2023年3月8日、唐津「第7回楽天銀行杯」の優勝戦。チルト2度の伸び仕様で挑んだ「堀之内紀代子」が。イン屋たちを豪快にまくって1着でゴール。今年に入って2度目、通算11勝目を挙げました。
それにしても、2022年末頃からまくりに目覚めた”堀之内紀代子らしい”レース展開。
6コースからトップスタートを決めると、チルト2度を活かした圧巻の伸び。見ていて興奮してしまうほど、内側5艇を軽々とまくって快勝!
また、3連単の配当は11番人気の3,480円で、圧倒的に不利な6コースで勝ったとは思えない低配当。それだけ堀之内のまくりが信頼されていた証拠でしょう。
優勝戦は「イン屋 vs まくり屋」
優勝戦メンバーは、艇界を代表するイン屋「今村暢孝・深川真二」と、まくり屋「堀之内紀代子」。正反対の戦い方をする構成とあって多くの注目を集めました。
とはいえ、最も買われたのは高いイン勝率を誇る今村暢孝。相手はどんな状況でも前づけを敢行する深川真二。この2人が内側2コースに座れば、ガチガチの決着を予想するのは当然です。
そんな中、堀之内紀代子はチルトを2度の超伸び型セッティングで登場。しかも、コース取りは行わず、自ら大外6コースを選択。
迎えた優勝戦。堀之内紀代子はコンマ18のトップスタート。ただ、絞っていけるほどではなかったように感じましたが、異次元の伸びを見せて他5艇を丸飲み。
今村暢孝も仕上がりは抜群だったものの、こんなまくりをされたら成す術がありません。
優勝戦前日、今村暢孝は「堀之内紀代子選手の伸びがすごいね」とコメント。まさにその恐れていた伸びにやられてしまう結果となり、裏を返せば”悔いの残らない負け方”だったかも。
堀之内紀代子は2023年も絶好調
今大会の優勝は今年2度目、通算11度目の優勝です。また、今年2回の優勝はともにまくり決着。強みである伸びを活かして結果を出しています。
堀之内紀代子が6コースから優勝したのは初めてのこと。過去に3コースと4コースのまくり実績はありますが、5コースより外側の優勝はなし。要は、以前にも増して旋回力・調整力が進化しているのでしょう。
オールラウンダーだった10年前と比べると、現在はまくりが主体。レーススタイルがガラッと変わっていることをデータが表しています。
以下はこれまでの優勝一覧。
開催日/場 | 進入 | 決まり手 |
---|---|---|
2012年1月/児島 | 2コース | 差し |
2012年3月/下関 | 3コース | 抜き |
2013年12月/三国 | 4コース | 差し |
2015年12月/大村 | 3コース | まくり差し |
2016年6月/浜名湖 | 4コース | まくり |
2020年9月/福岡 | 1コース | 逃げ |
2020年10月/津 | 1コース | 逃げ |
2022年7月/芦屋 | 3コース | まくり |
2022年10月/びわこ | 1コース | 逃げ |
2023年1月/鳴門 | 3コース | まくり |
2023年3月/唐津 | 6コース | まくり |
堀之内紀代子がチルトを跳ねるようになったのは2022年末頃。全レース”チルト3度”にするなど、その時期から勝率を大きく上昇させています。
以下の記事”堀之内紀代子の凄さ”を余すことなく解説しています。
師匠と慕う「仲道大輔」の存在
堀之内紀代子が現在の伸び型を取り入れるきっかけとなったのは、昨年9月”蒲郡52号機”との出会い。
52号機は前節に「仲道大輔」が乗っていたモーター。堀之内紀代子はそのままのセッティング(チルト3度)で乗り継ぎ、抜群の伸びを武器に節間5勝をマーク。
そのことをきっかけに仲道大輔との交流が始まり、伸び型調整の情報交換をする間柄になったようです。
仲道君は優しいので「あそこのレース場はこうでした」と情報を教えてもらって、私が次に行ったら2回くらい優勝しました。全部仲道君のおかげ
あの日の蒲郡52号機、そして仲道大輔との出会いがなければ、今の超伸び型の堀之内紀代子ではなかったかもしれません。まさに運命の出会いですね!
艇界で数少ないまくり屋に注目
チルトを跳ねる調整は、出足やターン回り、操縦性を犠牲にする諸刃の剣。あまりにもリスクが大きく採用する選手が少ないだけに、番組表にいたらワクワクしてしまうのも事実。
実際、堀之内紀代子はまくり特化のレーススタイルでファンを増やし、レディースオールスターに初選出されています。
今後どのような活躍を魅せてくれるのか?急成長中の堀之内から目が離せません!