挙げる快挙。
その後も順調に勝率を上げていき、2007年にG1初出場&初勝利、2009年には一般戦で初優勝を飾る快進撃を続けます。
師匠は橋本久和、姉は土屋千明
土屋智則の師匠は「橋本久和」。20年以上A級を維持しており、群馬支部を代表するトップレーサーの1人です。
クラシック開催前には…
彼が今節、行く前にLINEで、平和島、やってこいよ!って送ったんですよ。初日連勝で弾みがついたみたいだね。彼にかける言葉ですか?優勝して欲しい!あとは運だよね。全てがそろわないと優勝できないから
好走を続けられたのは、師匠の存在は大きかったはず。また、土屋の快挙を一番喜んでいるのは、一番近くにした師匠かもしれませんね!
そして、実姉も同じボートレーサーの「土屋千明」。弟(智則)の5期先輩で、通算優勝回数は3回。2010年にG1初勝利、2018年に初優勝を挙げています。
さらに、土屋の父親も公営競技の選手。オートレーサーとして長年活躍し、2013年10月に引退。ただ、正式な引退日から1ヵ月も経たないうちに亡くなっています。※殉職ではない。
土屋一家はまさしくレーサー家系。しかも、別の競技で活躍していたなんて凄すぎる。
同期(97期)の注目選手
同期で注目度が最も高いのは、艇界のエンターテイナー「西山貴浩」。艇界を乗り上げる欠かせない存在であり、ポンコツ会を牽引する役割も担っています。
その他、重賞タイトルはないものの、パン戦で大暴れしている「池永太」や、守屋美穂の元旦那「山口達也」もやまと学校で苦楽を共にした同期生です。
ちなみに、97期でSGを制したのは土屋智則が初。一番乗りの快挙達成となります。
悲願のグランプリ選出はなるか?
グランプリ選出の絶対条件は、獲得賞金上位18名の選手。11月頃に開催されるチャレンジカップ終了時点の賞金が基準となり、本戦またはシリーズ戦の出場選手が決定します。
これまで土屋智則のSG出場回数は13回(準優2回・優出1回)。その内、年末のグランプリはシリーズ戦のみで、本戦への出場は果たせていません。
しかし、今回の優勝によって3,900万円の賞金を獲得したので、賞金ランキング1位に立っています。
もちろん、2023年が始まったばかりで大きく変動していくでしょうが、1つでもSGを制覇した選手の本線出場率はかなり高め。フライングや事故などがなければ、悲願のグランプリ選出は果たせそうです。
今後、土屋智則がどのような活躍を魅せてくれるのか?舟券を買って応援したいと思います!