約70年続くボートレース史において、またひとつ輝かしい記録が打ち立てられました。
2022年2月12日、芦屋一般戦「第11回楽天銀行杯」の開催4日目6R。1号艇で出走した「小野勇作」が5,000走スタート無事故記録を達成。
節目となったレースは、コンマ19のスタートからイン逃げで快勝。”小野勇作らしい”と言ったら失礼ですが、3番手のスタートでリスクを取らない安全なタイミングでした。
偉業達成を受けて以下のように回答しています。
スタートは遅いですから。それでも一走一走決めようと思って何とかここまできた。これからもしっかりSを決めて、レースに参加したい
引用元:東スポWEB
スタート無事故歴代ランキング
順位 | 選手名(登番) | 現況 | 無事故数 |
---|---|---|---|
1位 | 河合三弘(3690) | 現役 | 5960走 |
2位 | 森實(2198) | 引退 | 5782走 |
3位 | 林侃(2477) | 引退 | 5308走 |
4位 | 佐藤政行(2745) | 引退 | 5146走 |
5位 | 小野勇作(4006) | 現役 | 5000走 |
現在、スタート無事故の歴代1位は「河合三弘」の5960走。
1999年3月14日のフライングから約23年間、スタート事故ゼロを継続。しかし、2021年12月27日の江戸川4Rでコンマ01のフライングを犯し、連続無事故記録の更新がストップしています。
小野勇作が歴代1位になるのは?
小野勇作の5000走は歴代5位の記録。ただ、河合三弘の記録更新が途絶えた今、小野がこのまま継続できれば歴代1位になる可能性は十分あるでしょう。
- 2018年:287走
- 2019年:252走
- 2020年:233走
- 2021年:270走
- 2022年:260走
1年間で250走以上は出場しているので、約4年後の2026年が節目の年になりそう。
小野勇作とは?
公式画像 | |
名前 | 小野勇作(おのゆうさく) |
登録番号 | 4006(84期) |
生年月日 | 1978年5月9日 |
身長/体重 | 155cm/51㎏ |
血液型 | B型 |
出身/所属 | 佐賀県/佐賀支部 |
小野勇作は佐賀県出身のボートレーサー。1999年5月に84期からデビューし、現時点の通算1着数は1,345勝、優出144回、優勝は18回(G3含む)を果たしています。
デビューから僅か2年後の2001年にA2級に昇格。期によってB1に降格することもありますが、基本的にA級を維持している実力者です。
平均STは遅めだがFはしない
お世辞でも優れた数値とは言えませんが、2004年9月のFを最後にスタート事故がないのは凄いこと。
まぁ、我々ユーザーにとってあまり影響のない記録とはいえ、小野勇作を斡旋する施行者にとっては貴重な存在。フライングされるとその艇の売上は0円ですからね。
決まり手が多彩のオールラウンダー
小野勇作最大の持ち味は正確なハンドルワーク。道中のライン取りも上手く、いわゆる“レース捌き”に長けた選手です。
過去、小野勇作が優勝したレースの決まり手にもそのことが如実に表れています。
開催日 | 場 | 進入 | 決まり手 |
---|---|---|---|
2002/4 | 大村 | 5コース | まくり差し |
2002/11 | 三国 | 6コース | まくり差し |
2003/11 | 児島 | 1コース | 逃げ |
2004/1 | 宮島 | 2コース | 差し |
2007/3 | 徳山 | 2コース | 差し |
2008/2 | 福岡 | 4コース | まくり差し |
2008/8 | 唐津 | 1コース | 抜き |
2009/2 | 浜名湖 | 3コース | まくり |
2009/11 | 唐津 | 1コース | 抜き |
2010/1 | 徳山 | 1コース | 逃げ |
2010/8 | 唐津 | 3コース | まくり差し |
2012/7 | 児島 | 1コース | 逃げ |
2013/7 | 下関 | 2コース | 差し |
2015/4 | 若松 | 2コース | 差し |
2015/5 | 大村 | 4コース | まくり差し |
2017/2 | 下関 | 1コース | 逃げ |
2019/6 | 唐津 | 2コース | 差し |
2021/2 | 鳴門 | 2コース | まくり |
優勝した全18回の決まり手はとにかく多彩。「差し・まくり差し・まくり」が全体の65%以上を占めており、どのコースからでも勝負できるターン巧者であることが伺えます。
余談ですが、2021年2月13日の鳴門で優勝した「まくり」はかなり特殊。
3コース進入(2号艇)の藤山翔大がコンマ07のトップスタート決め、1マークを旋回する時点で完全に飲み込まれる展開。
誰がどう見ても負けはほぼ確定していましたが、小野勇作はまくられた藤山にまさかのツケマイを敢行。
このツケマイが見事に決まり、藤山を引き波にはめて先頭に躍り出ます。そのまま1着を独走し、大波乱の優勝戦となる特大万舟を演出したのです。
こんなまくり決着を見たのは長い競艇人生で初かも。忘れた頃にこうした波乱を起こすので、番組表にいたらお気を付けくださいw
スタート無事故5000走おめでとうございます!そして、歴代1位の記録更新を期待してます!