競艇ファンの間でよく話題に挙がる「ボートレーサーの収入事情」。
例えば、ボートレーサーの平均年収が約1,700万円であったり、SGグランプリで優勝賞金は1億円だったり。そうしたよく耳にする情報は既にご存じだと思います。
ただ、ボートレーサーが1節で得ている収入はいくらぐらいなのか?その詳細に関して把握している人は少ないはずです。
予め伝えておくと、賞金以外の収入はかなり充実している業界。予想の役には立ちませんが、この機会に競艇の豆知識として覚えておきましょう。
競艇選手の年収については以下の記事が参考になります。
給料の内訳は「賞金と手当」
数千万円~1億円以上稼ぐトップレーサーの場合、収入のほとんどは賞金で成り立っています。
しかし、そのような選手は約1,600名いる中のごく僅か。また、賞金は1~3着の選手しか貰えないので、舟券に絡むことのないB級選手たちは「賞金」という収入がほぼないのです。
それでもボートレーサーを続けられる理由は、成績に関係なく支給される「手当」があるから。
賞金以外の収入減となる手当一覧
完走手当 | ゴール(完走)すれば賞金とは別に着順に応じて支給される |
出走手当 | レースに出場することで支給される日当のような手当 |
ナイター手当 | ナイター場に出場すると支給される |
荒天手当 | 悪天候(荒天時)のレースに出場すると支給される |
スタート無事故手当 | 節間でフライングが1度もない選手に支給される |
参加賞 | 斡旋された全選手に支給。協賛品が支給されることもある |
特別参加賞 | SG・G1に選出されると支給される |
交通費 | 開催場まで公共交通機関を使用した往復の交通費が支給される |
3着以内に入れず賞金を稼ぐことができなくても、斡旋されレースに出場するだけでそれなりのお金が支給されます。
競艇場の売上(1号場・2号場)によって異なりますが、とりあえずレースに参加すれば約2万円の日当が出る他、ナイター開催や荒天時なら手当をより多く貰えます。
さらに、開催場までの交通費は競艇場側が全額支給。仮に所持金がなくてもレースには参戦可能です。
B2級が1節で得られる収入額
着順 | 賞金額 |
---|---|
1着 | 107,000円 |
2着 | 75,000円 |
3着 | 51,000円 |
4着 | 0円 |
5着 | 0円 |
6着 | 0円 |
勝率2~3点台の「B2級選手」の場合、出場するレースはほとんど4着以下。その為、上記表の賞金は獲得できないので、主な収入源は「手当」となります。
サラリーマンの感覚からすると、手当だけで生活を維持するのは不可能に感じるでしょうが、ボートレーサーというのはそれのみでも最低限の生活が保障された職業なのです。
ほぼB2級だった元レーサーの懐事情
JLCレジャーチャンネルに元レーサー「佐藤享子」が出演し、1節で得られる収入額などいろいろ語っています。
動画内で話していることをまとめると…
レース毎月やるじゃないですか?どれぐらい稼げるんですか?
これはもちろんピンからキリですけど、上は何億という選手も。
下(の選手)でも1000万円とかですよね?
いや、1番下は1000万円は多分いかない。まぁでも、それなりにはもらえます。
仮に走って6着だったとするじゃないですか。6着ってお金もらえるんですか?
もらえます!賞金という括りではないんですが、完走手当といってゴールさえすればもらえます。
全然勝てなくて全部6着だった場合、いくらぐらいもらえるんですか?
出場するレース場、節間の日数によって変わってくるんですけど、4日で最低11~12万円。6日で最低20万円程度。あと、ナイターとかだったらもうちょっともらえる。
ナイターなら全て6着でも「最低20万円以上」は貰えるとのこと。
命を懸けて戦っているので決して高額とは思いませんが、20万円といえば新卒の初任給ぐらい。その収入を最下級でもたった数日間で稼げるのは、かなり恵まれた環境といって良いでしょう。
ただし、ボートレーサーは結果が全ての厳しい世界。成績不振が一定期間続いてしまうと、強制的にクビとなるルールが存在します。
4期通算という鉄の掟
- 4期通算勝率が3.80未満
- 4期通算事故率が0.70以上
- 4期通算の出走回数が60回未満
上記の条件をクリアできず、1600人枠の定員をオーバーした場合、競走会から「引退勧告」が言い渡されます。
引退勧告を受けても居残ることは可能ですが、競艇場から呼ばれることはありません。したがって、自ら引退届を提出する以外に選択肢はないでしょう。
要は、手当のみで食い繋げることはできても、その生活には限りがあるということ。
あまり耳にしないだけで、4期通算で競艇界を去っていった選手は腐るほどいます。少し可哀そうな気もしますが、それだけ生き残るのが難しい業界なのです。
4期通算には様々なルールがあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。