2023年4月25日、艇界のトップレーサー「金子龍介」が引退。2021年の転覆事故で大怪我を負って以降、オフィシャルサイトから選手ページが削除。その後、復帰することなく現役引退となりました。
金子龍介といえば、長きに渡って兵庫支部を支えてきたベテランレーサー。2006年に下関でG1初優勝、2020年にダービーでSG初優出を果たすなど、輝かしい成績を収めています。
そして、誰からも愛される人間性を兼ね備え、若手に負けない人気レーサーでした。
金子龍介選手が引退。大好きでした。
— レノソ (@johnrenontan) April 25, 2023
何度でも言いたい
— しょだ🥜🍽💥 (@vw_wp0000) March 7, 2023
兵庫支部は金子龍介が一番好きだ
現役は無理やったとしても、元気でいて欲しいな
レースは長期欠場していたものの、あまりにも突然すぎる引退報道。まだまだ活躍できるポテンシャルがあっただけに、往年のファンとして非常に残念です。
金子龍介の引退理由は?
あくまで個人的な憶測ですが、金子龍介の引退は「2021年8月27日の住之江」のレースが関係していると思われます。
5艇失格で全返還…金子は意識不明に
2021年8月、住之江で開催された優勝戦。
4号艇が凹むスタートとなり、半艇身ほど出ていた6号艇が内に絞っていく展開。しかし、ダッシュ2艇がレバーを緩めなかったことで、スロー3艇を巻き込む大事故に発展。
ボートが大きく空中を舞うほどの大クラッシュ。この事故で3,4,5号艇は激しく転覆します。
なんとか難を逃れたように見えた金子龍介でしたが、実はこの時、3号艇の艇先が金子の頭部に激突していたのです。
接触後、意識を失った金子は全く動かず。1号艇が2周1マークに進入した際の映像でも、アイドリング状態のままその場でぐるぐる回っているだけ。
後で分かったことですが、ボートがぶつかった瞬間から意識不明だったとのこと。
2022年10月に選手ページ削除
住之江の優勝戦以降、金子龍介は入っていた斡旋を全て欠場。さらに、2022年10月、オフィシャルサイトの選手ページが削除されました。
当然、この情報を知って「引退」と紐づけるファンは多かったです。ただ、選手ページが検索できなくなっても復帰することは多く、怪我による一時的な長期離脱のケースも沢山あります。
そんな中、マクールが報じた今回のニュース。
21年8月、アクシデントに見舞われた。住之江一般戦の優勝戦で、ゴールしたのが1艇のみという大事故が発生。2号艇の金子は他艇と接触し大怪我をした。あれから1年半以上経過したが、水面に戻ることなく引退することとなった。
引用元:マクール
この報道を受けて、ファンからは引退を残念がる声や、現状の容態を心配する声が多数投稿されています。
金龍さん‥あの事故から復活出来なかったか‥私生活とかは大丈夫なんだろうか‥
悲しい…
あの大事故から復活してまたグレード戦線で戦う姿が見たかった
現在の容態を知る術はありませんが、掲示板サイト(Yahoo!知恵袋)では「未だ意識不明」といったコメントも。事実でないことを祈るばかり。
金子龍介(金龍)とは?
公式画像 | |
名前 | 金子龍介(かねこりゅうすけ) |
登録番号 | 3795(77期) |
生年月日 | 1973年1月31日 |
身長/体重 | 163㎝/52㎏ |
出身/所属 | 兵庫県/兵庫支部 |
優勝回数 | SG:0回 G1:1回 G2:0回 G3:5回 一般:54回 |
デビュー日 | 1995年11月 |
引退日 | 2023年4月 |
金子龍介は兵庫県神戸市出身、77期のボートレーサー。愛称は「金龍」。
中学を卒業してすぐオーストラリアに留学。帰国後、定職には就かずフリーター生活を送りますが、父親に競艇選手を勧められて本栖研修所(現ボートレーサー養成所)を受験します。
しかし、何度受験しても合格できず。一度は諦めたそうですが、兵庫支部の紹介で「艇運」のアルバイトを開始。その時に知り合った「松本勝也」元選手がきっかけとなり、7度目の試験で無事合格を果たしました。
恩人でもある「松本勝也」さんは、2020年2月の事故で殉職しています。
水神祭一覧(初出走・優勝)
水神祭 | 年月 | レース |
---|---|---|
デビュー | 1995年 | 尼崎一般戦 |
初優勝 | 1997年5月 | 三国一般戦 |
G3初優勝 | 2000年4月 | 多摩川新鋭リーグ |
SG初勝利 | 2004年12月 | 住之江グランプリ |
G1初優勝 | 2006年10月 | 下関周年記念 |
1995年の尼崎一般戦でデビューし、約2年後の三国で初優勝を達成。それ以降も順調に勝ち星を重ねていき、2006年の下関周年記念で悲願のG1初制覇を成し遂げます。
このレース、金子は最も不利な6号艇(5コース進入)。また、井口佳典・今村暢孝ら強敵がいる中、圧巻の”差し”で1着を勝ち取りました。
デビューから引退までの通算成績
- 出走回数:5892走
- 1着数:1773勝
- 勝率:6.83
- 優出回数:257回
- 優勝回数:60回
ご覧の通り、A1級の中でもトップクラスの実績を残しています。
これまでの1着数は1773勝を数え、あと数年現役を続けていたら「2000勝レーサー」は間違いなかったはず。
同期(77期)の主な選手
同期(77期)で注目の選手は、これまで30勝以上挙げている「田中豪・佐藤大介・一宮稔弘」や、女子界の人気レーサー「五反田忍」など。そのほとんどがA級で活躍中です。
ちなみに、77期でSGを制した選手は1人もいません。
133期「金子龍斗」は実の息子
2022年10月にボートレーサー養成所へ入所した133期「金子龍斗」は、金子龍介の息子です。
無事に卒業できた場合、プロデビューするのは2023年11月。親子対決を見ることはできませんが、父親が成し得なかったSGレーサーを目標に頑張ってもらいたい!
133期は姻戚関係のある訓練生が15名。飯山晃三の息子、三嶌誠司の娘らに注目が集まっています。