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【実話】スロットで破産寸前に…依存性は薬物中毒とほぼ同じ

【実話】スロットで破産した過去。依存性は薬物中毒とほぼ同じ

この記事は知人の実話です。ブログなどを運営していないため、預かった記事にほとんど手を加えない状態で公開させていただきます。

ギャンブルは大嫌いなのにやめられない、ギャンブル依存症35歳独身。18歳にスロットを覚えて以来、常にギャンブルの沼に浸かりっぱなしの人生。直近4年はボートレースがメインだが、詳しくなればなるほど、勝てなくなると実感している今日この頃。

株式の世界で常用される「損切り」という言葉。今以上に損益を膨らませないため、損すると分かっていても株式などを手放してしまうこと。他のギャンブルにおいても、投資額に対してプラス収支になっていないにも関わらず、手を引く意味としてよく使われる。

では、損切り決断が最も難しいギャンブルは何なのか?私は「スロット(パチスロ)」だと思っている。

分かりきっている事かもしれないが、ギャンブルとは基本的に胴元しか勝てない仕組み。また、損切りできない人だと、トータル収支のマイナスは矢継ぎ早に加速していくもの。

それを証明するためにも、実際に経験してきた過去の話をさせてもらう。

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破滅の始まりとなるスロットに出会う

破滅の始まりとなるスロットに出会う

私は大学に入社して間もない18歳の時、はじめてスロットに手を出した。

友人から誘われ、特に断る理由もなくついて行った。本当に右も左も分からない中、友人は早々に台を決めて遊戯を始めた。あまりにうるさく、タバコ臭い店内を不快に思いながら歩いていると、高校時代にハマっていた格闘ゲーム「鉄拳」の機種が目に止まる。

1台だけ空いていたので迷いながらも腰をかけた。メダルの借り方すら分からないが、周りから学び1000円札を投入。出てきた50枚を全て台へ入れ、見様見真似で遊戯を開始した。

お金の消費スピードが半端ない

極端に遊戯スピードが遅かった当時の自分でも、5分弱位だろうか。50枚が無くなった。つまり、1000円が消えたのだ。

親からの仕送りは月に5万円。光熱費や食費をさっ引くと、自由に使えるお金は2万円程度しかないことは算出済み。その内の1000円が5分も経たずに無くなってしまったショックは、今でも鮮明に覚えている。

スロット人生で初のボーナス

1000円が無くなったことに落ち込み、そのまま席を立とうとしたその時、右隣の人が声をかけてきた。

もう少し回した方がいいよ。

その人は大当たり中ではないものの、ぎっしりとメダルが詰められた箱を2箱積み上げており、ベテラン風のオーラを放っていた。抵抗はあったが、あと1000円だけと思い、再び投入。演出など全く覚えていない。間も無く

それ、当たってるよ。

再び右隣から声が聞こえた。「あ、ありがとうございます。」

訳も分からずお礼を言い、レバーを叩いてボタンを押す作業を続けていると、右から腕が伸びてきて絵柄を揃えてくれた。タバコを煙たそうに咥えながらタイミング良く左手でリールを止めるその姿は、衝撃的にかっこよかった。

ありがとうございます

何度も頭を下げてお礼を言うが、その人は軽く会釈をする程度で視線も合わせず自分の台に集中している。

リールを回す度に15枚払い出される。それが連続するし、あっという間に下皿がメダルで埋め尽くされた。払い出しタイム、いわゆる「ボーナス」が終わったのだろう。通常演出画面に戻ったタイミングで「早速当ててるやん。」

後ろから様子を見に来た友人が声を掛けてきた。

「これでいくら位になるの?」
「6000円はあるやろ。」

それを聞き、私はすぐに遊戯をやめた。右隣の人は再び何か言いたそうな顔をしていたが、6000円という金額を知って舞い上がっていた私の決断は固かった。

2000円が6500円に。この程度で「ビギナーズラック」と呼んで良いのか定かでは無いが、本当に嬉しかったのを覚えている。

ギャンブル中毒者になりゆく様

ギャンブル中毒者になりゆく様

初めてのスロットで4500円の利益を得た。これで生涯のギャンブル人生プラス完結…となるはずもなく、まずは浮いた分の4000円のみを使い、これからのスロット人生を歩もうと考えた。

つまり、4000円使って当たらなければ辞め。当たれば、またそれを元手に増やしていこう。今考えれば、何の知識もない中で、とてつもなく浅はかな考えである。

負け分はスロットで取り戻さなくては

初日に勝った4000円は一瞬で無くなり、追加投資4000円で「レギュラーボーナス」と呼ばれる小当たりを引いたが、投資分を回収できず負けで終わった。その時、自分の中で込み上げてきた正直な感情は…

負けた分を取り戻さなくては!

