競輪といえばラインによるチーム戦、そしてラインといえば「八百長」を連想をする方が多いはず。
ネットの口コミにも「競輪って八百長ですか?」といった投稿が散見され、悪いイメージが先行しているように思えます。
はたして、本当に八百長のような悪事は行われているのか?
同じ公営ギャンブル「競艇」では、2020年に「西川昌希」が八百長で逮捕されました。数千万円と荒稼ぎしたようですが、競輪にも同様の人間がいたら…と考えるとゾッとします。
競輪では公式発表された八百長事件は未だゼロです。とはいえ、疑惑がずっと昔から語り継がれているので、その辺について持論を述べたいと思います。
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競輪で八百長を疑うネットの声
ネット上には「競輪の八百長」に関する口コミで溢れています。特に多かった知恵袋・ツイッターの口コミをいくつか紹介します。
Yahoo!知恵袋に質問された八百長疑惑
競輪って基本的に八百長OKらしいけど、そんなことをして誰が儲けているの?ひょっとして出場している選手全員が組織ぐるみってことですか?
まだ始めたばかりの初心者ですが、身内同士で助け合うラインって意味が分かりません。これって八百長ですよね?
公営ギャンブルの中で競輪が最も八百長しやすいと聞きましたが、なぜそのような競技ルールを公式で認めているんですか?
「Yahoo!知恵袋」で検索してもらえると分かりますが、競輪の八百長に関する質問はめちゃくちゃ多いです。それだけユーザーから疑われている証拠。
ただ、中にはかなり具体的な八百長を指摘している投稿もあって、何も知らずに読んでいると競輪が嫌いになってしまいそう。
大の競輪ファンからすると残念すぎます。
ツイッターに投稿された八百長疑惑
中学生のとき、ダビスタ貸してくれた友達のお父さんが、競馬大好き人間だったんだけど、地元、競輪も競艇もあるけど、なんで競馬?って話に、競艇と競輪も人がやっている以上八百長があり得る…でも、馬なら、馬の意志を人間は完全に制御できない、僕は馬を信じてるんだよって真面目な顔で言ってた。
— ピエール手塚🍙 (@oskdgkmgkkk) March 22, 2021
競輪八百長かどうか知らんけど振りでいいから最後まで頑張ってる所見せてよ!早々に諦めてたりゴール直前で諦めた感じやめてほしい#競輪
— 夢子 (@46394639KT) March 12, 2022
「人がやっている以上八百長があり得る」という言葉、凄く共感を覚えます。
公営競技はほぼ人間によって勝敗が決するので、やろうと思えば負けることなんて余裕で出来てしまうのです。選手次第で何とでもなるのが現実であり、八百長があっても不思議なことではありません。
八百長が疑われている競技は競輪だけじゃありません。競馬・競輪・オートレースだって疑惑は沢山ありますから…
【結論】競輪に八百長はある
個人的に「競輪に八百長はある」と感じています。
その考えに至った理由をお伝えするので、もし異論のある方はコメント欄に投稿してください。
ラインは公認された八百長のようなもの
競輪のラインとは、同じレースに出走する選手同士で助け合う戦法のこと。
もちろん、ラインで戦うことはレースを有利に進めるのが目的であり、競輪ファンにとってライン予想は醍醐味のひとつでもあります。
しかし、そう捉えるのは競輪の知識がある人間のみ。初心者目線からすれば「八百長」と思われても仕方なく、順位操作しているように見えて当然。なぜなら…
- 同じライン内で談合が可能
- 意図的に勝たせる選手を決められる
- 意図的に負けることができる
ラインはいわゆる”仲間”である以上、自分たちの利益になる戦略を立てます。
その際、勝敗に関係する談合が行われていない確証はありませんし、ひょっとしたら「わざと負けよう」などと決められている可能性だってあります。
さすがにそこまで悪質な選手はいないことを願いますが、そもそも「ライン」という仕組みが疑惑の張本人なのです。
八百長の定義を調べてみるとこう記されています。
八百長とは、事前に示し合わせて勝負へ挑み、あたかも真剣に競っているように見せかけること。
「事前に示し合わせて勝負へ挑み…」これってまさしくラインのことですよね(笑)
この定義が正しいのであれば、競輪を八百長と呼ぶのは間違いではない気がします。ただ、それでも年々ファンが増加しているのには理由があるのです。
結果が決まっている”出来レース”ではない
八百長とほぼ同義語に「出来レース(できレース)」という言葉があります。できレースとは…
談合などにより、始める前から結果が分かっている勝負や競争。
実際、やっていることは八百長に該当するかもしれませんが、決して”出来レース”ではありません。ラストの直線は個人戦。食べていくための賞金を稼ぐために全力を尽くしています。
「八百長」も「出来レース」も本来はほぼ同じ意味を持つ言葉。
しかし、八百長はあったとしても、結果が分かっている出来レースではない。それが私の考えです。
日本語ってほんと難しい。頭では理解しているのに言葉では表現できない。分かりにくかったらすいません…
八百長の抑制にも繋がっている代謝制度
競輪選手にとって何よりも怖い引退宣告。
選手たちは賞金で生計を立てているので、仮に現役を退いてしまうと食べていけなくなります。肉体的な衰えが原因ならまだしも、それ以外に「代謝」という厳しすぎる制度があるのです。
競輪の代謝制度とは?
