2023年2月1日のレースで「滅多に起きない珍事」が発生。無駄に競艇歴は長いですが、今回のケースを目の当たりにしたのは初めてかもしれません。
珍事が起こったのは徳山「ニッカン・コム杯争奪戦」5R。
ほぼ同体のスタートで1マークを迎え、山口裕二と品川二千翔が競り合う展開。
そんな中、2号艇「廣瀬将亨」がキャビったところに深井利寿が追突。その衝撃で廣瀬は転覆してしまいます。※深井は転覆させたことにより妨害失格。
1周2マークで2着目だった山口裕二が抜き返し、ホームストレッチでは「①山口・③品川・⑥渡部・④宮地」の並び。
1マークには転覆した廣瀬を乗せた救助艇がいるので、手前で減速して外側を旋回するのがルール。また、先行している艇が優先され、同体の場合は内側が優先となります。
この時点で99.9%の競艇ファン「1-3-6で決まりか」と思ったはず。しかし、ここからまさかの”順位変動”が起こります。
スクショした画像で一部始終をご確認ください。
バックストレッチでは「1-3-6-4」の隊形でしたが、2マーク手前で宮地元輝が急接近。
そして、通常のレースと変わらない様子で渡部悟を差し、2周1マークでは完全に抜き去って順位を1つ上げたのです。おそらく、レースを観戦した人たちはこう感じたでしょう。
事故艇がいたら抜かしちゃダメだろ。こんなことが認められたら何でもありになってしまう。
1-3-6の舟券持ってるのに何してくれてんの?これって宮地はルール違反で失格っじゃないのか?
実は私も「1-3-4」に厚張りしていたので、文句を言いたくなる気持ちは痛いほど分かります。
ただ、宮地の行為は競艇のルール上問題ありません。
事故艇がある場合の正式ルール
競艇は「モーターボート競走競技規程」にしたがってレースを行っています。
もちろん、事故艇がある場合のルールも細かく定められており、宮地の追い抜きはルールに接触しない行為と言えるでしょう。以下が今回のケースに関連する規定内容です。
競走規定(第23条)の一文
モーターボートは、スタート後ゴールインするまでの間、事故艇又は救助艇がある場合は、当該事故艇又は救助艇と安全な間隔を保って航走しなければならない。
ターンマーク付近において救助艇又は事故艇がある場合は、審判委員長の指示により、その外側を(救助艇又は事故艇の外側に安全な間隔がない場合にあっては、その内側を)航走しなければならない。
「事故艇または救助艇と安全な間隔を保って」とあるように、追い抜き等が禁止されているのはあくまで事故現場付近。
今回、宮地元輝が追い抜いたのは「事故艇・救助艇がいない場所」なので、安全な間隔を保つ必要はありません。
裏を返せば、安全義務が課せられていないところでは、通常通りのスピードで走行しろ、ということ。
宮地元輝の追い抜きにファンからは賛否両論
滅多に起こらない珍事ということもあって、宮地の追い抜き動画は恐ろしいスピードで拡散しています。
そこで気になるのが視聴者(競艇ファン)の感想。いくらルール上問題ないとはいえ、本番レースで同じ行為をする選手はほぼいません。はたしてどんなコメントが寄せられたのか?
昭和末期平成初期は、レスキュー避ける以外は当たり前でしたが…
ルール知らない人多くてゲンナリするな。別に違反行為じゃないし、宮地は悪くない
みんなのコメント6番について叩いてるけど、それなら1も事故がわかっていながら抜いてるから、ダメって理論だぜw
ルール上セーフだけど最近では暗黙のルールで抜けそうでも抜かないよね。これ1-3-6持ってた人は万舟だしブチ切れるよ
宮地ってこんな奴だったとは幻滅したわ。モラルないの?ボート道外れた行為しやがって
ルール云々じゃない、ここ意地で勝つとこじゃない。宮地ってボート道ないのか?
賛否の声を平等に紹介しましたが、実際に投稿されているコメントは肯定派が多め。
ちなみに、私個人としては否定派。肯定している意見はどれも間違っていませんが、事故レースでこれがまかり通ると危険なレースが増えるような。
ギリギリまで競って事故艇または救助艇に衝突したり、同支部や先輩後輩の間柄で八百長っぽいレースが増えたり。
直近でも「田頭実・中村亮太」の八百長が騒がれてますし・・
いずれにしても、そういったリスクを減らすためにルールの見直しが必要だと思います。