この感情が、ギャンブルにおいて最も恐ろしく、あまりに残酷な現実を突きつける。特にスロットでは「天井」という機能が備わっている。

天井とは、規定の遊戯数まで到達した場合、救済処置としてボーナスが確定する仕組み。冒頭で述べた損切りが最も難しいギャンブル、と考える理由は天井の概念があることも関係している。

閉店まで打っても飽きないゲーム性

本格的にスロットに興味を持ち、雑誌や雑談から知識も飛躍的に伸びてくる。4号機全盛期といえば「北斗の拳・吉宗・銭形・押忍番長・カイジ・鬼浜・島唄」など。

他にもまだまだ沢山あるが、片っ端から手を出した。当時は設定を公開する様なイベントもあり、夜中から友人と並び、開店を待った。その際、知識の無い台しか選べなかった場合に困るから、というのはただの言い訳で、単純に全ての機種が楽しかったからである。

やがてイベント日に関係なくのめり込む様になり、閉店まで12時間以上打ち続ける事も少なくなかった。

バイトを始め、友達からも借金

この頃には仕送りだけで生活が成り立たずバイトを始めていた。バイト代を加算しても生活できない月も増えてきて、友人から借金をしてなんとかやりくりした。

パチンコも同じだと思うが、スロットはとにかくゲーム性が面白い。また、過去に良い経験を味わうと、それが頭にへばりついて抜けない。

「パチンコ・パチスロを辞めたくても辞められない奴は意思が弱いだけだ」と言う人がいるが、それは違うと思う。特に、未経験者が言うのはお門違いである。一度でも美味しい思いをすればそれが脳裏に焼き付き依存化してしまう。

そういう風に人間の脳は作られ、また、パチンコ・パチスロもその脳構造を逆手に取って制作されているからである。美味しい思いをしながらも、すんなり辞められる人がいるのならば、その方が稀な人種ではないのか。

違法ドラッグに手を出した経験は無いが、ギャンブル依存症もあまり変わらないと思う。だから私は未経験者に声を大にして言いたい。

一度でもパチンコ・パチスロへ行ったら負け。人生経験として1度だけ…そういった人がいるのならば、10万でも20万でも負けることを願っている。

私のような落ちこぼれには絶対になってほしくない。

4号機終了でギャンブル引退できると思ったが…

4号機終了でギャンブル引退できると思ったが...

私が大学3年の時に「4号機終了」が訪れ、私にとってはこれ以上ない救いとなった。

おかげで大学を卒業でき社会人に

出始めの5号機は本当に面白みがなく、実際まわりのスロットファンも一気にやらなくなった。スロットエリアは常にガラガラで、遊戯しているのは最近デビューした人と、ほぼ毎日来店しているパチプロぐらいだった。

10万円分のメダルを1時間足らずで払出しできていた時代から、2万円負けたらもう取り戻せない時代に変化したのだ。

その頃からパチンコ店へ足を運ぶことがなくなり、勉学に集中できたお陰で、何とか大学を4年で卒業することができた。運良く就職も決まり、心機一転社会人として新たな人生を歩み出す。

ただ、安定的に給料が入る安心感もあり、暇つぶし程度の感覚でパチンコ店に行くこともあった。5号機が導入したばかりの頃とは違い、スロットエリアも賑わいを見せていた。また、4号機ほどではなくてもそこそこ楽しめていた記憶がある。

5号機の「ART」にまたもや嵌ってしまう

そこで「ART」の存在を知る事になる。

私の知る5号機の知識は、RT(リプレイタイム)と呼ばれる機能しか備わっていなかった。RTとは、規定ゲーム間メダルを減らさずに遊戯できるゾーンのことで、基本的にボーナス後にRTへ投入し、更に運が良ければそのRT中に再度ボーナスを引くことができる。

ART(アシストリプレイタイム)とは、押し順ナビ通りにボタンを押すことで、メダルが減らないどころか増えていくという素晴らしいシステム。

私の記憶では、4号機から5号機への規制の中で、ボーナスの仕様に多くの制限が掛けられたはずである。そのせいで、導入し始めの5号機は出玉が弱いとされていたが、出玉メインのボーナスから「ART」へシフトすることで、その規制をかいくぐる事が出来る。発想の転換である。

なるほど、と思いながら夢中で打っていた。短時間での爆発力は4号機に大きく及ばないものの、むしろゲーム性は4号機より面白いと感じた。さらに、ARTの上乗せするシステムが、限りなく設定差を曖昧にする。