代謝制度とは「成績が悪かったらクビにするよ」といった制度。
ボートレースにも同じような制度はありますが、最悪でも引退勧告まで。その為、本人が引退する意向でなければ選手でい続けることは可能。※競艇場からお声は掛からず賞金は稼げませんが。
一方、競輪では決められた基準をクリアできなかった場合、強制的に引退させられます。これを業界用語で「代謝」と呼びます。
競艇は”4期通算”の基準をクリアできないと引退勧告の対象となる。
代謝制度の仕組み&適用される条件
- A級3班の選手
- 2期連続もしくは3期通算で競争得点が70点未満
- 各期で条件を満たせなかった30名
代謝が適用されるのは「A級3班」の選手。A級3班は競輪学校を卒業した新人選手たちが属し、男子では最下級の階級です。
それらの選手を対象に、1年2期制(前期1~6月・後期7~12月)のそれぞれの期で審査が行われます。そして、3期通算で70点未満だった選手の30名が強制的に引退となります。
分かりやすく解説するとこんな感じ。
1期目 | 2期目 | 3期目 | 平均 | 結果 |
---|---|---|---|---|
65点 | 66点 | 69点 | 67点 | 対象 |
65点 | 67点 | 71点 | 68点 | 対象 |
66点 | 69点 | 75点 | 70点 | 対象外 |
65点 | 72点 | 67点 | 68点 | 対象外 |
1番目の選手は3期とも70点を下回っているので対象となり、競争得点の低い下から30名に入っていれば強制的に引退となります。
2番目の選手は3期目だけ70点を超えていますが、2期連続で70点以下、通算平均で70点を下回っています。1番目の選手同様、代謝制度のリストに加えられます。
3番目の選手は3期通算が70点を超えたので対象外。4番目も2期目にクリアしているので対象外。
ですが、リセットされた期に再び67点となり、残された期間は1年(2期)。次期で70点を超えるか、3期通算で平均70点を超えることが必要です。
ガールズケイリンの代謝制度
- 2期連続もしくは3期通算で競争得点が47点未満
- 各期で条件を満たせなかった3名
男子同様、ガールズケイリンにも代謝制度はあります。適用される条件は異なり、男子で70点だったものが47点、30名だったものが3名となります。
八百長すればするほど代謝に近づく
現在、競輪場で入っている選手たちは、倍率10倍前後といわれる養成所へ入所し、厳しすぎる訓練を10ヵ月もの期間耐え抜いた者たちです。
厳しいルールを守りながら、競輪選手として活躍するために寮生活を送り、過酷なトレーニングを日々おこなっていきます。その過酷な環境は、アメリカ海軍の『ネイビー・シールズ』に匹敵する厳しい世界ともいわれています。
出典:ウィンチケット
また、公営ギャンブルの中では選手寿命が短い方なので、1日でも現役を続けたいのは皆同じでしょう。
その状況下で自ら自滅するようなことをするでしょうか?
