2023年2月6日、浜名湖で開催された「オールB級東海地区選手権」。最終日12Rに出場した石原翼が、インコースから逃げてデビュー初優勝を果たしました。
2017年5月のデビューから約6年、通算6度目の優出にして達成した水神祭。同期の「前田篤哉・佐々木完太」らに先を越されていたので、本当に嬉しい勝利だったことでしょう。
レース映像は以下をご覧ください。
石原翼が優勝したのは、レース名にもあるように”オールB級”で争われた大会。
出場する選手はB1級以下しかいないため、見方によってはレベルの低い戦いと感じるかもしれません。しかし、優勝戦メンバーを見ての通り、優勝およびA級経験のあるレーサーばかり。
本番ではインから”コンマ03”という驚異的なスタートタイミング。
また、2号艇の倉田茂将もコンマ04でスリットを通過し、3カドの服部剛に付け入る隙を与えない展開。そして、服部もまずまずのスタートを決めたことで、ダッシュの脅威はほぼない状況となります。
こうなれば石原翼の独壇場!
一切邪魔の入らない1マークを迎え、他艇を寄せ付けないターンでイン速攻を成功させます。その後も差を大きく広げていき、10艇身以上引き離した状態でゴールしました。
レース映像では見えにくいですが、ゴールと同時にガッツポーズしています。
レース後の水神祭では、仲間たちから地元浜名湖の水面に投げ込まれ、普段はあまり見せない万遍の笑み。
陸に上がってすぐの勝利者インタビューでは…
最高です!(水冷たくなかったですか?)冷たくないです!また優勝できるように頑張ります。応援お願いします。
待ちに待った優勝を果たすことができ、興奮状態はMAXだったのでしょう。真冬の水面に落ちても寒さを感じなかったようですw
その後、優勝インタビューが行われ、少し落ち着いた様子で以下のように回答しています。
すごい嬉しいです。ドリーム自体が初めてだったので、ファン投票ということもあって選んでもらってとても嬉しく思ってます。しかも、1着を獲れたんで凄い嬉しかったです。
(舟足は?)もう初日の時点で手応えはあって、ピンピン(1着1着)獲れたんで、流れは来てるんじゃないかなぁと思いつつ、平常心で走ってました。
(ゴールした瞬間は?)全速でゴールラインを通過したんで、手振ったり、ガッツポーズしたりしましたけど、しっかりは見られず(笑)でも、地元で優勝できたのでとても嬉しいです。
優勝できてとりあえずホッとしてます。
(今後は?)ターンで魅了できるようなレーサーになっていきたいです。たくさんご迷惑をおかけすることもありましたが、こうやって地元で優勝させてもらってとても嬉しく思います。
実は2年前の2021年2月、今回優勝したレースと同じ「B級東海地区選手権」でも優出1号艇に乗った石原翼。
この時はデビュー通算3度目の優出。優勝戦1号艇に乗ったのは初でしたが、4コースからトップスタートを決めた服部幸男にまくり差しを許して4着。チャンスを活かせず悔しい思いをしています。
その経験があっただけに、2年越しのリベンジ達成は嬉しかったはず。
石原翼とは?
公式画像 | |
名前 | 石原翼(いしはらつばさ) |
登録番号 | 4989(120期) |
生年月日 | 1997年5月14日 |
身長/体重 | 161cm/52㎏ |
血液型 | A型 |
出身/所属 | 静岡県/静岡支部 |
石原翼は静岡県出身、120期のボートレーサー。養成所でのリーグ戦勝率は6.46、準優出3回、優出2回とまずまずの実績を残しています。
2017年5月5日に地元浜名湖からデビューし、初勝利は約6ヵ月後の同年11月。ただ、それ以降はパッとした成績を残すことができず、そこから初優出までに約2年、初優勝はデビュー7年目。
そんな中、2022年には各場が2名推薦する「フレッシュルーキー」に選出されています。
石原純夫(祖父)・石原光(兄)も同じボートレーサー
石原翼の実兄「石原光」も同じボートレーサーです。弟(翼)2年後の2019年5月16日にデビューし、僅か3ヵ月で初勝利を達成しています。
そんな兄弟レーサーの祖父「石原純夫」も元ボートレーサー。古くて記録は見当たらなかったものの、桐生G1(第1回赤城雷神杯)で優勝した実力者です。
師匠は静岡支部の原豊土
師匠は同支部の「原豊土」。
2007年以降、16年連続A級を維持しており、これまでの通算優勝回数は10回。重賞制覇はまだ達成していませんが、2001年のデビューから安定した成績を残しています。
過去のインタビューでも「前検で師匠の原豊土さんからペラを教わってきた。出足がしっかりしています。風の割に乗りやすかった」と話すなど、頼れる存在であることは確か。
今回、弟子の優勝を誰よりも喜んでいることでしょう!
高校時代、レンタルカートの東海チャンピオン
石原翼は高校時代、「レンタルカート」でも輝かしい実績を残しています。
レンタルカートとは、子供から大人までが楽しめるモータースポーツ。日本自動車連盟(JAF)が発行するライセンスは8歳から取得することができ、ライセンスを持っていれば全国サーキット場で走行が可能です。
誰でも気軽に楽しめるスポーツである一方で、日本国内や海外で大会が開催されている本格的な競技でもあります。
当時高校生だった石原翼は東海チャンピオンに輝き、台湾遠征の権利を獲得。その台湾大会でも優勝するほどのトップ選手だったみたいです。
ちなみに、上記記事に記載の通り、この頃から競艇選手を目指していたとのこと。
同期(120期)の注目選手
石原翼と同じ120期には、既にG1で活躍しているレーサーが2人います。
1人はデビュー2年目にしてA級へ昇格した「前田篤哉」。20年に最優秀新人に選ばれると、22年には4勝を挙げる活躍。同期で最も重賞制覇に近い存在といえます。
※前田篤哉は2022年トップルーキーにも選出された逸材。
もう1人は21年頃から勝率を伸ばしている「佐々木完太」。22年4月に初優勝を果たし、勢いそのままに猛者が集うG2(モーターボート誕生祭)で優勝してしまう快挙を達成。
今のところ少し先を行かれていますが、同期のライバルとして良い影響を受けていることでしょう。
まずは2勝目&A級昇格を果たしてもらい、いずれはG1・SGでの活躍を期待したい!