スロットの機種には1〜6までの設定が存在し、数字が大きい方が勝ちやすい。4号機だとそれが如実に現れる。しかし、このARTシステムに上乗せが加われば、例え設定1でもARTを続かせる事ができる。

もちろん、上乗せ条件に必須であるレア役(チェリーやスイカ)の出現率にも設定差はあるが、4号機の低設定を思えば遥かに甘いと感じた。

「楽しいし面白い!そして勝かつこともできる!」私は震え上がった。しかし、この瞬間が地獄の始まりだったとは…

消費者金融で借金してしまう

借金返済で消費者金融を利用してしまう

5号機の楽しさを知ってしまい、学生時代に味わった悪夢が再びやってくる。一度はスロットを引退できていたのになぜ手を出してしまったのか?時間を戻せるならそんな自分を殴ってやりたい。

学生時代よりお金の使い方は激しかった

ARTの存在を知ってからの私は、過去にないほど5号機のスロットにのめり込んだ。

4号機でも滅多に出せなかった出玉を出すことも多々あり、1撃3000枚は当たり前、時には5000枚や7000枚、スロッターの目標値と言われる「万枚(20万円)」も幾度か経験した。

「2万円負けたらもう取り戻せない」そんな懐かしいワードを思い出し、鼻で笑いながら毎日パチンコ店へ通った。1回に注ぎ込む金額も次第に増えていき、この頃には「突っ込めばその分出る」といった意味不明で危険な思考回路になっていたと思う。

実際に、10万負けからのプラス収支も何度かあった。しかし、経験者には分かって頂けると思うが、ギャンブルで増えたお金は、無くなるスピードが信じられないほど早い。

再びギャンブルへ消えるのはもちろん、それ意外でも勝った日の夜飯が豪華になり、一緒に行った戦友にも奢りたくなる。「財布の紐が緩くなる」という言葉ではもの足りず、もはや紐すら無い状態である。

軍資金は「消費者金融」任せとなる

そんな状況を続けていたら「貯金が底をつく」のは予想以上に早かった。

では、軍資金はどうやって準備していたのか?ATMである。普通の人はこのATM残高を使いきるか、自分で定めた上限に達したらそこで終了である。しかし私は「消費者金融」に手を出した。消費者金融業者の多くは「初回30日は金利0円」を謳い文句としていたので…

30日の間に返せば損することはない。むしろ一般的な銀行でお金をおろすより手数料安いし

消費者金融業者側に立てば、こんな単純で良い客はいない。最初は確かに30日以内に返済し、何の害もなかった。

「消費者金融の融資限度額は自分の貯金と同じ」感じたことないだろうか?もちろん私もそういう感覚に陥っていて、今月はあと○○万年まで借りられる(引き出せる)、と言う危ない思考になっていたのである。

消費者金融の借り入れが220万円に

この様な感覚で借入をしていると、すぐに融資限度額に達してしまう。2社、3社と増えていき、MAX4社の消費者金融から借金をしていた。総額は220万円である。

ここまで借金が膨らむと、さすがにスロットの勝ち分のみで借金返済は無理。1社に毎月、最低16,000円の返済義務があるうえ、その返済したのは利息分にしかならない。すなわち、元金が減ることはない。

それでも給料が入ったら利息だけ返済し、生活費はスロットで稼ごうとする。まさに泥沼である。

スロットというのは、人間に備わっている当たり前の理性を崩壊させる。そして、はたから見れば”異常”とも思えるお金の使い方をし、地獄しか待っていない出口で突き進む。

その後、10年間はギャンブルをせず借金返済のみの生活。数年前に完済することでき、夢にまで見た無借金生活を楽しんでいる

ギャンブルで破産(寸前)した体験談

18~20歳中盤まで味わった日々は本当に地獄だった。ただ、ネットにはさらなる強者が沢山いたので、その体験談をいくつか紹介しておく。それらを反面教師にしてもらい、同じ過ちを犯さないでほしい。

年収1000万以上なのに借金苦で自己破産

ギャンブルで破産(寸前)した体験談 年収1000万以上なのに借金苦で自己破産
年齢・性別 30代後半・男性
家庭環境 妻・子2人
年収 1000万円以上
原因 スロット(5号機)
借金最高額 1500万円
成れの果て 自己破産

上場企業のサラリーマンとして働く30代男性。年収は多い時で1200万円もあり、手取りでも900万程度。20代終盤で一戸建てを購入し、妻と子供2人で幸せに生活していた。

しかし、収入が一気に増えた30歳頃から、遊び半分で立ち寄ったスロット(主に5号機のGOD凱旋)に嵌ってしまう。はじめは休日のみしか行かなかったが、少しずつ仕事中も行くようになる。そして、末期には仕事よりパチンコ屋にいる時間の方が長かったらしい。