八百長とは基本的にわざと負ける行為。当然、着外を繰り返していると競争得点は下がり、代謝(強制的に引退)となる可能性は高まります。そのリスクを負ってまで”出来レース”を企てるとは到底思えません。
まぁ、絶対にないとは言い切れませんが、限りなくゼロに近いはず。
代謝争いをしている選手に勝ちを譲る行為はありそう
競輪は個々の実力が明確に表れる競技であり、予想がしやすいギャンブルといえます。
しかし、競馬(馬)とは違って競輪選手は人間。
同じ競艇場に所属している選手をはじめ、何かしらの縁がある選手との間には情が生まれます。その為、ゴール前で僅差だった時など、そういった選手に勝ちを譲るケースはあるかもしれません。
仮に、日頃から可愛がってる選手が成績不振で代謝間近だった場合、成績上位者であれば手を抜くこともあるでしょう。競輪はそれが可能な競技ですから。
もちろん確証のある情報ではありません。
でも、その情に流される行為はどの世界でもあり得るので、予想する際のヒントにすることをおすすめします。
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過去にあった疑わしき競輪の八百長事件
他サイトで報じられていた「疑わしき八百長事件」を紹介します。
ただし、その情報のソースは見つからなかったので、ガセである可能性も考慮しつつご覧ください。
背番号の入れ替え事件(1950年9月)
伊東競輪で開催されたレースにて「1着と2着の背番号を入れ替えて着順を操作した」と、坂口安吾さん(小説家)が異論を唱えたらしい。
坂口さん的にどうしても納得がいかなかったのか、静岡県自転車振興会に「判定写真を偽造して騙した」と告発。その記事を読売新聞が取り上げたことにより情報が拡散し、競輪ファンの間で話題になったみたい。
ただ、その告発は認められず、嫌疑不十分となっています。
客に車代を贈与(1959年6月)
松戸競輪で開催されたレースにおいて、着順の判定結果に客が納得できず、ちょっとした暴動が勃発。何もやましいことをしていなければ厳正な対応をするはずが、面倒な客だけ「車代を贈与」してしまう失態。
いくら面倒だったとしてもお金を渡しちゃアカンでしょw
白鳥伸雄のパンク事件(1960年9月)
西武園競輪のとあるレースにて、断トツ人気で売れていた白鳥伸雄。しかし、スタート直後に自転車がパンクしてしまい、白鳥選手が飛んで特大車券となるはずが、なぜだか激安配当。
レース前から結果を知っていたやつが大金を投じていた?そう感じた客が怒って八百長を疑ったようです。
誤打鐘で立て籠もり事件(2000年2月)
立川競輪で開催されたアシアナカップ決勝、打鐘を担当する人が周回間違いで鐘を打ってしまいます。
問題はここから。本来、規則では「打鐘を誤って鳴らした場合は不成立」とあるのに、立川競輪の主催者はレースを続行。規則を知っている客がいればなおさらですが、怒り狂うのは当たり前。
その怒りはレース終了後も収まることなく、一部の客が場内に立て籠もる事件に発展したそう。
約2億円あった売上を考えてのことでしょうが、あまりにも公正さに欠ける判断ですね。
大久保花梨の携帯持ち込み事件(2018年3月)
久留米競輪で開催されたレースにて、期待の新人「大久保花梨」選手に八百長疑惑が。
疑われた理由は、彼女の実力ではあり得ないほどの失速と、持ち込み禁止となっている携帯電話が見つかったこと。
結局、携帯は契約が切れていることが判明しましたが、規約違反により即日契約を解除されました。
大久保選手は一目置いている女子選手だったので、凄く残念な事件だったと記憶しています。ただ、事件以降も腐ることなく活躍してくれて何より!
まとめ
今後も「競輪の八百長疑惑」が消えることはないでしょう。
ひとつだけ理解してほしいのは、ラインを予測することこそ競輪の楽しさなのです。
それを八百長で終わらせてしまうのは勿体ない!展開を読めるようになると車券で勝てるようになるので、ぜひとも考え方を改めてほしい。
最後に、公営ギャンブルの中で競輪予想が最も難しいと思います。覚えることは沢山あるし、八百長のことまで予想に加えないといけない(笑)
勝つことを優先するなら、競輪予想を専業としている予想サイトに頼ってみてはいかがでしょうか?以下の記事で「検証済みの優良サイト」を紹介しているので、負け込んでいる方はぜひ!
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