たまに万枚を出して大勝ちすることはあっても、大抵は5万円以上の負け。それを続けているうちに500万円以上あった貯金は底をつき、本当なら妻に渡す生活費から捻出するようになる。それさえも無くなって行き着いた先は消費者金融

フリーターなどであれば借り入れできたとしても100~200万円程度。しかし、肩書がしっかりしていて年収も1000万円以上あったため、希望するだけ借金できてしまう。

結果的に消費者金融7社から800万円、銀行のカードローンで300万円、クレジットカードのキャッシング枠で150万円、計1250万円に膨れ上がる

さすがに年収が多くても返済することができなくなり滞っていく。その間も利息は上積みされていき、弁護士に相談した時には1500万円という額に。さらに追い打ちをかけたのが会社の倒産。

当然、返済するあてもなくなり自己破産することに。

一般的に借金の理由がギャンブルだった場合、自己破産は難しいと言われている。そんな中、この男性は破産できただけでも運が良かったと思う。

とはいえ、たかがスロットで家や車などを失った。まさに「天国から地獄へ突き落された」といっても過言ではないだろう

夫に内緒で200万円の借金で債務整理。さらにソフト闇金まで

ギャンブルで破産(寸前)した体験談 夫に内緒で200万円の借金で債務整理。
年齢・性別 40代前半・女性
家庭環境 夫のみ
年収(夫婦) 夫600万円・妻60万円
原因 パチンコ
借金最高額 200万円
成れの果て 債務整理・闇金

夫は中小企業に勤めるサラリーマンで、年収は600万円ほど。本人は昼間のパートで60万円弱。よって、世帯年収は約660万円。自宅は賃貸で車はなし。お財布は本人が管理し、夫に毎月3万円の小遣いを渡して残りを貯金していた。

夫に内緒でパチンコに通い出したのは結婚して3年が過ぎる頃。当初はパートがない2時間ぐらいに留めていたが、徐々に滞在する時間が伸びていく。しまいにはパートを休んでまで行くようになる。

また、始めのうちは1円パチンコで負けても知れていたものの、それでは物足りなくなって4円に手を出すように。

そこから負債は膨らんでいき、一瞬で貯蓄していたお金が無くなり、ついに消費者金融から借金。しかも、本人の収入に加えて、夫にもそれなりの収入があったため、1年足らずで200万円もの借り入れができてしまったのだ。

当然、夫に隠し通せる額ではないので、消費者金融からの催促状でバレる。同時に貯金がないことも判明し、法的に利息が利息が免除される債務整理の手続きを弁護士へ依頼。

しかし、話にはまだ続きがあった。5年かけて完済したにも関わらず、懲りずにまたパチンコをやりだしたのだ。しかも、軍資金の調達は、違法業者であるソフト闇金

借入額は大したことなかったが、消費者金融とは桁違いの利息が発生する。その後、返済が滞ったことで夫に連絡がいってしまい、夫婦仲は最悪の状態に。現在、ソフト闇金と離婚の件で弁護士に動いてもらっているらしい。

二度も同じ過ちを繰り返すのは許せないことだが、パチンコの中毒性を知っている私からすると理解できる一面もある。

おそらく、離婚したとしても確実に行くだろう。ギャンブル依存症を治療してくれる病院や、専門の相談所に行くしか選択肢はないと思う。それだけ依存症を克服するのは難しい。

まとめ:パチスロをやるメリットはない

私の実体験をはじめ、ネットで見かけた体験談を紹介させてもらったが、これだけは覚えておいてほしい。「スロットに手を出したら後悔しか残らない」と。

もし、大学入学当時の自分に声を掛けることができるとしたら、例えトイレ利用だけだとしても、絶対にパチンコ店へ足を踏み入れるな!と言ってやりたい。

ギャンブルをやらない人からするとあり得ないお金を失った。しかし、それ以上に、どれだけ膨大な“時間”を失っただろう。お金はこれから稼いで取り戻せる可能性はあるが、失った時間だけはどうすることもできない。その時間を他のことに費やしていたら、きっと違った人生を歩んでいたと思う。

とはいえ、友人と共有した時間や、勝った日に豪遊まがいのドンちゃん騒ぎは楽しい思い出として刻まれている。しかし、それを加味しても後悔の気持ちが圧倒的に大きい。

最後に、覚醒剤の撲滅キャンペーンなどで「覚醒剤やめますか?それとも人間やめますか?」というフレーズを良く耳にする。それをパチンコ・スロットに置き換え、利用者およびこれから利用するつもりの人に届けたい。

パチンコ(スロット)やめますか?それとも人間やめますか?

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